解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 10・1フィリピントヨタ労組237人の解雇を撤回せよ
トヨタ東京本社門前闘争を闘う
(1162号4面)

「団交権」否定―労組破壊を強行するトヨタ資本を許すな

 10月1日、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環として、トヨタ自動車資本による組合潰しを狙ったフィリピントヨタ労組237人の解雇撤回をせまる門前闘争が闘われた。この日の闘いには、9月26・27日に開催された「全国ユニオン」の集会で支援の要請を行ない、28・29日に愛知県のトヨタ本社に争議解決に向けた要請行動を行なったフィリピントヨタ労組のエド・クロベ委員長と執行部メンバーの2人も参加した。帝国主義足下の労働組合運動にとって国際連帯の真価が問われる闘いとして、東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合も結集し、ともに闘いぬいた。

 トヨタ自動車資本によるフィリピントヨタ労組に対する大量解雇―労組破壊攻撃は、労組が2000年に大衆投票で「団交権獲得決定」を行なったことを、トヨタ資本が取り消しさせようとしたことから始まっている。これに対して労組は、労働委員会に提訴し、労働委員会での審問に傍聴動員を行なった。2001年、これをトヨタ資本は、「年次有給休暇の取り方が手続きルール通りでなかった」とあげつらい、組合員233人の大量解雇を強行し、さらに、2010年には工場内で組織再建のために活動していた4人を解雇したのだ。以来、14年間にわたってフィリピンの現地法人、愛知県のトヨタ本社、トヨタ東京本社を貫く解雇撤回闘争が、日本国内では全造船関東地協を主軸にした支援体制が作られ、闘いぬかれている。

トヨタに労使交渉での解決をせまる

 午後4時半から始まった飯田橋のトヨタ東京本社に対する門前闘争は、結集した労働組合の旗が林立するなか、「けんり総行動実行委員会」の纐纈氏の主催者あいさつから始まった。纐纈氏は、「今日の東京総行動を闘って、いまだに労働者の人権を認めない企業が多いことを痛感した。『残業代ゼロ化』にむけた『労働基準法』改悪を狙っている。これを許さない闘いの強化を図っていこう」と呼びかけた。つづいて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際氏がマイクを取り、「トヨタは、本年度2兆円を超える大きな純利益を上げると言われている。それはトヨタで働く下請けをはじめとする労働者、世界中でトヨタで働く労働者の努力の結果だと言わなければならない。その『世界に冠たる』と称されるトヨタが労組潰しをやっていることは恥ずかしいことだ。トヨタは、抱えている問題を一刻も早く解決しなければならない。『一寸先は闇』と言われる。トヨタでフォルクスワーゲンのような問題が生じないのか。麻薬取締法違反で逮捕された常務役員の問題も起きている。世界展開をしているトヨタにとって労使紛争をしっかり解決することが重要だ。この問題については、フィリピン政府に対して『国際労働機関』(ILO)から6次にわたって『円満な解決を進めるための労使交渉等の開催について努力するように』という勧告が出されている。この勧告は、形式はフィリピン政府に対して出されたものだが、内容から言って当然、日本のトヨタに出されているものだ。フィリピン政府が円満な解決に向けて努力しているにもかかわらず、日本のトヨタは、一顧だにしないという姿勢に終始している。トヨタは『それぞれの国で解決をする』と言っているが、アメリカで起きた問題にはすぐさま豊田社長や大勢の役員がアメリカに飛んで行き、各方面に謝り、出さなくても良いようなお金も出す一方、フィリピン国家を見下す姿勢を取っている。フィリピントヨタで働いている労働者の権利をしっかり認め、労使交渉でよりよい解決を図っていくことがトヨタの課題だ。『恥を知れトヨタ』と強く言わねばならない。トヨタが労使交渉で解決を図ることを要求し、勝利するまで闘うことを確認しよう」と訴えた。

エド委員長が組合破壊を続けるトヨタと闘う決意

 つづいて、フィリピン現地からかけつけたエド委員長が発言する。エド委員長は、「私たちが日本のトヨタに来るのも14年目になる。これからもトヨタ東京本社に来て闘い続けることを宣言する。トヨタが恥知らずな組合潰しをやる限り、私たちは闘い続けることをトヨタに言っておく。日本の労働者は、トヨタが何をしたか知ってください。そして、解決に向けて動くように訴えてください。トヨタは、フィリピンで私達の力を弱めるために、組合員を囲い込み、寝返り工作を行なっています。私達は、トヨタが引き続き組合破壊を行なっていることを許ない。私達の要求は、正当なものだ。私達がフィリピンでトヨタとトヨタのビジネスパートナーの前で抗議行動を行なっていると、警察の特殊部隊が来て妨害をしたり、解散させようとしてくる。このような組合破壊も続いている。トヨタがこのような組合潰しを続けても、争議解決には何の役にも立たない。長い争議を解決する道は、ILOが勧告している交渉を通じての公正な解決を実現するために、私たちとの交渉のテーブルに着くこと、これが唯一の解決に向う道だということを強く訴える」「日本の労働者が闘っているアメリカと一緒になって戦争をするための『安全保障法』に対する闘いに支援をしたい。『戦争法』に対しては、日本の労働者とともにフィリピンの労働者も闘わねばならないと考えています。これからも国際連帯で闘っていきましょう」と決意と明らかにし、ともに闘う呼びかけを行なった。

一日も早い解決に向けて決意を固める

 集会はつづいて全造船関東地協の早川事務局長がマイクを取り、「トヨタがやっていることは世界基準に合わない。ILOを含めて世界の労働基準を求めている人にとっては、トヨタはとんでもない企業だ。全造船関東地協は、15年間フィリピントヨタ労組の支援をしてきたが、それはフィリピンの労働者の権利を守るためであるが、同時に日本の企業を糾すことで労働者の国際連帯の闘いを強めていくためでもある。闘いは長くなっているが、一日も早い解決、勝利をかちとるために頑張ろうと思っています。是非皆さんの御力を得て、ともに勝利に向って頑張っていきましょう」と訴えた。

 つづいて、全体で「フィリピントヨタの労組潰しを許さないぞ!」「トヨタはILO勧告に従え!」「トヨタは争議解決を決断しろ!」「『戦争法』を廃止するぞ!」「われわれは国際連帯で闘うぞ!」「東京総行動で闘うぞ!」とシュプレヒコールをあげる。次に、連帯あいさつとしてJAL争議団から「今、トヨタがやっていることは、日本IBMが日本の労働者をロックアウト解雇したこととまったく同じだ。最近、フォルクスワーゲンの事件が発覚したが、利益第一主義で環境を無視し、働く者の生活や権利を蹂躙することは絶対に許せない。日本航空は、不当労働行為を続けている。日本航空は、『労働者の団結権よりも経営者の言論の自由があるんだ。何でも言っていいんだ』と主張している。しかし、言論の自由があっても、不当労働行為は『犯罪』なんです。言論の自由があっても人に脅迫文を送ったら『犯罪』なんです。私達は、世界の労働者と国際連帯で闘っていきます」という決意が述べられる。さらに、東京学校ユニオンの増田さんからフィリピントヨタ労組と連帯して闘う決意が述べられ、最後に、全造船関東地協の青木議長の音頭で「団結ガンバロー」が三唱され、当日の行動は締めくくられた。