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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

1・29 高浜原発再稼働阻止現地闘争を闘う (1171号4面)

高浜原発再稼働阻止現地闘争に決起

 1月11日の高浜現地闘争に続いて、高浜原発再稼働阻止実行委員会は、1月29日、関西電力・高浜原発(福井県高浜町)再稼働を阻止すべく現地闘争に決起した。

 前日までの好天とはうって変わって朝から雨が降り続く中、午前8時、高浜原発北門ゲートからほど近い展望広場に、闘う労働者人民が結集する。展望広場には、1月24日から救護テントが張られ、24時間の闘争体制がとられている。労働者人民の高浜原発再稼働阻止の実力闘争の爆発に恐怖する国家権力・福井県警は、高浜原発前の正面ゲート、北門ゲートを含む2キロ余りの2車線を1車線の交互通行に規制し、ゲート前は道路車道ぎりぎりまで阻止線を作っていた。海上には、海上保安庁の巡視船2隻が配備され、まさに戒厳態勢ともいうべき状況であった。

 午前9時になり、結集した仲間から高浜原発再稼働阻止に向けた決意が次々と述べられる。福井県警は、「集会届が出ていない。公安条例違反だ。直ちに解散しろ」と再三、恫喝をかけてくる。反革命弾圧を策す福井県警を徹底弾劾しつつ、集会が貫徹され、いよいよ、再稼働を阻止すべく高浜原発ゲートに向けて進撃を開始する。実行委の部隊は、「高浜原発三、四号機の再稼働を阻止しよう すべての原発の廃止をかちとろう 核武装のための原子力政策粉砕」と大書した横断幕を手に進撃する。北門ゲートに到着し、「高浜原発再稼働を阻止するぞ」「プルサーマル発電を許さないぞ」「すべての原発廃止をかちとるぞ」「核武装のための原子力政策を粉砕するぞ」とシュプレヒコールをたたきつける。部隊は、さらに正門ゲートに進撃する。再稼働を強行しようとしている関西電力に対し、怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、高浜原発再稼働阻止現地実力闘争を貫徹した。

 1月29日午後5時、関西電力は、高浜原発3号機の再稼働を強行した。翌々日の1月31日からは、4号機の核燃料装填を開始している。関西電力は、1月29日の高浜原発3号機再稼働に続いて、2月下旬にも4号機の再稼働を強行しようとしているのだ。これを断じて許してはならない。

 2015年12月19日に、福井県原子力安全専門委員会(委員長・中川英之福井大名誉教授)は、「工学的な安全性が向上しており、必要な対策は確保できている」とする報告書を福井県知事・西川に提出し、12月22日に、福井県知事・西川が、再稼働への同意を表明した。また、12月18日、原子力防災会議(議長:首相・安倍)は、高浜原発から半径30キロ圏内にある周辺3自治体(福井県・滋賀県・京都府)の避難計画を了承している。

 このような高浜原発再稼働に向けた出来レースが繰り広げられたうえで、12月24日、福井地裁裁判長・林は、「関西電力・高浜原発運転差止仮処分決定取消」の不当決定を行なった。この「仮処分取消」翌日の12月25日から、関西電力は、高浜原発3号機(福井県高浜町)への核燃料装填を開始し、12月29日に、高浜原発3号機の再稼働を強行したのだ。しかも、「原子力規制委員会」の「適合性基準」で義務付けられている「免震重要棟」は完成しておらず、周辺住民対策としての避難道路(「原発災害制圧道路」)はいまだ建設中というありさまだ。「安全対策」なぞ二の次三の次で、とにもかくにもドミノ倒しのごとく全国の原発の再稼働を推し進めていくというのが安倍極右政府の原子力政策なのだ。

高浜原発三号機再稼働徹底弾劾

 高浜原発3号機再稼働で、「福島第1原発事故」後、中止されていた「プルサーマル」発電が再開された。破綻に破綻を重ねる「核燃サイクル」計画の「切り札」として国内初の「フルMOX炉」として建設が強行されているJパワー・大間原発(青森県)とあわせて、高浜原発での「プルサーマル」なぞ断じて許すわけにはいかない。「プルサーマル」とはウランにプルトニウムを混ぜたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使って既存の商用原発で発電を行なうというものだ。すでに、日帝は、原爆数千発分ものプルトニウム47・8トンをため込んでいる。日帝の核武装の野望を押し隠すためのプルトニウムの「平和利用」というアリバイ作りのために、「プルサーマル」計画が強行されてきた。2009年12月に、九州電力・玄海原発で「プルサーマル」が開始され、「福島第1原発事故」後、「プルサーマル」は中止されたが、関西電力・高浜原発3号機再稼働で「プルサーマル」が再開されたことになる。2月下旬にも再稼働が狙われている高浜原発4号機、四国電力・伊方原発(愛媛県)3号機、九州電力・玄海原発(佐賀県)3、4号機で次々と「プルサーマル」発電が強行されようとしているのである。既存の商用原発でMOX燃料を使う「プルサーマル」は、原爆の材料であるプルトニウム使用によって、まさに「石油ストーブでガソリンを燃やすに等しい無謀な計画」(京大原子炉実験所元助教・小出裕章氏)との指摘があるほど、危険極まりないものなのである。MOX燃料は、制御棒が効きにくいこと、数年後には原発敷地外に運び出せる冷却期間が数年のウラン燃料に比べて発熱量が高く、冷却のために数十年間も原発敷地内に保管しておかなければならないという、とんでもない代物なのである。関西電力・高浜原発で3号機に続き四号機も再稼働すれば、MOX燃料は、再稼働前の約5・3トンの3・5倍の約18・5トンに増えるという。最低でも冷却に数十年もかかる使用済みMOX燃料が、18・5トンも、高浜原発敷地内にとどまることになるのだ。「核燃サイクル」計画の「切り札」として現在、国内初の「フルMOX炉」として建設が強行されている大間原発がどれほど、恐ろしい代物か分かろうというものだ。

 「核燃料サイクル」計画がどんなに破綻しようが、日帝が決してこれを放棄しないのは、自前の核兵器開発の材料と技術と設備を確保するためだ。あわせて、「原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムは、再び核燃料に使う」と称して、核武装のためのプルトニウム保有政策の隠れ蓑に使うためだ。加えて、安倍政府は、2015年12月12日、インド政府との間で、インドへの原発輸出を可能にする「原子力協定」に「原則合意」した。「核不拡散条約」(NPT)に加盟もしていないインドの核兵器開発―保有に事実上承認を与え、原発輸出でそれをさらに推進するというのだ。

 「福島第一原発事故」によって今なお膨大な労働者人民が、被曝―健康破壊と避難―生活破壊を強いられている。「事故」処理現場では多くの労働者たちが、多重請負構造のもと過酷な被曝労働を強いられている。原発労働者、周辺労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即刻廃止しなければならない。核武装のための日帝原子力政策は、ただちに葬り去らなければならない。現地実力闘争の爆発で、全国原発の再稼働を阻止しよう。大間原発をはじめとする原発の新(増)設を阻止しよう。すべての原発の廃止をかちとろう。六ヶ所再処理工場の本格操業阻止、「もんじゅ」の廃炉をかちとり、「核燃料サイクル」計画を粉砕しよう。

 日帝・安倍政府による改憲―核武装攻撃と対決し、安倍政府打倒の革命的反戦闘争を闘いぬこう。反原発・反核燃闘争の大爆発をかちとろう。