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4・18東京「再雇用拒否撤回第三次訴訟」地裁判決公判闘争が闘われる (1180号2面)

東京地裁の不当判決弾劾

 4月18日、東京地裁民事第19部で「再雇用拒否撤回第3次訴訟」の判決公判闘争が闘われた。

 「再雇用拒否撤回第3次訴訟」とは、都立学校の教職員3人が卒業式等の「君が代」斉唱時に校長の職務命令に従わず起立しなかったことのみを理由に、定年等退職後の再雇用である非常勤教員としての採用を拒否されたことに対する損害賠償請求事件として提訴された裁判だ。原告の3人は、卒業式等で「君が代」不起立を闘い、懲戒処分を受け、東京「君が代」裁判を闘っている。2011年3月に定年退職を迎えた3人は、退職後の生活保障のために再雇用を求めて「非常勤教員」選考を受けたが、採用を拒否された。都教委は、「君が代」不起立者のみを採用から排除したのだ。

 裁判は、2014年1月15日に東京地裁に提訴され、8回目の昨年12月17日の期日で結審していた。原告の3人は結審に先立つ最終準備書面で、〈第1に〉、「10・23通達」およびこれに基づく校長の一連の職務命令自体が、憲法26条(教育を受ける権利)、同13条(個人の尊重)、同23条(学問の自由)および「10・23通達」発令当時の「教育基本法」16条(不当な支配の禁止)に違反する、〈第2に〉、本件採用拒否が、原告らの思想・良心の自由および信仰の自由を理由とした不利益扱いであり、憲法19条(思想・良心の自由)および20条(信教の自由)に違反する、〈第3に〉、「10・23通達」およびこれに基づく起立斉唱命令が、「国際自由権規約」18条(思想、良心、宗教の自由)に違反する、〈第4に〉、本件採用拒否が裁量権逸脱として違法無効であると主張した。

 さらに、原告代理人の弁護士は、「非常勤教員が導入された経緯や定年に際しての教職員の生活保障という制度趣旨、97・8パーセントという極めて高い採用率から、非常勤教員制度は、再雇用制度の受け皿であり、原告たちの非常勤教員採用への期待は合理的なものであって、法的に保護されるものだ」と主張した。また、この裁判に先行する「再雇用拒否撤回第2次訴訟」では、「地裁と高裁の判決で東京都の採用拒否は裁量権の逸脱・濫用で違法という判決が出ている」と主張した。

「君が代」不起立処分を容認する地裁判決を許すな

 12時30分、弁護士会館前に結集した原告と支援は、横断幕を先頭にして裁判所前に行進し、裁判所前に結集していた他の「君が代」裁判の原告や支援者に拍手で迎えられた。午後1時15分に判決が言い渡される東京地裁の法廷は、支援の傍聴者が多く、定員オーバーとなるほどであった。午後1時20分、地裁前で判決結果を待ち受けていると、傍聴席から「不当判決」と書かれた旗を持った傍聴者が出てくる。原告のA氏は、「勝利を確信していた。都教委の12連敗の流れを絶対維持したいと考えていたが、残念だ」。原告のB氏は、「非常に残念だ。私たちに先行する2次訴訟が地裁、高裁で勝っていたので、それに続くと思っていた。他の裁判に影響しないようにしたい」と不当判決を批判した。

 弁護士会館で行なわれた報告集会では、原告団と弁護団の判決を批判する声明が明らかにされた。今回の判決は、卒・入学式で都教委が強制する「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱を「公立学校を直接所管している都教委が必要と判断して行なったものである以上、改定前の『教育基本法』10条の『不当な支配』には該当しない」としている。また、都教委は、「広範な裁量権を有している」として、原告らの非常勤教員への採用の期待は、「事実上の期待でしかない」としている(「法が期待する権利」を否定)。そのうえで、「職務命令よりも自己のの見解を優先させ、本件職務命令に違反することを選択したことが、その非常勤教員としての選考において不利に評価されることはやむを得ない」としている。「思想転向しないから再雇用を拒否されたのは当然だ」と言い放っているのだ。

 この判決内容に対して、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の事務局長・近藤氏は、「2011年5月〜7月の最高裁判決は、都教委の『10・23通達』とそれに基づき起立斉唱を命じる校長の職務命令は、『間接的制約』があるとしつつも『違憲とは言えない』とし、再雇用拒否を容認した。今日の判決は、この5年前の判決内容に時計の針を逆戻りさせる判決だ」と批判し、「原告は、控訴審での逆転勝訴を目指して闘う決意を表明しています。最後まで支援しましょう」と呼びかけ、参加者全員が勝利をかちとるために闘うことを確認していった。