解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・26 高浜原発四号機再稼働阻止現地闘争を闘う
(1174号5面)

高浜原発再稼働阻止実行委員会」が現地闘争に決起

 2月26日午後5時、関西電力は、高浜原発4号機の再稼働を強行した。同日の26日、関西電力は、3号機の営業運転を開始した。断じて許すことはできない。

 2月26日、「高浜原発再稼働阻止実行委員会」は、関西電力・高浜原発(福井県高浜町)4号機再稼働を阻止すべく現地闘争に起ち上がった。

 関西電力は、1月29日の高浜原発3号機再稼働強行に続いて、「2月下旬の4号機再起動」を報道発表して4号機再稼働強行を狙ってきた。2月26日のわずか6日前の2月20日に、高浜原発4号機補助建屋の一次冷却水系統で34リットルもの放射能汚染水漏れの重大事故が発生し、ブルジョアマスコミ報道ですら「再稼働の日程に影響が出る可能性がある」とされていたものを、関西電力は、「予定通り」、2月26日の再稼働強行を報道発表した。2月26日当日も、1月29日の3号機再稼働と同様、高浜原発周辺の海上には海上保安庁の巡視船2隻が配備され、福井県警もパトカーを巡回させ検問体制を敷いて警戒態勢をとっていた。

 午後1時前、高浜原発北門ゲートから1・7キロほどのところにある高浜町音海地区の駐車場に、闘う労働者人民が続々と結集する。「高浜原発再稼働阻止実行委員会」の仲間も、「高浜原発3、4号機の再稼働を阻止しよう」の横断幕を手に結集した。

 午後1時より集会が開始され、最初に、「2・26高浜原発4号機再稼働阻止!現地緊急行動」の呼びかけ人である木原壯林氏(元日本原子力研究所副主任研究員、京都工芸繊維大学名誉教授)が発言する。木原氏は、発言の冒頭、わずか6日前に4号機で発生した汚染水漏れ事故を弾劾し、運転開始から30年を超える老朽原発の再稼働がいかに危険この上ないか強調したうえで、「安倍政府や関西電力は、原発が『安上り』だということで、原発再稼働をどんどん推進しようとしている。だが、膨大な核廃棄物の処理や事故発生後の処理のことを考えると、原発は決して『安上り』ではない」とした。さらに、「安倍政府は一基あたり5000億ともいわれる原発を130基も輸出しようとしている。これも、原発を推進する理由の一つだ」「原発運転で生み出されるプルトニウムを減らすために『もんじゅ』を使うなんて言っていたが、とんでもない大ウソだ。私は、プルトニウムを何年も研究してきたから知っている」「原発は、核兵器と結びついている。安倍政府は、昨年、戦争法を制定して戦争ができる国にしようとしている」と原発輸出、「核燃料サイクル」計画などの政府の原子力政策を徹底的に批判した。木原氏は、最後に、「原発を止めれば原発事故を止めることができる。原発は人間が動かしているのだから、決意さえあれば止めることができる。今日1日、がんばりましょう」と発言を締めくくった。

 地元高浜町の反対派住民や全国各地で反原発を闘う仲間が次々に発言し、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も発言を行なった。「釜ヶ崎をはじめとした寄せ場・日雇い労働者も少なからず原発労働にたずさわってきた。被曝労働がなければ1秒たりとも動かない原発を許すことはできない」「安倍政府がここまで原発再稼働に執着するのは核武装を狙っているからだ。核武装のための原子力政策を粉砕しましょう」「各地の電力会社施設への抗議行動もあるが、やはり現地闘争が大事です。現地で実力闘争を闘い、地域住民の決起と原発労働者のストライキ決起をかちとっていくことがなによりも必要です。本日の現地闘争を最後までともに闘いましょう」と闘う決意を明らかにした。

 午後2時30分に集会が締めくくられ、高浜原発北門ゲートに向けたデモに出発する。「高浜原発再稼働阻止実行委員会」は、「高浜原発3、4号機の再稼働を阻止しよう すべての原発の廃止をかちとろう 核武装のための原子力政策粉砕」と大書した横断幕を手に先頭を進撃する。デモ隊は、高浜原発北門ゲートに到着し、ゲート前を制圧する。眼前にある4号機建屋を前に「高浜原発再稼働を阻止するぞ」「プルサーマル発電を許さないぞ」「すべての原発廃止をかちとるぞ」「被曝労働を許さないぞ」「核武装のための原子力政策を粉砕するぞ」とシュプレヒコールをたたきつける。午後5時、関西電力は、4号機の制御棒を引き抜き再稼働を強行した。ゲート前の仲間たちは、「2・26高浜原発再稼働阻止!現地緊急行動 参加者一同」名の抗議文を読み上げ、現地闘争を終えた。

高浜原発4号機再稼働徹底弾劾 すべての原発の廃止かちとれ

 高浜原発3号機の「プルサーマル」発電に続いて、4号機で今回はじめてプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)を使う「プルサーマル」発電での再稼働が強行された。すでに原爆数千発分ものプルトニウム(47・8トン)をため込んでいる日帝は、「プルサーマル」計画をどしどし強行しようとしているのだ。2009年12月に、九州電力・玄海原発で「プルサーマル」が開始され、「福島第1原発事故」後、「プルサーマル」は中止されたが、関西電力・高浜原発3号機再稼働で「プルサーマル」が再開された。四国電力・伊方原発(愛媛県)3号機、九州電力・玄海原発(佐賀県)3、4号機で次々と「プルサーマル」発電が強行されようとしている。既存の商用原発でMOX燃料を使う「プルサーマル」は、原爆の材料であるプルトニウム使用によって、まさに「石油ストーブでガソリンを燃やすに等しい無謀な計画」(京大原子炉実験所元助教・小出裕章氏)との指摘があるほど、危険極まりないものなのである。MOX燃料は、制御棒が効きにくいこと、数年後には原発敷地外に運び出せる冷却期間が数年のウラン燃料に比べて発熱量が高く、冷却のために数十年間も原発敷地内に保管しておかなければならないことなど、とんでもない代物なのだ。

 「核燃料サイクル」計画がどんなに破綻しようが、日帝が決してこれを放棄しないのは、自前の核兵器開発の材料と技術と設備を確保するためだ。「原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムは、再び核燃料に使う」と称して、核武装のためのプルトニウム保有政策の隠れ蓑に使うための「プルサーマル」計画なぞ断じてゆるしてはならない。

 2月20日に、放射能汚染水漏れの事故を起こした高浜原発4号機は、再稼働強行直後の2月29日、発電と送電を始めた直後に変圧器周辺でトラブルが起き、原子炉が自動停止した。しかも、発送電の開始をマスコミに公開しているさなかの原子炉自動停止であった。2月20日に放射能漏れ事故を起こしておきながら、4号機再稼働を2月26日に強行した関西電力のあわてふためきぶりは滑稽ですらある。高浜原発4号機は、1985年6月の運転開始から30年を超える老朽原発であるうえに(3号機の運転開始は1985年1月)、ウラン燃料を使うよりもっと危険な「プルサーマル」発電である。関西電力がいかに「非常に申し訳ない。原因を究明し対策をとりたい」と言い訳に終始しようが関係ない。即刻、原発を停止し廃止しなければならないものだ。

 高浜原発3、4号機再稼働を強行した関西電力は、なんと運転開始から40年超えの高浜原発1、2号機(1号機は1974年11月運転開始、2号機は1975年11月運転開始)の再稼働も強行しようとしている。「原子力規制委員会」は、2月24日、高浜原発1、2号機についても「安全対策が新規制基準を満たす」として「審査書案」を了承した。40年を超える老朽原発の「新基準適合」が認められるのは初めてという。「福島第1原発事故」後、運転開始後40年を超えた原発でも、「規制委」が認めれば1回だけ最長20年延長できるとされてしまった。運転開始から40年たてば「廃炉」にしなければならないものをさらに運転期間を20年延長して、最長60年間も原発を運転できるという、とんでもないものだ。関西電力は、高浜原発1、2号機の「安全対策」の工事には3年ほどかかるとしており、再稼働は、2019年秋以降の見通しと報道されている。

 「福島第1原発事故」によって今なお膨大な労働者人民が、被曝―健康破壊と避難―生活破壊を強いられている。「事故」処理現場では多くの労働者たちが、多重請負構造のもと過酷な被曝労働を強いられている。原発労働者、周辺労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即刻廃止しなければならない。核武装のための日帝原子力政策は、ただちに葬り去らなければならない。現地実力闘争の爆発で、全国原発の再稼働を阻止しよう。大間原発をはじめとする原発の新(増)設を阻止しよう。すべての原発の廃止をかちとろう。六ヶ所再処理工場の本格操業阻止、「もんじゅ」の廃炉をかちとり、「核燃料サイクル」計画を粉砕しよう。

 日帝―安倍政府による改憲―核武装攻撃と対決し、安倍政府打倒の革命的反戦闘争を闘いぬこう。反原発・反核燃闘争の大爆発をかちとろう。