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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2015−2016年山谷越年・越冬闘争の呼びかけ
東京・山谷日雇労働組合

(1163号7面)

 すべての日雇い・野宿の仲間たち!寄せ場・日雇い労働者の闘いに心を寄せるすべての皆さん!

 東京・山谷日雇労働組合は、「黙って野垂れ死ぬな!」「生きてやり返せ!」を合言葉に、寄せ場・日雇い労働者が収入を得る場である現場―飯場が完全に閉まり、行政の窓口も閉まる越年期、12月28日から1月4日の間、山谷・玉姫公園を拠点に、2015―2016年山谷越年・越冬闘争をやりぬきます。

 多くの寄せ場・日雇い労働者が働いてきた建設業界について、マスコミは、「オリンピック景気」「復興景気」と描いています。しかし、このような「建設特需」に伴う求人は、寄せ場・山谷を経由せずに行なわれています。「建設特需」の求人の大半は、人夫出し業者が飯場に確保している労働者や、自宅などから工務店などに向う「直行」の労働者によって占められています。これは、元請けゼネコンが下請け業者に対して「年齢制限」を強め、「運転免許」「玉掛け」「リフト」など数種類の資格を持った「多技能工」を要求し、下請け業者も携帯電話を持った労働者などを優先的に雇用する動きを強めているからです。山谷では、路上求人がほとんどなくなり、玉姫職安や「城北労働・福祉センター」(センター)といった山谷の公的な仕事紹介の窓口でも民間求人はほとんどありません。

 こういったなかで、山谷の日雇い・野宿労働者は、玉姫職安が紹介する東京都の「特別就労事業」への就労や、センターが紹介する「高齢者就労事業」、荒川区が行なう就労事業への就労がわずかに残された収入の道になっています。しかし、その就労―収入は、1日8870円の賃金の「特別就労事業」に1ヵ月4回就労できても、さまざまな控除をされると1日7800円―1ヵ月3万円程度にしかなりません。これでは、ドヤ(簡易宿泊所)に泊まり、「働いて生きて行く」ことができない状態が続きます。

 さらに、山谷に辿り着いた労働者が、この公的就労事業に就労するために、玉姫職安で「求職受付票」(通称「ダンボール手帳」)を作ろうとしても、職安の窓口で追い払われる労働者が続出し、東京・山日労が「労働者の権利を否定するな」と窓口に同行して手帳の発行を実現させるという状況が続いています。とりわけ、東京都からの補助金で運営されているセンターの「仕事紹介」「給食」「宿泊」を受けるための「利用者カード」の発行拒否は悪質です。センターは、「利用者カード」の発行を申請に来た労働者に対して、「野宿しているからダメだ」「民間の仕事に行ってないからダメだ」なぞと言い、発行を拒否しています。寄せ場・日雇い労働者を使い捨てにし、野宿に追い込む建設資本を免罪し、「オリンピック開催を見据えた山谷の再開発」を推進する側に立ち、山谷の日雇い・野宿労働者を「邪魔者扱い」にするセンターの所業は、「野垂れ死ね」と言っているに等しく、多くの労働者からの怒りが高まっています。

 私たちは、このような状況に対して、3月に寄せ場春闘の集中行動で全国寄せ場交流会の仲間とともに、元請けゼネコン=日本建設業連合会、厚生労働省、日本経団連に対して「日雇い労働者の使い捨て許さん!」「仕事を出せ!」と、怒りと要求を叩きつけ、7月には東京都の山谷対策係、産業労働局との交渉を闘い、11月にはセンターとの「利用者カード」発行拒否をめぐった交渉を闘いぬいてきました。

 また、私たちは、この山谷での「仕事よこせ」の闘いとともに、「反戦・反失業」の闘いの一方の基調をなす反戦の闘いにも連続的に決起してきました。日本の労働者階級の全体が歴史の岐路に立った「安保法制関連法」制定攻撃に対しては、衆―参を貫いて「反革命翼賛国会粉砕」「強行採決実力阻止」の基調の下、連続的な対国会闘争を闘い、戦争翼賛の労働運動への転落を強制することも狙った「労働者派遣法」改悪攻撃に対しても唯一対国会闘争を貫徹しました。また、「日の丸」「君が代」の強制―強制処分と闘う教育労働者と連帯する闘い、狭山―部落解放闘争、「障害者」解放闘争、日朝連帯闘争にも取り組み、差別と対決する闘いに起ち上がってきました。

 これらの闘いのさらなる前進に向けて、東京・山日労は、越年・越冬闘争を、金町一家をはじめとする天皇主義ファシストの敵対、国家権力の闘う運動への弾圧策動を粉砕し、ワッショイデモ、炊き出し、人民パトロール、労働相談などを仲間とともにやりぬきます。越年・越冬闘争の最終日には、厚生労働省と東京都に押しかけ、「野垂れ死に攻撃を許さん!」「仕事を出せ!」と追及する闘いに総力で起ち上がります。

 山谷越年・越冬闘争では、住むところのない仲間、収入のない仲間も迎え入れつつ、資本と行政にやりかえす闘いと団結を作り上げることを目指します。寄せ場・日雇い労働者の闘いに心を寄せる皆さんの圧倒的な結集と支援を呼びかけます。

2015年12月

● 2015―2016年山谷越年・越冬闘争

期間 12月28日(月)〜1月4日(月)朝
場所 山谷・玉姫公園(台東区清川1―13)

● 資金カンパ送付先
郵便振替 00180―2―592246 東京・山谷日雇労働組合

● 物資カンパ送付先(連絡先)
東京都台東区東浅草2―1―6 東京・山谷日雇労働組合
TEL/FAX 03―3876―8040

● 必要な物資
米、調味料、食料品、布団(毛布)、携帯カイロ、衣類(男物)、車両(トラック等の貸し出し)、テント、発電機など

〈編集部責任転載〉