被爆70ヵ年を弾劾する
8・9長崎反戦集会実行委員会に結集する労働者・学生は、8月9日、長崎現地において集会とデモに取り組んだ。
1945年8月9日午前11時2分、米軍爆撃機B−29は、原子爆弾を長崎の街に投下した。8月6日の広島への投下に続くものだった。原爆は、その爆風と熱線によって一瞬で街を焼け野原に変え、膨大な労働者人民を虐殺した。さらに、放射能は大地を汚染し、多くの労働者人民を被爆させ、1945年12月までに約7万4000人の命を奪った。その後も、放射能で白血病、ガンを発症するなど、「原爆症」の犠牲になる人々が相次いでおり、原爆犠牲者は今日までに、約16万9000人に達している。広島と合わせると、その数は約46万人にのぼる。生き残った被爆者も、「原爆症」の病苦と厳しい差別のなかで、過酷な生活を余儀なくされてきた。
原爆投下から70ヵ年を迎えて、長崎反戦集会実行委員会は、第1に、核武装論者にして戦争屋である首相・安倍の「平和祈念式典」出席を阻止し、日帝の被爆責任・戦争責任の居直りと原爆犠牲者の「英霊」化を許さない闘いとして、第2に、九州電力・川内原発一号機(鹿児島県)の再稼働攻撃が切迫するなか、日帝による原発の再稼働と新設・増設の強行―原子力政策のゴリ押し的推進をとおした核武装化を阻止する闘いとして、第3に、帝国主義の国際反革命戦争の拡大・激化と核使用の衝動の強まりに対決し、とりわけ日帝・安倍による「安保法制関連法」をテコとした本格的戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争として、9・9闘争に取り組んだ。
デモで「平和祈念式典」会場に肉迫
「首相・安倍の『式典』出席を阻止するぞ」、「日帝の核武装化を阻止するぞ」、「長崎反戦闘争を闘うぞ」。「式典」開始時刻が迫る午前10時30分、「式典」会場である平和公園の直近に位置する天主公園に、青ヘルメット部隊の力強いシュプレヒコールが轟く。実行委員会の仲間が、冒頭、長崎市による天主公園内でのヘルメットをかぶった集会の禁止措置という暴挙を徹底弾劾する。そして、「10時35分から『式典』が開始されようとしている。被爆者の『英霊』化、安倍の出席を許さず、『式典』会場に進撃しよう」と力強く呼びかけ、部隊は直ちに断固たるデモにうって出る。「『式典』粉砕」、「核武装阻止」、「政府打倒」の声に、沿道の労働者・市民から、熱い注目が寄せられる。
平和公園脇の地点では、「安倍の『式典』出席を許さないぞ」、「原爆犠牲者の『英霊』化を許さないぞ」、「『安保法制関連法』を阻止するぞ」、「安倍極右政府を打倒するぞ」と、ひときわ高いシュプレヒコールを会場に向けて叩きつけていく。部隊は、権力の反革命弾圧、反共ファシストの敵対を完封して、戦闘的デモを貫徹した。
熱気溢れる反戦集会を開催
連帯メッセージと連帯あいさつ
昼食をはさんで午後からは、長崎県教育文化会館で反戦集会が行なわれる。
司会の仲間が、「安倍の『式典』出席の目的は、反戦闘争を鎮圧し、戦争責任を追及する被爆者の闘いを圧殺し、原爆犠牲者を『お国のために死んだ英霊』として祀り上げ、新たな戦争と核武装へ突き進むことだ。どうしてこれを許せるか。午前中の闘いで、われわれの怒りを、安倍に、『式典』会場に、叩きつけた。被爆者切り捨てを許さず、『安保法制関連法』の制定、原発の再稼働に突き進む安倍政府の打倒に向けて、一丸となって闘おう。長崎反戦集会を成功させよう」と呼びかける。
次に、福岡・築港日雇労働組合(福日労)の仲間が、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会からの連帯メッセージを紹介する。名護新基地建設をめぐり、本体工事着工が迫る緊迫した情勢のなか、決戦を準備する沖縄労働者人民とガッチリと連帯して闘う決意を、全体で固めていく。
続いて、この闘争に駆けつけてくれた元原発労働者・原発労働裁判原告の梅田隆亮氏が、連帯のあいさつに起つ。梅田氏は、「霞が関の周りで『原発反対』『脱原発』とかののぼりを上げている人たちでも、原発労働者がどんな仕事をさせられたか、どんな死に方をしたのか、どういう苦しみに遭ったのかということを知らない。原発労働者のことは、なかなか表に出ない。私は80歳と4ヵ月になり、その途中では、何回か『死んだ方がいい』という思いにもなったが、皆様方にお目にかかって大きなパワーを頂いた。原発労働の危険な実態を広く知ってもらうこと、そして裁判に勝つこと。それまでは死んでも死に切れないという思いで、今、最後の闘いに挑んでいる」、「私が皆さんに申し上げたいのは、とにかく、生きて、生きて、生きぬいて下さいということ。生きているということが大きな武器。私が言いたいのは、命が大事という意味ではなくて、命は鉄砲の弾なんだということ。菅原文太に『あと一発あるだろう』という言葉があるが、この一発で、戦争を抑え込むことができる。一人ひとりが生きて闘うことで、安倍を潰すことができる。世の中を変えることができる。このことだけは、しっかり覚えていてほしい。ともに頑張りましょう」と熱く訴えた。
実行委員会が集会基調
次は、基調の提起だ。
実行委員会の仲間は、「8月6日に広島で行なわれた『平和記念式典』で、安倍は、歴代首相が『式典』で必ず言及してきた『核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず』という『非核3原則』について、一切口にしなかった。核兵器の製造、保有の衝動を露わにするものだ。今こそ、日帝の被爆責任・戦争責任を追及し、反戦・反核を闘う被爆者(2世・3世)と固く連帯して闘おう」、「安倍は原子力政策の推進のために、何が何でも原発の再稼働を狙っている。どんな大事故―大惨事を起こそうが、どんなに労働者人民が被曝しようが、お構いなしに原子力政策を推進するのは、すべて核武装のためだ。川内原発の再稼働を阻止すべく、8・10―11川内現地闘争に全力で起ち上がろう」、「安倍政府の横暴を許してしまえば、戦争とファシズムの時代が待つだけだ。反革命国会を粉砕し、『安保法制関連法』成立を絶対に阻止しよう。名護新基地建設阻止を闘おう。本格的な戦争へと突き進む安倍極右政府を、われわれの闘いの力で打倒しよう」と提起した。
基調は圧倒的な拍手で確認された。
参加団体が闘う決意を表明
集会の最後は決意表明だ。
反戦青年委員会の同志は、「安倍は、8月6日の『式典』でも、『式典』後に行なわれた被爆者との懇談においても、『非核3原則』について言及せず、また、『安保法制関連法』案の撤回を求められたことに対しても、『日本の地域の安定のため』だの、『さらに理解を深めていきたい』だのと言い放って、開き直りに終始した。被爆者からは、猛烈な怒りの声が上がっている。この怒りにしっかりと応え切っていかねばならない。『安保法制関連法』案は、現在、参院で審議が強行されている。今がまさに正念場だ。反戦青年委員会は、最先頭に起って闘う決意だ。長崎反戦闘争から、8・23第38回全国反戦集会に突き進もう。安倍政府打倒へと向かう巨大な戦列を築き上げよう」と訴えた。
全学連の同志は、「安倍政府は、『戦争法』案の制定、原発の再稼働、そして名護新基地建設と、凶暴な攻撃を強めている。今やわれわれは、歴史の分岐点に立っている。このなかで大学は、学生に戦争への貢献度、国家と資本への貢献度を競わせる場に成り果てている。今ほど、学生1人ひとりが自らの生き方を問われている時代はない。闘う学生を1人残らず組織し、この秋の全学連定期大会を成功させ、実力・武装で政府・権力に起ち向かう革命的学生運動の一大飛躍を切り拓いていく」と決意表明した。
福日労の仲間は、「反戦と仕事よこせの闘いを、組合活動の2つの柱にしてきた。今日の闘争にも、日雇い・野宿の仲間たちが数多く参加している。明日の川内原発再稼働阻止現地闘争にも、全力で起ち上がる。その力で、福岡日雇い団結夏祭りの大成功をかちとっていきたい。失業も戦争もない世の中を作るために、福日労は最後まで闘う」と発言した。
闘志あふれる決意表明に、参加者からは圧倒的な拍手が沸き起こる。全体で長崎反戦集会の成功と明日からの闘いへの決起を確認し、集会を終えていった。
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