解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・11「建国記念の日」粉砕闘争に決起せよ (1168号4面)

 2月11日、全国反戦と全学連は、首都・東京と沖縄において、「建国記念の日」粉砕闘争に決起する。すべての闘う労働者人民は、天皇主義右翼ファシストの「奉祝」を掲げた登場―街頭制圧を粉砕し、「建国記念の日」粉砕闘争に総決起せよ。

 「建国記念の日」とは、朝鮮反革命戦争突撃に向けた国威発揚と、天皇・天皇制のもとへの反革命国民統合のための日に他ならない。こんなものは粉砕あるのみである。天皇主義右翼ファシストが、「奉祝」の街頭制圧に踏み込み、反対運動の抹殺に手をかけることを絶対に許してはならない。すべての労働者人民が、ファシストの制圧を切り裂く街頭実力行動に共に起ちあがることを訴える。

「建国記念の日」を粉砕せよ

 「建国記念の日」とは、「建国神話」をもとにつくられた「日本書紀」において、架空の人物にすぎない「初代天皇・神武」が即位した日とされる「紀元前660年2月11日」のことである。つまり、「建国記念の日」とは、100パーセント歴史の捏造によるデッチ上げの産物なのだ。1873年、明治政府が、天皇制を柱とする国家権力を確立するための一つの手段として2月11日を「紀元節」とし、以降、これが「国威発揚」と、天皇制のもとへの反革命国民統合の場として位置づけられてきた。「皇室典範制定」、「帝国憲法発布」、「日露戦争開戦」、「日中・太平洋戦争下の総攻撃」の日が「紀元節」に設定されるなど、ナショナリズムの鼓舞と戦意高揚に「紀元節」が用いられた。中でも、1940年の「紀元2600年祭」は、「日中戦争」の行きづまり打開のための国家的儀式として強行されている。戦後、一旦は廃止されたものの、1950年朝鮮戦争開始前後から「紀元節」復活が叫ばれ、「明治百年」を前にした1966年、首相・佐藤によって、「建国をしのび、国を愛する心を養う」ことを趣旨として「建国記念の日」が法制化され、「建国記念の日」として復活した。1978年から「『建国記念の日』奉祝式典」(1985年以降は、首相や閣僚が出席し、財団法人「国民の祝日を祝う会」主催の「『建国記念の日』を祝う国民式典」として開催)が、政府後援行事として強行されてきた。政府は、2005年、「建国記念の日は定着し、式典の役割を終えた」と、従来の「国民式典」形式を中止し、渋谷のNHKホールで内閣府後援の「『日本の祝日』祝賀コンサート」を行なったが、2006年以降はそれも中止している。

 一方、天皇主義右翼ファシストどもは、全国各地で「天皇陛下万歳」「神武天皇建国万歳」を叫んで「奉祝行事」を強行しており、首都・東京では、「日本会議」や「神社本庁」、「国際勝共連合」などで構成する「日本の建国を祝う会」が、明治神宮会館で「奉祝中央式典」を行なってきた。2016年も、「奉祝中央式典」を2月11日午後1時から午後3時まで、明治神宮会館で行なおうとしている。「中央式典」では、「いま語り継ぎたい日本の心」と題して、自民党参院議員・山谷えり子、麗澤大学教授・八木秀次らが「記念提言」を行なうとされている。そして、これに先立つ「奉祝パレード」を、午前10時から午後1時まで、原宿表参道周辺で強行しようとしている。全国から右翼ファシストが集結し、憎悪に満ちた罵詈雑言で反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、反中国―反共・排外主義を煽りたてての首都制圧を狙っているのだ。

 さらに、「日本会議」系とは別の右翼ファシストどもも、当日午後四時から永田町の星陵会館において「紀元節奉祝式典」なる行事を開催しようとしている。「奉祝式典」では、「紀元節祭」と、「拉致問題と国家」と題する右翼文化人の講演会を行なうという。

 右翼ファシストどもが首都・東京を跳梁し、街頭を「奉祝」一色に染め上げようとしているのだ。こんなことを断じて許してはならない。ファシストどもを蹴散らし、「建国記念の日」を粉砕するために、街頭実力デモに断固、起ち上がろう。

戦争遂行の安倍極右政府打倒へ

 安倍ら自民党は、「建国記念の日」を新たな「紀元節」として再編し、かの15年戦争下における1940年の「紀元2600年祭」のごとく、朝鮮反革命戦争突撃のステップとしてうち固めようとしている。

 2015年8月に、「戦後70年談話」を発表し、戦争責任の居直りを表明して図に乗る首相・安倍は、さらに攻勢を強めている。安倍政府の閣僚たちが、ことあるごとに靖国神社参拝をくり返しているのである。12月28日、首相・安倍の連れ合いの安倍昭恵が、靖国神社を参拝し、靖国神社内の極悪極まる歴史博物館「遊就館」も観覧した。安倍昭恵は、年3回も靖国神社に出向いている。明らかに、首相・安倍の代理としての参拝である。

 12月28日、日韓両政府は、「従軍慰安婦問題」について「合意に達した」「最終的、不可逆的に解決する」と発表した。「合意」内容は、首相・安倍が元「従軍慰安婦」に対し「心からのおわびと反省」を表明するとともに、元「従軍慰安婦」支援のための財団を韓国政府が設立し、日本政府が自国予算で約10億円の資金を一括拠出する、とされている。

 「歴史問題」で反目しあっていたはずの日韓両政府が、いかにも急ごしらえの「合意」を呑んだのは、米帝・オバマの強力な意向によるものである。朝鮮反革命戦争に備えて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を包囲する臨戦態勢構築のために、日・米・韓の連携強化を急ぐ米帝・オバマが、安倍に対して「従軍慰安婦問題の解決」を迫ったからであった。

 日帝は、戦後一貫して戦争責任を居直り、したがってアジア・太平洋諸国への戦時賠償を一切認めることなく、今日に至っている。元「従軍慰安婦」をはじめとするアジア労働者人民の怒りが爆発する中、1995年に日帝首相・村山(当時)が「アジア女性基金」を立ち上げ、「見舞金」なるカネを元「従軍慰安婦」にバラ撒くことで政治決着を図ろうとした。しかし、日帝の傲慢な態度に対する元「従軍慰安婦」の怒りの決起の前に、「アジア女性基金」は頓挫した。今回の「日韓政治決着」は、内容的には、その「アジア女性基金」の焼き直しであるが、より悪質なのは韓国政府を当事者に巻き込み、元「従軍慰安婦」への「説得」の役割を韓国政府に担わせたことである。安倍政府は、米帝・オバマの顔を立てつつも、朴槿恵政権に対し「10億円を渡すから、元『従軍慰安婦』を黙らせろ。もう二度と蒸し返すんじゃないぞ」と傲慢に突きつけたのである。しかも、安倍政府は、ソウルの日本大使館前に設置されている元「従軍慰安婦」の銅像までも、撤去させようとしているのだ。

 安倍政府が心底から「心からのおわびと反省」なぞするはずがないことは最初からわかってはいたが、「日韓合意」からわずか半月後の1月14日には、自民党衆院議員・桜田義孝(元文部科学副大臣)が元「従軍慰安婦」について「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と暴言を吐いている。安倍政府は、こんな発言をする輩を処分すらしない。どこまでも傲慢な安倍政府のやり方に、腸が煮えくりかえる。

 こんな安倍政府の「従軍慰安婦問題」居直りを容認する政治決着に対し、元「従軍慰安婦」と支援する韓国労働者人民からなる「挺身隊問題対策協議会」は、日帝の法的責任をあくまで追及する怒りの反撃戦に起ち上がっている。

 安倍極右政府は、ファシスト団体・「日本会議」との一体性をますます強めている。「日本会議」は、「神社本庁」とも密接な関係を持ち、大ブルジョアジーや文化人らが役員として名を連ね、「改憲」「天皇制強化」「首相の靖国神社参拝」などを主張している。また、「日本の建国を祝う会」の主要構成団体である。その「日本会議」を支える「日本会議国会議員懇談会(日本会議議連)」には、国会議員約250人が参加しているが、安倍政府の閣僚は、幾多の改造を経てもなお、首相・安倍も含めてこぞって「日本会議議連」の構成員である。安倍極右政府の戦争政策のバックボーンを作り、ファシズム運動を組織して「世論工作」を進め、安倍政府を右から支えている。

天皇・天皇制を打倒せよ

 「日本会議」「神社本庁」らは、安倍政府の改憲攻撃の援護に入っている。今年の正月、全国各地の神社で、改憲要求の署名用紙を境内に置き、初詣客らに署名を呼びかけていたのだ。改憲勢力は、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を立ち上げ、2015年11月から「1000万人の賛同者」を目標にした署名活動を行なっている。この輩どもは、改憲の際の国民投票をみすえ、過半数の目安とされる「3000万人の賛成」を射程に入れており、改憲要求署名を「国民投票運動」の名簿作りに使おうとしているのだ。

 「日本会議」らファシスト勢力と露骨に結びつく安倍極右政府を、いつまでものさばらせるわけにはいかない。日帝の戦争責任の居直りを許さず、戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう。

 日帝は、2014年12月23日に満82歳となり、満身創痍になっている天皇・アキヒトの天皇Xデー(=アキヒトの死)が間近に迫っていることを見すえ、天皇・天皇制の全面賛美と強化に突き進もうとしている。「日帝国家のために戦え」「天皇のために死ね」とする、朝鮮反革命戦争発動を見すえた労働者の戦争動員・戦争協力が強いられようとしているのだ。

 安倍政府は、戦時体制形成のために天皇・天皇制を最大限活用している。日帝・文部科学省は、「愛国心教育」を推進し、天皇支配を賛美し、アジア侵略・植民地支配を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」系の歴史・公民教科書を検定・合格させている。また、教育現場においては、「日の丸」「君が代」強制、「愛国心教育」、歴史の改竄の攻撃が吹き荒れ、拡大している。ファシスト東京都知事・石原(当時)の下で「日の丸」「君が代」強制に対決して不起立・不伴奏などを闘った教育労働者に対して、都教委が2003年に出した「10・23通達」以降、2015年4月までの段階で延べ474人への処分がなされているのだ。大阪では、元大阪市長・橋下率いる「おおさか維新の会」が牛耳る大阪府・大阪市行政の下で、教育行政の改悪が矢継ぎ早に強行され、様々なファッショ的「条例」を成立させている。闘う教育労働者と連帯し、「新しい歴史教科書をつくる会」系の歴史・公民教科書の検定・合格を許さない闘いを闘いぬくとともに、「日の丸」「君が代」の強制―処分と対決し、「日の丸」「君が代」強制攻撃を打ち砕いていかなければならない。

 安倍政府の「道徳教育」強制を核心とする「教育改革」に呼応し、ファシストどもが学校経営に乗り出している。大阪市淀川区にある幼稚園・「塚本幼稚園幼児教育学園」では、幼稚園児に「教育勅語」「五箇条の御誓文」を朗唱させ、さらに皇族の関西訪問の際の「奉迎」動員まで行なっている。この学校法人は、さらに小学校開設も狙っている。こうして天皇制を前面に押し出した「愛国心」教育を全面化させて、労働者人民の戦争動員を狙っているのが、安倍政府なのである。

 天皇・アキヒトは、1月26日〜1月31日にフィリピンを訪問した。「国交回復60周年記念」と称して、日帝軍隊が蹂躙したフィリピンの地に立つことで、日帝の戦争責任の清算に踏み込もうというのだ。アキヒトは「慰霊の旅」に並々ならぬ執念を燃やしている。2005年のサイパン島訪問、2013年のインド訪問、2015年の南太平洋・パラオ訪問に続く「慰霊の旅」を続けることで、15年戦争を清算しようとするアキヒトの目論見を、許すことはできない。

 天皇制ファシズムに屈服し、排外主義に転落し、朝鮮、中国―アジア労働者人民虐殺に加担していった日本階級闘争の敗北の歴史の根底的突破をかけて改憲攻撃を粉砕し、ファシズムへの急接近を打ち破らねばならない。日帝の朝鮮反革命戦争突撃をうち砕く革命的反戦闘争の爆発をきりひらかねばならない。1989年ヒロヒトの死―天皇Xデーを通した天皇・天皇制攻撃の強化に対して「大喪の礼」粉砕闘争、1990年「即位の礼」―「大嘗祭」粉砕闘争を実力・武装で闘いぬいた地平を拡大し、これを上回る権力闘争の本格的飛躍をきりひらき、天皇・天皇制を打倒しよう。

天皇主義右翼ファシストを撃滅せよ

 「領土問題」をめぐるナショナリズムの大合唱と、反北朝鮮―反共・排外主義煽動が吹き荒れる中、天皇主義右翼ファシストは、日帝の尻を叩き、北朝鮮への武力行使への道を拓こうと躍起となっている。反北朝鮮・反中国―反共・排外主義を叫び、北朝鮮や中国への武力行使を煽っているのだ。「一水会」「幸福実現党」「在日特権を許さない市民の会(在特会)」「頑張れ日本! 全国行動委員会」らのファシスト勢力が、競い合うように跳梁を強めており、さらに形を変えながら、国政議会や地方議会へのさらなる進出を狙ってうごめいているのである。

 天皇主義右翼ファシストどもは、革命勢力を主敵としながら、白色襲撃、「ヘイト・スピーチ」をはじめとする差別主義・排外主義煽動を繰り返している。「在特会」らが、広島反戦闘争や沖縄人民解放闘争など、あらゆる闘争現場に出没しては、「核武装推進」「朝鮮人虐殺」などの敵対・挑発の言辞を口汚く吐き散らしているのだ。2015年9月20日、天皇主義右翼ファシストは、沖縄・名護市辺野古のテント村の破壊に手を染めている。11月23日には、「在特会」が笑止にも、革命党本部に対する「直接抗議行動」なるものに手を染めた。他方、「一水会」は、「真の愛国者」を標榜し、「ヘイト・スピーチへの反発」を語りながら反原発運動などに介入し、さらには「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」らの提唱する「落選運動」の尻馬に乗った上で、自民党議員らの取り込みに動くなど、日本階級闘争の攪乱・破壊に動いている。

 激化する反共ファシストどもの跳梁に対する労働者人民の鉄の回答は、撃滅戦の爆発しかありえない。「一水会」や「統一戦線義勇軍」、「国際勝共連合」などファシストどもと闘ってきた革命的学生運動の地平、国粋会金町一家による佐藤氏、山岡氏虐殺を許さず金町一家解体戦を堅持してきた寄せ場労働者の闘い、そして、1986年檜町公園爆殺未遂テロと対決してきた革命派の闘いを引き継ぎ、対ファシスト戦の攻勢を切りひらいていかなければならない。

 「SEALDsの台頭」を受けて「国民連合政府」構想を掲げた日共は、1月4日開会の通常国会において、69年ぶりに開会式に出席し、臨席するアキヒトに頭を垂れた。議会内の全勢力が天皇に忠誠を誓う、おぞましい翼賛国会が既に形成されているのだ。天皇制への屈服が、日本階級闘争の手痛い敗北に直結したという歴史的事実を、肝に銘じなければならない。戦前天皇制ファシズムのもとへの屈服・敗北の歴史を二度と繰り返してはならない。ファシズムへの突撃を切り裂く実力闘争、武装闘争の爆発をかちとろう。

 2・11「建国記念の日」粉砕闘争を首都中枢と沖縄において闘いぬき、街頭、学園、地域における天皇主義右翼ファシストとの激突戦・制圧戦に勝利しよう。「建国記念の日」粉砕闘争の爆発をかちとろう。


2・11「建国記念の日」粉砕闘争

東京 午前11時 宮下公園(渋谷駅下車)
主催 全国反戦・全学連


沖縄 那覇市内
主催 天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会


※「建国記念の日」粉砕闘争は、上記のように変更になりました。