御茶ノ水駅頭でPKO―南スーダン第9次派兵阻止に決起
11月4日、統合幕僚監部は、「南スーダン派遣施設隊」の第9次派兵部隊の派兵を発表した。第9次派兵部隊は、東海地区に配属される陸上自衛隊第10師団を主力とする部隊である。総勢約350人からなる「派遣施設隊」が、第8次部隊と交代して南スーダンに布陣することになる。今回の第9次南スーダン派兵は、11月22日に先発隊100人が中部国際空港から出撃し、12月2日に本隊の第1波150人が名古屋空港から出撃、12月16日から第2波の100人が名古屋空港から出撃する。
11月22日、反戦・全学連の部隊は、JR御茶ノ水駅頭に登場する。青ヘルメット、ゼッケンを着け整列し、シュプレヒコールをあげる。「陸自施設隊の南スーダン派兵を阻止するぞ」「『国連平和維持活動』(PKO)派兵を阻止するぞ」「拡大する自衛隊派兵を粉砕するぞ」「『安保法制関連法』を粉砕するぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」。シュプレヒコールが駅周辺にこだまする。ビラが撒かれ、アジテーションが響き渡る。「集団的自衛権の行使」を可能とする「安保法制関連法」の成立をうけ、自衛隊派兵に対する労働者人民の関心は高い。手を出してビラを受け取りにくる人もいる。われわれの闘いは、確実に労働者人民の共感を得、広がっている。約一時間にわたる情宣を終え、最後に再びシュプレヒコールを行ない闘争を終えた。
安倍政府は、「戦争法」である「安保法制関連法」の成立をうけ、堰を切ったように、戦争政策を一挙に強化・拡大させており、自衛隊強化の手始めとして、まず南スーダンPKO派兵を強化しようとしている。安倍は、「安保法制関連法」成立の翌日には、南スーダンに派兵する陸自部隊の任務に、新たに他国部隊の戦闘に援軍として駆け付ける「駆け付け警護」を加える検討に入った。来年2月にも新たな任務を盛り込んだ「実施計画」を閣議決定し、武器使用基準を緩和して、5月に北海道・真駒内の陸自・北部方面隊から出兵する施設部隊に対して「駆け付け警護」を初適用することを狙っている。
自衛隊の中東―アラブ諸国労働者人民虐殺を許すな
南スーダン北部では、スーダンとの対立が続き、戦闘が頻発している。そればかりか、南スーダン内部での内戦も激化している。大統領・キールの出身民族であるディンカ人と、反乱軍を率いる前副大統領・マシャールの出身民族であるヌエル人との民族対立が激化し、北部の油田地帯を主戦場とする戦闘が続いているのである。この内戦で、100万人以上が避難生活を余儀なくされている。南スーダンは、依然不安定である。戦闘は、首都・ジュバなどの自衛隊活動地域に及んでおり、自衛隊が中東―アラブ諸国労働者人民を虐殺する戦闘に及ぶことは明らかである。ましてや、「駆け付け警護」を行なえばなおさらその可能性は高くなる。こんな南スーダン派兵は断固として阻止しなければならない。
2011年7月にスーダンから、南スーダンが分離・独立した。国連は、ただちに国連南スーダン派遣団(UNMISS)を設置してスーダンと南スーダンとの衝突に身構え、UNMISSは、両者を分離させる部隊として活動している。
2012年1月に、野田政府(当時)が中央即応連隊(宇都宮駐屯地)を主軸とする南スーダン第1次派兵を行ない、以降、計8次にわたる派兵を約半年交代でくり返してきた。派兵部隊は、「比較的治安が安定している」といわれる首都・ジュバに宿営地を設営し、現在、派兵部隊強化のための条件整備を行なうとともに、現地で道路や橋梁などの社会インフラ整備を行なっているとされる。施設部隊の活動に必要な機材は、ジュバから約2000キロ離れたケニアの港湾都市・モンバサや、国連の物資集積基地があるウガンダのエンテベから輸送している。また、南スーダンPKOの司令部要員の派兵についても、陸上自衛官3人がジュバのUNMISS司令部に派兵されている。
安倍政府になってから、南スーダン派兵がさらに強化されている。活動範囲が東エクアトリア、西エクアトリア両州にも拡大されており、それに伴い人員も増員されている。そして、8月7日には、安倍政府は、「PKO協力法」に基づくUNMISSへの自衛隊派兵を2016年2月末まで6ヵ月間延長することを決めているのだ。
闘う全世界労働者人民と連帯し、戦争遂行の安倍極右政府打倒へ
日帝は、「南スーダンの国づくりに貢献する」と称して、石油権益などを確保するための活動に踏み込んでいる。PKOとこれに連動した政府開発援助(ODA)の活用を「車の両輪」に据え、医療・教育施設の建設に加え行政や衛生・農業といった分野で非政府組織(NGO)とも連携した人材育成・技術協力も進め国家の基本的機能の構築を支援するという。日帝は、自衛隊派兵をテコに、南スーダンに食い込み、石油資源などの権益を確保しようというのだ。
中東労働者人民の怒りの矛先は、南スーダン派兵に踏み込み、中東反革命支配に参画する日帝にも向けられていることを、肝に銘じなければならない。自衛隊による中東―アラブ諸国労働者人民虐殺を許してはならない。
安倍政府は、米帝との連携を堅持しながら、沖縄・名護新基地建設の加速化をはじめとする自衛隊、在沖―在日米軍基地を着々と強化しようとしているが、議会内勢力の総翼賛化も、「安保法制関連法」成立の過程で一挙に加速している。日共が、「国民連合政府」構想を打ち出し、議会内野党の結集を呼びかけている。10月15日、日共委員長・志位は、「安保法制関連法廃止」を目指すとする「野党連立政権=『国民連合政府』」について、仮に実現した場合、「党綱領で掲げる日米安保条約廃棄」は要求せず、自衛隊を維持する考えを示した。さらに、「現行の日米安保条約の枠内で対応する」と述べ、「有事」の際には在日米軍に出動を求める場合もあるとの認識を示し、自衛隊についても「急迫不正のときに自衛隊を活用するのは当然だ」と言い放った。一切の議会内勢力が総翼賛化し、今や反革命翼賛国会が常態化している。この状況を見ながら、安倍政府は、来年の参院選勝利を狙い、一挙に改憲へと突進しようとしている。まず、安倍政府が着手しようとするのが、「国家緊急権(緊急事態条項)」導入である。安倍政府は、戦争遂行に向けて、強大な権限を政府に集中させようとしているのだ。
安倍極右政府による戦時国家体制形成―ファシズムへの突撃と対決しよう。革命的反戦闘争の爆発をかちとり、国際反革命戦争の拡大・激化へ突き進む安倍極右政府を打倒しよう。中東反革命戦争、朝鮮反革命戦争を粉砕する革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。
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