9月2日、午後1時より「広島県総合防災訓練」が台風災害を想定して西区の観音マリーナや、東区の消防訓練場など5ヵ所で強行された。「総合防災訓練」は、関東大震災時に強行された戒厳令―軍隊の治安出動を教訓とした自衛隊の「治安出動訓練」に他ならない。自衛隊の主導の下、行政機関を総動員して避難民支援、災害医療、負傷者運搬などの訓練を、車両、重機、船舶、ヘリ、輸送機などを大量に投入して行なうのだ。「災害の危機」を煽り、「地域自主防災組織」による「住民参加型訓練」と称して住民を巻き込むことで、「非常事態」下の治安維持作戦に労働者人民を糾合し動員していくことを狙うものだ。
「広島県総合防災訓練」には、陸自第13旅団(司令部・海田町)と海自第4護衛隊群(司令部・呉)所属の艦船などが参加し、海上保安庁、警察、消防や電力会社、ガス会社、NTTなどの民間会社、「自主防災組織」など約43機関を動員し、約1万5000人が参加している。陸自第13旅団は、東区の消防訓練場で警察、消防と電気会社、ガス会社、NTTなどの民間会社を動員して「ライフライン復旧」訓練を行ない、海自第四護衛隊群は、西区の観音マリーナで、離島への物資輸送訓練などを海上保安庁、警察などと合同で行なっている。
政府の言う「防災」とは、一般の「災害」を「防ぐ」事ではなく、ブルジョア社会を防衛することが目的だ。自衛隊は、1995年の阪神大震災においては、労働者人民救助を後回しにして、真っ先に政府機関や銀行などの防衛にあたっている。2011年3月11日の東北・関東大震災でも、被災者の救援・避難を後回しに、自衛隊・警察が真っ先に「治安対策」に動いている。「防災訓練」に名を借りた「治安出動訓練」なぞ粉砕あるのみだ。
午後12時、反戦青年委員会は、中区の本通り交差点前に登場した。「広島県総合防災訓練粉砕」「自衛隊による治安出動訓練を許すな」とアジテーションが響き渡り、道行く労働者や学生にビラが次々と渡されていく。最後に、われわれは、「治安出動訓練粉砕」「『安保法制関連法』成立阻止」「安倍政府を打倒するぞ」とシュプレヒコールをあげ、この日の闘争を終えた。
1923年9月1日、関東大震災下で、デマが流布され、排外主義の大煽動の中で、軍隊、警察、自警団により、朝鮮人、中国人が大虐殺され、「社会主義者」の虐殺が強行された。その9月1日を「防災の日」などとすり替え、自衛隊・警察の指揮下に戦前の「隣組」「自警団」を復活させることなぞ断じて許してはならない。
関東大震災―朝鮮人・中国人虐殺92ヵ年糾弾、治安出動訓練粉砕、「安保法制関連法」粉砕、安倍政府打倒へと進撃しよう。
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