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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

全国各地で「9・1防災訓練」=自衛隊治安出動訓練を粉砕せよ(1153号5面)

 「防災訓練」という名の自衛隊治安出動訓練を粉砕しよう

 8月30日から9月5日までを「防災週間」とし、9月1日の「防災の日」を中心にして、全国各地で「防災訓練」が行なわれようとしている。

 1923年9月1日に発生した「関東大震災」において、政府は、首都の治安維持のために戒厳令を公布、軍隊を大量に投入した。そして、混乱に乗じて「朝鮮人暴動」をデッチ上げ、「不逞鮮人(ママ)が来襲して、井戸へ投毒、放火、強盗、強姦をしている」などの極悪の排外主義を大煽動し、軍隊、警察、さらに自警団として組織された地域の在郷軍人会、消防団、青年団などによる朝鮮人・中国人大虐殺、その後に、「朝鮮人暴動の背後に社会主義者あり」として大杉栄らの拘束・虐殺、南葛労働会の川合義虎ら10人の拘束・虐殺(亀戸事件)を凶行した。

 これを「教訓」とする「防災訓練」とは、危機にのたうつ日帝が、労働者人民の怒りと組織された暴力的闘いから国家権力とブルジョア社会秩序を防衛するために行なわれるものである。自衛隊の治安出動―内乱鎮圧攻撃をもって労働者人民の闘いを暴力的に鎮圧し、さらに、関東大震災時の自警団のように地域末端からファシズム勢力を組織化していく訓練なのである。「9・1防災訓練」は、国、自治体、自衛隊、海上保安庁、警察、消防、企業内(職場)防災組織、町内会などの地域防災組織の総力をあげた訓練として全国各地で強行されている。

 加えて、近年の「防災訓練」では、米軍の参加、米軍基地の使用が頻繁に行なわれており、朝鮮反革命戦争突入を見すえて、「防災訓練」という名の下で自衛隊と米軍が共同した軍事訓練が強行されているのだ。

 首都圏では、「防災訓練」に陸上自衛隊練馬駐屯地の部隊が大量に投入される。陸上自衛隊練馬駐屯地は、首都圏を含めて関東一円を管内におさめる第1師団の司令部を置き、内乱鎮圧を存在意義とする第1普通科連隊を擁する首都内乱鎮圧部隊の拠点である。第1師団は、第3師団(兵庫県千増)とともに別名「政経中枢防衛師団」と呼ばれている。この「政経中枢防衛師団」は、2005年から10年計画で、定員を800人から1200人へと増強し、師団ごとに36人からなる狙撃班を持ち、遊撃戦を軸にした大都市部における市街戦専門の部隊として強化されている。練馬駐屯地からの「防災訓練」出動を阻止し、首都内乱鎮圧の拠点としてある練馬駐屯地を解体しなければならない。

 自衛隊の治安出動―内乱鎮圧訓練を粉砕しよう。全国各地で「9・1防災訓練」=自衛隊治安出動訓練粉砕の闘いに決起しよう。

全国で「防災訓練」粉砕闘争に決起しよう

 首都圏では、「第36回九都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、さいたま市、千葉市、相模原市、川崎市、横浜市)合同防災訓練」が、9月1日を前後して各自治体で行なわれる。今年は、東京都が幹事都県市となり、9月1日に行なわれる「東京都・立川市合同総合防災訓練」が「第36回9都県市合同防災訓練」の中心会場となる。この会場には、中央防災会議の議長である首相・安倍をはじめとした中央防災会議の主要メンバーが、政府の「総合防災訓練」の一環として参加する。昨年は、9月1日に幹事都県市であった神奈川県相模原市の在日米陸軍相模総合補給廠を中心会場として行なわれている。在日米軍基地を「防災訓練」の中心会場として使用することは前代未聞である。日・米の内乱鎮圧訓練、朝鮮反革命戦争突入訓練の下に、町内会、企業(職場)などの「自主防災組織」を組み込み、戦時体制構築の訓練を行なったのである。

 東京都は、「東京都・立川市合同総合防災訓練」を9月1日午前9時から国営昭和記念公園及び周辺地域、多摩都市モノレール高松駅付近、都立木場公園、東京木材埠頭で行なう。その目的は、「震災時における都、市、各防災機関との連携の強化及び自助・共助に基づく地域防災力の向上を図るため、実践的な訓練を実施する」とし、特徴としては(1)自助・共助の理念に基づいた住民参加型の訓練による防災意識の向上(2)臨海部のバックアップによる救助救援活動の実証(3)九都県市訓練の幹事として、物資などの広域的な応援協力の受け入れとなっている。東京都の「防災訓練」には、石原慎太郎が都知事の時から横田基地の米軍が参加している。米軍参加の「防災訓練」とは朝鮮反革命戦争遂行を見据えた日米共同軍事訓練に他ならない。これまでの米軍参加の訓練では、負傷者の搬送、治療の訓練が行なわれているが、これは傷病兵を念頭に置いたものである。

 こうした「第36回九都県市合同防災訓練」、「東京都・立川市合同総合防災訓練」を許さず粉砕しなければならない。

 東京都教育委員会は、自衛隊東京地方協力本部と連携して、都立田無工業高校の生徒を2013年7月26日〜28日まで陸上自衛隊朝霞駐屯地で、2014年2月3日〜5日にも東京スポーツ文化会館で、自衛隊と連携した宿泊防災訓練を行なった。また、同年11月26日〜28日まで都立大島高校の第2学年生徒のうち33人を対象に、陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県)で宿泊防災訓練を行なった。これは高校生を対象とした「体験入隊」であり「軍事教練」に他ならない。安倍極右政府の戦時体制形成の攻撃と一体のものであり、断じて許してはならない。

 警視庁は、「大震災発生時の交通規制」を策定している。環状7号線から都心方向への車両は通行禁止、環状8号線から都心方向への車両の通行は抑制、国道4号(日光街道ほか)、17号(中山道・白山通りほか)、20号(甲州街道ほか)、246号(青山通り・玉川通り)、都道目白通り、外堀通りでは「緊急自動車専用路」を設け緊急自動車等以外の一般車両の通行を禁止するというものだ。首都中心部への一般車両の流入を規制し、中心部を自衛隊、警察、消防の車両で制圧し、首都の治安を維持しようとするものが「大震災発生時の交通規制」であり、9月1日にはこれに基づいた「交通規制訓練」がなされようとしている。

自衛隊主導、米軍と共同した「防災訓練」を粉砕しよう

 自衛隊は、「平成27年度自衛隊統合防災演習」を6月29日〜7月3日に市ヶ谷駐屯地、朝霞駐屯地を中心に実施した。参加人員は約7000人。主要参加部隊は、統合幕僚監部、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部、情報本部等、陸上自衛隊の各方面隊、「中央即応集団」等、海上自衛隊の自衛艦隊、各地方隊等、航空自衛隊の航空総隊、航空支援集団等、これに加え、防災関係機関及び在日米軍。目的を、首都直下地震の発生時における自衛隊の行動について、自衛隊首都直下地震対処計画に基づき、指揮所演習及び実動演習を実施し、自衛隊の震災対処能力の維持・向上を図るとしている。

 また、「平成27年度日米共同統合防災訓練」が6月7日に行なわれている。目的を、「南海トラフ地震が発生した場合を想定し、『自衛隊南海トラフ地震対処計画』に基づき、実動訓練による自衛隊及び在日米軍並びに防災関係機関との連携要領について演練し、自衛隊の震災対処能力の向上を図る」とし、実施要領では、「本訓練は、高知県が実施する『総合防災訓練』及び陸上自衛隊中部方面隊が実施する『旅団災害対処演習』に連携して実施」とした。訓練概要は、「(ア)指揮所での情報共有訓練、(イ)被災者及び救援物資の海上・航空輸送訓練、(ウ)孤立地域への初動部隊の空輸、(エ)洋上における捜索救助訓練、(オ)輸送艦『くにさき』での応急医療訓練」となっている。訓練概要はどれをとっても即、戦時の作戦に転用しうるものである。「防災訓練」という名で朝鮮反革命戦争遂行訓練が行なわれているのである。
 
 安倍極右政府は、今国会での「安保法制関連法」成立を狙い、7月16日には衆院本会議での可決を強行した。安倍極右政府は、「安保法制関連法」を成立させることで、朝鮮反革命戦争を遂行する戦時国家体制を形成しようとしているのだ。「安保法制関連法」を巡る国会審議で、安倍は、「北朝鮮の核・ミサイルの脅威」をあげ「集団的自衛権行使」は必要とし、内閣法制局長官・横島は、「基地を叩く以外に攻撃を防ぐ方法がない場合、他国の領域における武力行動は許されないわけではない」と言い放っている。

 朝鮮反革命戦争遂行のために米・韓は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の直近で演習をくり返している。北朝鮮から一発の砲撃でもあれば即、開戦に転じるというものだ。6月末から7月はじめにかけて、韓国海軍と韓国陸戦隊が、韓国西部の安眠島において上陸訓練を行ない、同時期、同地域で米・韓は「海岸上陸軍需支援訓練」を行なった。8月には、米韓合同軍事演習・「乙支・フリーダム・ガーディアン」が予定されている。これは、韓国軍が主導し米軍が支援する形で行なわれ、内容はコンピュータ支援による指揮所演習を含んだ大規模な訓練である。日・米・韓は、朝鮮反革命戦争遂行へ向け総力で突撃している。革命的反戦闘争の爆発で朝鮮反革命戦争を粉砕せよ。