御茶ノ水駅頭で情宣行動
8月9日、反戦・全学連の部隊は、狭山上告棄却38ヵ年糾弾の闘いに起ち上がった。
午前10時、JR御茶ノ水駅頭に登場した反戦・全学連の部隊は、横断幕を広げ、青ヘルメットを装着し、隊列を整えた後、全体でシュプレヒコールをあげる。「狭山闘争の勝利をかちとるぞ」「狭山上告棄却38ヵ年を糾弾するぞ」「無実の部落民=石川一雄氏とともに闘うぞ」「部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとるぞ」。
8月9日は、右翼ファシスト勢力が「反ソデー」などと位置づけ、例年街頭制圧をもくろむ日であり、この日も御茶ノ水界隈では、右翼ファシストどもが宣伝カーによる反共街宣行動を行なっていたが、しょせんは制服警官の庇護の下の活動にすぎず、わが部隊の登場の前には一切手出しすらできない。わが部隊に張り付く警視庁私服刑事どもも、一切手出しすらできない。反戦・全学連の部隊のビラまき情宣は、道行く労働者人民の注目を集め、配布するビラは次々に受け取られた。一切の弾圧を許すことなく情宣行動を終えた反戦・全学連の部隊は、最後に再度シュプレヒコールをあげ、この日の行動をやりぬいた。
1977年8月9日に、最高裁第2小法廷裁判長・吉田が、無実の部落民=石川一雄氏に対し上告棄却決定を打ち下ろしてから、38ヵ年が経過した。「予断と偏見をもって差別捜査を行なったと窺わせる証拠はない」「積極的にも消極的にも部落差別を是認した予断と偏見による差別的なものではない」と差別捜査を否定し、差別裁判の強行に全面的に居直った事実は、どんなに年月が経とうとも、決して消えることはない。8・9上告棄却決定は、「部落民は差別と迫害の中で死ね」とする部落民虐殺宣言に他ならない。部落解放運動の革命的飛躍・前進に恐怖するがゆえの、反革命差別決定を徹底糾弾しなければならない。
「三者協議」が開始されて以降、東京高裁は、頻繁に担当裁判官の人事異動を行なっている。6月29日には、狭山第3次再審請求を担当する東京高裁第四刑事部の裁判官であった河合健司がさいたま地裁所長に異動し、後任の担当裁判官には、甲府地裁の家裁所長であった植村稔が就任した。植村は、これまで東京地裁判事、最高裁刑事部長などを歴任している。
7月21日、東京高検は、手拭いの配布先の捜査報告書一通を開示した。これにより、「三者協議」開始以降に開示された証拠は、181点となった。
7月24日、狭山弁護団は、「秘密の暴露」とされた、車の追い越しに関する新証拠と補充書を提出した。また、弁護団は、万年筆の発見時の「略図」に関する写真撮影報告書を新証拠として提出した。埼玉県警は、この「略図」にもとづいて万年筆を発見したと主張している。しかし「略図」は、石川氏が書かされた図面の上にペンで線を書き加えており、改竄・捏造したことが明白となった。弁護団は、略図作成、捜索・発見にいたる捜査経過に関わる捜査書類、万年筆を隠した場所についての自白に関わる捜査書類などの証拠開示勧告申立書を東京高裁に提出した。
第3次再審闘争勝利へ
7月27日、新担当裁判官・植村の下では初となる第24回目の「三者協議」が開かれた。今回の「三者協議」では、1月22日に開示された東京高検が保管する物的証拠の領置票にある四点の証拠物の開示請求についての扱いについての確認がなされた。前任の担当裁判官・河合は、「証拠物や客観的な証拠は開示してほしい、というのが従前からの裁判所の基本的姿勢である」とし、「プライバシーの問題があれば、まず裁判所が開示を判断する」としていた。植村は、この「基本姿勢」を踏襲すると表明している。そして、植村は、東京高検に対し、狭山弁護団が請求した「万年筆の捜査・発見経過」に関わる証拠開示について検討を要請した。東京高検は、「これまでの経過をふまえて検討する」と言明した。次回の第25回「三者協議」は、10月中旬に開催することになった。
東京高検は、これまで、弁護団によって攻勢的に提出される新証拠をはじめ、石川氏の不屈の闘い、石川の命=我が命と闘う部落大衆の闘い、それと結びつく労働者人民の闘いに追いつめられながらも「不見当」を繰り返している。東京高裁も、事実調べは一切行なっていない。度々裁判官が交代し、東京高検に対して手ぬるい態度をとり続けている。植村もまた、これまでの担当裁判官のとってきた姿勢を「踏襲する」としている。東京高裁は、棄却のタイミングを狙っていると言わざるを得ない。今こそ東京高検に対し、ただちに全証拠開示を行なえと徹底糾弾を叩きつけていかなければならない。東京高裁にただちに事実調べを行なえ、再審を開始しろ、と迫っていかなければならない。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争で第3次再審棄却を阻止する攻勢的な闘いを叩きつけていかなければならない。
意気軒昂と闘いぬく石川氏を激励し、石川氏の怒りと無念を共有し闘おう。司法―国家権力に対する「中立・公正」の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にし闘おう。部落解放同盟内社民・こえ派の制動に怒る戦闘的部落青年・大衆と合流し共に闘おう。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争の爆発で、正念場を迎えた第3次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。
部落解放運動の革命的飛躍をかちとろう
安倍極右政府は、戦争国家体制形成に向けて突き進んでいる。このなかでますます差別主義・排外主義が台頭している。国家権力頂点からの、反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、反中国―反共・排外主義を煽動し、戦争熱を煽りたてている。
安倍政府は、8月14日、「戦後70年談話」を閣議決定した。焦点となっていた「侵略」と「植民地支配」の文言について、労働者人民の非難を恐れてアリバイ的に入れただけで、15年戦争における日帝軍隊の侵略や、日帝の「植民地支配」の歴史に直接言及しないものとなった。しかも、「あの戦争には何ら関わりのない私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」なぞと言い放った。そして安倍は記者会見で「具体的にどのような行為が侵略にあたるかは歴史家の議論に委ねるべき」と言い放った。翌8月15日、「戦犯」どもが祀られている靖国神社に対し、首相・安倍が私費で玉串料を奉納したばかりか、安倍政府閣僚のうち総務相・高市、特命担当相・有村、国家公安委員長・山谷が参拝した。自民党政調会長・稲田ら、自民党議員らもこぞって参拝した。安倍政府は、戦争責任を居直り通そうとしているのだ。
部落解放運動においても既成勢力の屈服をさらに強制しながらの、部落解放運動総体のファシズム融和運動への再編攻撃が強まっている。国家権力頂点からの差別主義・排外主義煽動が吹き荒れる中、部落差別はますます拡大・激化している。全国で悪質な差別事件が激発している。部落差別落書き、差別ハガキ、インターネットを使った悪質な差別煽動が拡大している。極悪反共ファシスト・「在特会」は、差別煽動を続け、在日朝鮮人・中国人に対する差別デモ、襲撃を頻繁に行ない、ファシズムへの突撃の尖兵として突出している。部落解放同盟内社民・こえ派は「告訴・告発」を全面化している。「告訴・告発」は差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、差別者を自己批判させ、変革することなぞできない。とりわけ、反共ファシストの差別煽動に対しては、徹底した撃滅戦の爆発で回答しなければならない。全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことが必要だ。
部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。ファシストどもの悪辣な差別煽動を打ち砕き、安倍極右政府の兇暴な朝鮮反革命戦争突撃と対決する部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。朝鮮反革命戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。差別主義日共=全国人権連を解体し、差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、天皇主義右翼ファシストを撃滅しよう。
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