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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

6・19「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」に、6万5000人が結集〈沖縄〉
 (1189号4面)

 6月19日、午後2時より、那覇市の奥武山陸上競技場をメイン会場に、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」(「オール沖縄会議」)主催による「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」が開催された。「県」内各地から、6万5000の労働者人民が結集した。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)と沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)も、これに参加した。

 梅雨明けの厳しい日差しが照りつけるなか、参加者は、喪服や黒い帽子、黒い傘などを身につけ追悼の意を示しつつも、凄まじい怒りを充満させている。歌手の古謝美佐子氏による「童神」(わらびがみ)の歌によって、まずは厳かに始まり、次に、参加者全員が起立して、1分間の黙祷を行なう。

殺害された女性の父親から「大会」に寄せられたメッセージが読み上げられる。メッセージが読み上げられると、会場は重々しい雰囲気に包まれつつも、このような「事件」を絶対にくり返させない決意、そのために沖縄のすべての基地を撤去させる決意をみなぎらせる。

 「オール沖縄会議」共同代表の4人の挨拶、「県」知事・翁長のあいさつなどが行なわれ、大会の決議文が提案される。決議案は、「元海兵隊員の凶悪な犯罪により、20歳の未来ある女性のいのちが奪われた。これは米軍基地あるが故の犯罪であり、断じて許されるものではない。繰り返される米軍人・軍属による事件や事故に対し、県民の怒りと悲しみは限界を超えた」、「日米両政府は、事件・事故が起こるたびに、『綱紀粛正』、『再発防止』を徹底させると釈明してきたが、実行されたためしはない。このような犯罪などを防止するには、もはや『基地をなくすべきだ』との県民の怒りの声はおさまらない」、「戦後71年にわたって米軍が存在している結果、復帰後だけでも、米軍の犯罪事件が5910件発生し、そのうち凶悪事件は575件にのぼる異常事態である。県民の人権といのちを守るためには、米軍基地の大幅な整理、縮小、なかでも海兵隊の撤退は急務である」と前書きした上で、首相、外相、防衛相、沖縄及び北方対策担当大臣、米大統領、駐日米大使に宛てて、「1、日米両政府は、遺族及び県民に対して改めて謝罪し完全な補償を行なうこと。2、在沖米海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去を行なうこと。3、日米地位協定の抜本的改定を行なうこと」を求めるものである。会場からの拍手と指笛で、決議文は確認された。

 最後に、参加者全員に配られたメッセージボードが、壇上からのかけ声に合わせて、一斉に頭上に掲げられる。「怒りは限界を超えた」、「海兵隊は撤退を」と表裏に書かれたボードが会場を埋め尽くす。沖縄労働者人民の燃え上がるような怒りに圧倒され、会場周辺の道路を徘徊している右翼ファシストどももまったく手出しができない。「大会」は、海勢頭豊氏による「月桃」の歌で締めくくられた。

 この「県民大会」に対して、沖縄の自民党、公明党などは、「海兵隊の撤退、新基地反対が大会の基調になっている」、「事件の政治利用だ」、「純粋な追悼の場にすべきだ」と難くせをつけて、参加を拒否した。しかし、「基地あるが故の事件」に対して、「基地に対する態度」を表明しなければ、「事件」の犠牲者への追悼にはならない。自民党や公明党に折れて、「大会」の基調や決議を、自民党や公明党が受け入れ可能な「沖縄の基地負担の軽減」なるものにしてしまえば、「県民大会」は、「事件」に対して、新たな決意、新たな行動を何も示さないことになる。それどころか、まったくの台無しになる。今や「沖縄の基地負担の軽減」とは、新基地を建設すること以外、何も意味しないからだ。そもそも、〈基地・沖縄〉を押しつけ、新基地建設を推進し、「事件」を必然化させた自民党や公明党が来るべき所ではないのだ。

 他方、沖縄労働者人民の中からは、「海兵隊の撤退」は言っても「全基地の撤去」を言わない「オール沖縄会議」に対しても、不満と批判の声が噴出している。沖縄青年実と沖日労は、怒りに燃えて「全基地撤去」に起ち上がる沖縄労働者人民の最先頭に起つ決意だ。