労組破壊のための不当解雇を居直るトヨタ資本を許すな
2月19日、午後4時40分から、東京・飯田橋のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環として、15年間にわたってフィリピン現地工場での不当解雇を居直り、今なお労組破壊工作を続けるトヨタ資本に対する抗議行動が闘われた。この行動には東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合の仲間も結集し闘いぬいた。
トヨタ資本は、2001年3月に強行した233人の不当解雇を15年間にわたって居直りつづけている。不当解雇は、労組が2000年に団体交渉権を獲得するための「認証選挙」に勝利し、団体交渉権を獲得したことを、トヨタ資本が取り消させようとしたことから始まっている。これに対して、労組は、労働委員会に提訴し、労働委員会での審問に傍聴動員を行なった。2001年、これをトヨタ資本は、「年次有給休暇の取り方が手続きルール通りでなかった」として、組合員233人の大量解雇を強行し、さらに、2010年には工場内で組織再建のために活動していた4人を解雇したのだ。この不当解雇撤回―労組破壊を許さぬ15年間の闘いのなかでは、2001年3月に、700人が2週間にわたってストライキに突入し、生産をストップさせる闘いを実現している。2004年には、トヨタ本社の責任を追及する闘いのために、フィリピントヨタ労組は、日本の全造船機械労働組合関東地協に加盟し、トヨタ本社を追及する闘いを続けている。「国際労働機関」(ILO)は、「解雇された組合員の職場復帰」や、「団体交渉権の使用者不介入を定める法律の改正」、「フィリピントヨタ労組の指導者たちを保護せよ」といった6次にわたる「フィリピントヨタ問題」でのフィリピン政府に対する勧告を行なってきていたが、昨年10月には、七度目の勧告を行なうに至っている。
米国でトヨタの「人種差別・人権問題」が発覚
午後4時40分から始まったトヨタ東京本社に対する門前闘争は、結集した労働組合の旗が林立するなか、司会を務める全造船の古橋氏からフィリピントヨタ労組の争議の内容が簡潔に提起され、「けんり総行動実行委員会」の大森氏の主催者あいさつが行なわれた。大森氏は、「アジアに進出した日本企業は現地の労働者を安くコキ使い、労組を結成して賃上げや労働条件の向上を要求したら、バッサリと解雇することを繰り返してきた。『世界に冠たる』トヨタが、外国では労働者を人間として扱っていない。悪の限りを尽くしていると言っても過言ではない。われわれは、日本企業が外国で何をしているのか見なければならない。そして、その争議の解決を実現しなければならない。労働者の国際連帯というのは、底辺で苦しみ、あがきながら労働運動を頑張っているアジアや世界の労働者の闘いに連帯して共に闘うことが本当の国際連帯だと考える。われわれはどんな大企業であろうと許すことなく、全力でフィリピントヨタの労働者を支援し、勝利していこう」という決意を述べ、主催者挨拶とした。続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の代表・山際氏がマイクを取り、「トヨタの2兆円の利益は、多くの労働者の努力の結果だ。働く者を大切にするという視点から言うと、今、トヨタは、大きな問題を提起されている。トヨタは、アメリカで人種差別、人権問題を引き起こしている。トヨタがフィリピントヨタの争議を解決せずに『世界に冠たるトヨタ』なぞと大きな顔をすることを許すことはできない。争議の解決まで闘いを続けることをみんなで確認しよう」と呼びかけた。山際氏が言っていた「トヨタのアメリカでの人種差別・人権問題」とは、トヨタのクレジット会社が自動車ローンの金利を人種や出身地によって高くしていたことが発覚し、米帝政府の消費者金融保護局と司法省から「同意しないなら訴訟を起こす」という「同意命令」を受け、渋々「同意」したという問題だ。
天皇のフィリピン訪問を直撃する闘いをフィリピントヨタ労組が闘う
続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の事務局からフィリピン現地での闘いの報告が行なわれる。事務局からは、「1月下旬の天皇のフィリピン訪問にあわせて、フイリピントヨタ労組や元『従軍慰安婦』が行動を闘った。これにつづいて、3月15日には、解雇15年めの大きな行動を行なう予定だ。フィリピン政府は、トヨタにILO勧告に従うように交渉しているが、トヨタは、これに見向きもしないという態度を取っている。トヨタは、アメリカで人種差別が問題にされると、すすんで26億円の賠償金を払うが、フィリピン政府の要請は無視するという態度を続けている。これを改めさせるために、フィリピントヨタとトヨタ本社を追い込んで行きたい」という報告と呼びかけが行なわれた。
集会は、続いて、全造船関東地協の早川事務局長がマイクを取り、「われわれの闘いは、会社が大きかろうと、小さかろうと関係ない。トヨタのようなILO勧告に従おうとしない経営者に働くルールを認めさせる闘いだ。トヨタのアメリカでの対応とフィリピンでの対応は、まったくの『ダブルスタンダード』だ。絶対に許してはならない。15年間闘うということは大変なことだが、勝利にむけて頑張って行きたい」と闘う決意を明らかにした。
トヨタに対して、「トヨタは組合つぶしをやめろ」「トヨタは237人の解雇を撤回しろ」「解雇を撤回して職場に戻せ」「トヨタはILO勧告に従え」「トヨタは争議を解決しろ」「トヨタは労働者の権利を奪うな」「トヨタは下請けいじめをやめろ」とシュプレヒコールを叩きつけた後、連帯あいさつが行なわれる。JAL争議団、全統一、全労協全国一般東京労働組合フジビグループ分会からの報告と支援呼びかけが行なわれ、全体で「団結ガンバロー」を三唱し、行動は締めくくられた。
|