5・14、沖韓連帯集会が開催される
5月14日午前10時より、「沖縄県立博物館・美術館」の二階講堂において、「米軍基地反対運動を通して沖縄・韓国民衆の連帯をめざす会(沖韓民衆連帯)」が主催し、「海を超え平和の手をつなごう」をメインテーマに、集会が開催された。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)も参加した。
集会は、「武力で平和はつくれない(基調テーマ)」、「米軍基地の環境・人権侵害」、「ドキュメント上映(沖縄と韓国)」、「戦争の脅威に起ち向かおう(報告)」という構成で行なわれた。「武力で平和はつくれない(基調テーマ)」では、佐藤学氏(沖縄国際大学教授)、パク・ソクジン氏(韓国シビリアン・ミリタリー・ウォッチ)から講演を受けた。
佐藤氏は、「米国の『トランプ旋風』をはじめ、世界のあちこちでナショナリズムを煽り、軍事的対立を煽るような状況があることを、非常に心配している。そんな論理にわれわれは騙されてはならない。『尖閣問題』で中国が威嚇的姿勢をとっていると言われるが、日・米両政府の戦争衝動に乗せられてはならない」と提起した。
「圧殺の海―沖縄・辺野古」(最新作)と、「韓国基地平和ネットワーク」制作のDVD上映をはさんで、パク氏が、「韓国(では)、在韓米軍を監視する団体が活動している。北朝鮮の核による対抗姿勢に対して、日本は米国と連動して軍事力を拡大しており、戦争の衝動はますます強まっている」と、日米安保の危険性を改めて強調した。
両氏に続き、様々な提起と報告を受けて、「沖縄と韓国の民衆が海を越えて強く連帯し、アジアで、そして世界各地で現在も続く無益な戦争を止めていこう」と確認していった。
5・14、キャンプ・キンザー包囲デモを闘う
5月14日午後からは、「軍港反対! 浦添市民行動実行委員会」が主催する「浦添軍港反対! キャンプ・キンザー包囲デモ」が開催された。
キャンプ・キンザー(浦添市)に対する包囲デモは、今年で18回目である。浦添市長・松本は、昨年、「浦添軍港反対」の公約を撤回し、「建設容認」に転じている。この「公約破り」の手法は、「名護新基地建設反対」の公約を、当選するや「建設容認」へと転換した現・参院議員の島尻安伊子らの自民党議員とまったく同じである。松本は、軍港建設反対の浦添労働者人民の意思をいとも簡単に裏切り、踏みにじっているのだ。
午後1時半、浦添市役所前広場において、集会が開始される。「『復帰』44年を弾劾しよう。那覇軍港の浦添移転に反対し、キャンプ・キンザーを撤去させるために、包囲デモをやりぬこう」という主催者からのあいさつに続き、参加した諸団体が次々に発言に起った。「沖縄の将来はウチナンチュが決める」、「軍港は要らない。沖縄の軍事拠点化を阻止しよう」、「宮古、石垣、与那国への自衛隊配備を阻止しよう」、「新基地建設を阻止するために、辺野古現地に集中しよう」など、熱い発言が続いた。
午後2時、参加者は、隊列を整え、キャンプ・キンザーに向けたデモへと出発する。デモ隊が「浦添軍港建設反対」、「キャンプ・キンザーを撤去するぞ」、「辺野古新基地建設反対」と、シュプレヒコールで沿道の労働者・市民に訴える。商店街に入ると、手を振る市民や、「頑張って」と声をかける市民もいる。国道58号線に出ると、キャンプ・キンザーの延々と続くフェンスと無機質な倉庫群が目に飛び込んで来る。第4ゲート前では、デモ隊がゲート前を制圧し、ビデオ・カメラを向けて威嚇する米兵やガードマンどもに、怒りのシュプレヒコール叩きつける。「浦添軍港建設反対」、「キャンプ・キンザーを撤去するぞ」、「安保条約粉砕」。存分にシュプレヒコールを叩きつけたデモ隊は、ゲート前を後にし、やがて解散地点である泉小公園にたどりつく。
公園で、集約集会が行なわれた。沖縄青年実の同志も発言に立ち、「浦添軍港建設阻止、名護新基地建設阻止を全力で闘う。いま沖縄で問題となっている『貧困問題』は、基地問題と表裏一体、日帝の差別統合支配の結果だ。基地も貧困もない沖縄を作るためにともに闘おう」と訴えた。
全体で闘いの圧倒的な成功を確認し合い、行動を終了した。
5・15、「県民大会」に2500人が結集
5月15日は、正午から那覇市内の新都心公園で、「沖縄平和運動センター」、「5・15平和行進実行委員会」の主催で、「復帰44年 平和とくらしを守る県民大会」が開催された。平和行進の参加者をはじめ、全国―「県」内各地から、2500人の労働者人民が結集した。沖縄青年実と沖日労も、これに参加した。
新都心公園で「県民大会」が開かれるのは、初めてのことだ。この一帯は、71年前の沖縄戦で、日本軍司令部があった首里を防衛する守備隊の陣地が築かれ、進撃してきた米第6海兵師団との間で、「シュガーローフの戦い」に代表される戦闘が展開された激戦地である。戦後は長い間、米軍・牧港住宅地区として使用されてきたが、1987年に全面返還され、跡地に「那覇新都心」が造成された。新都心公園はその中心部にある。
「県民大会」は、気温30度を超える真夏日の日差しのもと、「沖縄平和運動センター」議長・山城博治氏のあいさつで始まった。山城氏は、「沖縄は、政府の戦争政策によって全県全島が軍事要塞化の脅威にさらされている。辺野古だけではない。与那国、宮古、石垣にも陸自基地が造られようとしている。まさに戦争前夜だ。再び沖縄を戦場にさせないよう、力強い運動を創りたいという決意を新たにした。辺野古の新基地建設は、絶対に再開させない。力を合わせて襲い来る軍国主義の波を止め、この国が再び戦争国家へ邁進することを止めよう」と力強くあいさつした。
那覇市長や沖縄選出の衆・参の議員たちの激励あいさつのあと、各地の闘いの報告が行なわれ、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団長・新川秀清氏、普天間爆音訴訟団顧問・伊波洋一氏、「ヘリ基地反対協」共同代表・安次富浩氏などが発言した。
さらに海外ゲストとして、海軍基地反対闘争を続ける韓国済州島江汀村の婦人会会長・カン・ムンシン氏が登壇し、「10年前に突如、江汀村に海軍基地建設計画が持ち込まれ、これまで必死に反対運動を続けてきた。軍事基地は人々に恵をもたらす海や土地を殺してしまう。基地は大分できたが、あきらめてはいない。子どもたちに愛すべき自然を残すことができるよう、沖縄と連帯して闘っていきたい。ともに集い、ともに歩き、ともに叫ぼう。沖縄の平和! カンジョンの平和!」と熱く訴えた。
東、西、南の3コースの平和行進団からの報告の後、「日米両政府によって推し進められる米軍基地の強化、拡大に強く反対する」「続発する米兵による凶悪犯罪を糾弾し、日米地位協定の抜本的改正を強く要求する」「戦争への道を踏み出そうとする政府の戦争政策、憲法改悪に抗し、わが国とアジア近隣諸国、そして世界平和のために闘いぬく」という「大会宣言案」が読み上げられ、満場の拍手で確認された。
最後に、参加した2500人全員で「団結ガンバロー」を行なって集会を終えた。会場近くには右翼ファシストが数台の街宣車で乗りつけ、大音量で集会の破壊を画策した。沖縄青年実と沖日労は、この右翼ファシストどもの敵対・介入を許さず、また反革命革マルの反革命敵対を一切許さず、この日の闘いをやりぬいた。
|