反戦・全学連、東富士現地で決起
9月18日、反戦・全学連の部隊は、東富士現地に登場し、在沖米海兵隊による実弾砲撃―「本土」移転演習を粉砕する闘いに決起した。
連日の雨のなか、国会前での「安保法制関連法」成立阻止の最終決戦が大詰めを迎えていた。当日も、首都圏では断続的に雨が降り続いていたが、反戦・全学連の部隊が東富士現地に到着した時点で、雨は上がっていた。静岡県警・機動隊は、デモへの弾圧を画策し、デモ隊の出発地点近くでわざわざ検問を行ない、デモ隊を威圧しようと試みるが、まったくムダである。デモ隊は、東富士に勢ぞろいすると、テキパキと隊列を整えていく。
午後1時、反戦・全学連の部隊は、旗竿を手にデモにうって出る。
デモに先立ち、全学連の同志が東富士現地闘争の基調を提起する。「日帝・防衛省は、東富士演習場における実弾砲撃移転訓練を、9月11日から9月21日までのうちの9日間実施しようとしている」「闘う沖縄労働者人民と結合し、名護新基地建設を阻止しよう。〈基地・沖縄〉の強化を粉砕しよう」「『安保法制関連法』成立に踏み込む安倍政府は、改憲をもみすえて、本格的な戦時体制形成を狙っている。朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃を粉砕し、戦争遂行の安倍政府打倒へ進撃しよう」「在沖米海兵隊による実弾砲撃―『本土』移転演習を実力で粉砕する闘いとして、今日のデモを最後まで闘いぬこう」「本日の東富士現地闘争を闘いぬき、実弾砲撃―『本土』移転演習を粉砕しよう。東富士演習場を解体し、米軍・自衛隊を解体しよう」。
執拗な静岡県警の妨害をものともせずに基調を提起し、参加者全体で確認した後、反戦・全学連の部隊は、東富士演習場に進撃するデモを開始する。冒頭、全体でシュプレヒコールをあげる。「米海兵隊の実弾砲撃―『本土』移転演習を粉砕するぞ」「中東反革命戦争を阻止するぞ」「朝鮮反革命戦争を阻止するぞ」「『安保法制関連法』成立を阻止するぞ」「安倍政府を打倒するぞ」。道中、自衛隊車両が頻繁に行き来して、乗員がデモ隊に視線を注いでいくのが分かる。
程なく、反戦・全学連のデモ隊列は、東富士演習場入口にさしかかる。電光掲示板には「射撃中」と表示されている。この日は、榴弾砲の放つ大音響の重低音が容赦なく響いていた。一帯は、陸自・滝ヶ原駐屯地と米軍・キャンプ富士が隣接している。陸自・滝ヶ原駐屯地の塀の内側では、警務隊らがデモ隊列を注視している。そんな中、反戦・全学連の部隊は、東富士演習場に向け、辺り一帯に響くシュプレヒコールを叩きつけていった。「実弾砲撃―『本土』移転演習を粉砕するぞ」「中東労働者人民虐殺を許さないぞ」「東富士演習場を解体するぞ」「キャンプ富士を解体するぞ」「米軍・自衛隊を解体するぞ」。静岡県警・機動隊は、デモ隊への規制を強め、弾圧を画策してくるが、あっさりと跳ね返す。こうして反戦・全学連の部隊は、東富士現地闘争を最後までやりぬいていった。
その後、反戦・全学連の部隊は、「安保法制関連法」成立阻止闘争の現場に直行し、対国会闘争を最後まで闘いぬいた。
実弾砲撃移転演習を粉砕せよ
8月17日、日帝・防衛省は、東富士演習場における実弾砲撃移転訓練について、9月11日から9月21日までのうちの9日間の実施を発表した。具体的には、まず、9月上旬に在沖米海兵隊の訓練部隊が静岡県御殿場市のキャンプ富士に到着し、東富士演習場に入り、野営をしながらの訓練を開始する。実弾砲撃移転訓練の後、9月下旬に、訓練部隊がキャンプ富士から撤収して沖縄へ向かうとするものである。今回の訓練部隊の人員と砲数等は、大隊レベルの約430人、約100両の車両を動員、発射する砲数は12門としており、訓練では、155ミリ榴弾砲や小火器が使われると発表している。前回の王城寺原での移転演習と比べても、演習の規模が拡大している。
米海兵隊による実弾砲撃―「本土」移転演習は、沖縄での「県」道104号越え実弾射撃訓練の日本「本土」分散を名目に1997年から開始されたものであるが、東富士演習場で実施されるのは、2013年10月以来となり、2年ぶり13回目となる。
元々この移転演習は、「沖縄の負担軽減」と称して実施されてきた。在沖米軍基地のキャンプ・ハンセンで行なわれていた「県」道104号線越え実弾砲撃演習を、移転演習として全国5ヵ所で行なうようになってきたものだ。「沖縄の負担軽減」が語られているが、まったくのペテンである。実弾演習では、沖縄では実施されていなかった「夜間訓練」や「NBC(核・生物・化学兵器)訓練」が追加されるなど、訓練の内容は質・量ともに強化・拡大されている。そのため、これまでも演習では「火災事故」が発生するなど、近隣住民に対して生活不安と恐怖を与えてきた。在沖米海兵隊は、移転演習において、朝鮮反革命戦争・中東反革命戦争を想定した、激しい訓練を行なおうとしているのだ。
「沖縄の負担軽減」と称して実弾砲撃―「本土」移転演習が行なわれているが、沖縄の現状を見ても、キャンプ・ハンセンでは実弾砲撃演習以外の演習が頻繁に行なわれ、その結果、山火事が頻発するなど沖縄労働者人民の生活が脅かされている。そして、沖縄では、名護新基地建設が急ピッチで進められている。安倍政府は、9月12日に、ボーリング調査を再開したばかりか、「今秋の本体工事着工」を掲げている。ボーリング調査終了のメドすら立たない中であっても、いよいよ本格的な埋め立てに入ろうとしているのだ。
戦争遂行の安倍極右政府打倒へ
在沖米海兵隊は、「『イスラム国』壊滅」を名目とする新たな中東反革命戦争を見据えて、中東労働者人民の虐殺を想定した訓練を、実弾砲撃―「本土」移転演習で行なおうとしている。それゆえ、演習規模や内容は、より実戦を想定した激しい訓練となっているのだ。在沖米海兵隊は、実弾砲撃―「本土」移転演習における白リン弾の使用を公言しているが、白リン弾は、火災事故を引き起こす元凶であり、人体へのダメージの大きい危険な兵器であり、演習に使用することで環境汚染が進むことも指摘されているのである。
実弾砲撃―「本土」移転演習では、「事故」も頻発している。東富士での実弾砲撃―「本土」移転演習では、那覇軍港から横浜ノースドックまで関係車両・物資が輸送され、キャンプ富士に入るのが通例となっている。労働者人民を事故に巻き込む危険性をかえりみず、労働者人民を動員しての演習が行なわれているのだ。夜間演習や度重なる「火災事故」が、実弾砲撃―「本土」移転演習ではもはや当たり前になっている。実弾砲撃―「本土」移転演習は、周辺住民、労働者人民の生活を破壊し、生命をおびやかすことを前提に強行されているのだ。地元ではどこでも、そんな実弾砲撃―「本土」移転演習に対する怒りがまきおこっている。
米海兵隊による実弾砲撃―「本土」移転演習を粉砕しよう。
安倍政府は、「安保法制関連法」を成立させることで、戦時体制を一挙に強化しようとしている。そもそも、日帝・防衛省は、「安保法制関連法」成立を前提として、自衛隊の再編・強化を押し進めてきたのである。日・米帝国主義は、日米安保の再編・強化をつづけ、朝鮮反革命戦争遂行のための臨戦体制構築を進めている。米海軍は、原子力空母・「ロナルド・レーガン」の横須賀基地への配備を10月2日にも行なおうとしている。
そんな中、東富士演習場で8月23日に行なわれた陸自の実弾射撃演習「富士総合火力演習」では、演習終了後にMV22オスプレイが東富士演習場の上空を低空飛行するパフォーマンスを行なった。2018年度までのオスプレイ導入を狙う陸自による、あからさまな示威行為そのものである。その「富士総合火力演習」で、戦車が発射した砲弾の付属部品の破片が観客席に飛び込み、2人が負傷する「事故」が起きた。陸自は、「異例の事態」としているが、実戦を見据えたより激しい演習を行なった結果である。安倍政府は、朝鮮反革命戦争遂行の拠点の一つとして、東富士演習場をさらに使用しようとしているのである。
名護市辺野古での現地実力闘争をはじめとした沖縄労働者人民の闘いが、粘り強くうちぬかれている。闘う沖縄労働者人民の決起と連帯する実力決起を爆発させよう。
われわれは、9月19日未明の「安保法制関連法」成立を徹底弾劾する。社共ら既成勢力の尻押しに終始し、沸き上がる労働者人民の怒りを「落選運動」なる体制内運動に落とし込めようとする一切の流れを踏みしだこう。実力・武装の闘いで、革命的反戦闘争を闘いぬく。現地実力攻防にこだわり、反軍・反基地闘争の爆発をかちとろう。東富士演習場をはじめとする、米軍・自衛隊基地を解体しよう。戦争遂行の安倍極右政府打倒・日帝国家権力解体へ進撃しよう。
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