新基地本体工事着工を許すな
7月6日午後6時半、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」呼びかけの、対防衛省抗議行動が闘われた。
防衛相・中谷は、辺野古沖のボーリング調査について、6月末までの終了をうちだしていたが、工事の遅れが明白となり、6月30日の段階で「九月末までの延期」を表明せざるをえなくなった。辺野古沖やキャンプ・シュワブ前での実力決起によってもたらされたものだ。しかし、中谷は、「予定した24ヵ所のうち、すでに19ヵ所で終わっている」「可能な限り早期着工する方針に変わりはない」と言いなし、「夏頃までの本体工事着手」を改めてうちだしている。
闘争現場では、機動隊や海上保安庁による暴力的な闘争破壊が激化し、しばしば海上で衝突が起き、闘う仲間が拘束されている。6月30日、フロートを突破して阻止行動を闘っていたカヌー15艇の仲間が拘束された。同日、キャンプ・シュワブゲート前では、闘う仲間2人が「公務執行妨害」「刑事特別法」で不当逮捕された。国家権力の全体重をかけた名護新基地建設に向けた攻撃がさらに激化しているのだ。
沖縄・名護新基地建設阻止闘争が続くなか、安倍政府を下支えする「安倍応援団」=自民党若手議員や作家・百田尚樹らによる、闘う沖縄労働者人民に対する憎悪と差別に満ちた敵対発言が暴露された。6月25日、自民党本部内で行なわれた「文化芸術懇話会」なる「勉強会」の場で、この輩どもは「沖縄の2つの新聞は潰さないといけない」「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」なぞと放言したのだ。
月例行動に100人が結集
こうした安倍政府の数々の横暴への怒りが高まる中、7月6日の月例抗議行動に100人を超える仲間が結集し、安倍政府への怒りを叩きつけた。この日も集会開始前から、数人の右翼ファシストどもが防衛省前に居座り、巨大な拡声器を使ってがなりたてていた。集会場の周辺には多数の私服刑事が張りつき、制服警官がうろつくなど、警察権力は露骨に弾圧の機会をうかがっていた。しかし、そんな警察権力と右翼どもの圧力なぞ問題にせず、集会が開始される。集会の冒頭に、「沖縄・平和運動センター」議長である山城博治氏作詞の歌・「沖縄 今こそ起ち上がろう」と、辺野古現地で歌われる歌・「沖縄を返せ」を、参加者全体で唱和した。次に、参加者全体で防衛省に対するシュプレヒコールをあげる。「辺野古への基地建設を許さないぞ」「ボーリング調査を中止しろ」「埋め立てを許さないぞ」「高江ヘリパッド建設を許さないぞ」「沖縄の軍事要塞化を許さないぞ」。
「戦争法」成立を許すな
結集する市民団体からの決意表明がなされる。発言者は口々に、安倍政府への怒りを表明するとともに、首都圏での取り組みへの呼びかけや、辺野古現地闘争参加の報告などがなされる。横田基地へのオスプレイ配備など、強まる軍備増強への怒りが表明され、安倍政府による「安保法制関連法」成立阻止が訴えられていった。特に、在日本「本土」のウチナンチュからの発言に注目が集まる。「沖縄の2紙は、米軍基地のもたらす苦しさを報じている。自民党の学習会から噴出した『潰せ』という発言は、沖縄の意思を無視した無茶苦茶なものだ。これは、沖縄の辺野古新基地反対の声を潰せ、ということだ」「この発言は、日本全土からの戦争法への反対の声を潰せ、戦争への道を作りあげるんだ、という安倍内閣の姿勢を示しているということだ。これからの闘いを頑張っていこう」と参加者全体に檄を飛ばした。
そして、防衛省に対する「申し入れ行動」が行なわれた。申し入れに起った仲間は、「辺野古埋め立てを直ちに中止せよ」「新基地建設中止こそが唯一の解決策」「『安保法制関連法』の強行採決を狙う安倍政府を許さない」と防衛省に突きつけた。
最後に、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」より、集約発言がなされる。「昨年7月1日以降、辺野古基地建設が開始されて、1年が経過したが、われわれはずっと闘ってきた」「『沖縄のマスコミ潰せ』という発言は、キャンプ・シュワブゲート前や辺野古海上の闘いが、確実に安倍政権にカウンターパンチを浴びせているということだ」「辺野古に基地を作らせない闘いをやりぬく」。
こうして、この日の取り組みを終了した。
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