7月5日、佐世保港から、ソマリア沖・アデン湾への「海賊対処行動水上部隊」の第22次派兵が強行された。福岡県反戦は、福岡・築港日雇労働組合(福日労)の仲間たちとともに、出撃阻止の佐世保現地闘争に決起した。
今回出撃するのは、護衛艦「あきづき」(排水量5050トン)と「さわぎり」(排水量3500トン)の2隻で、両艦とも海自・佐世保基地を定係港とし、62口径艦載砲、高性能20ミリ機関砲、対艦ミサイル、魚雷などなどの殺傷兵器を満載している。これに定員いっぱいの兵員400人と司令部要員約30人、海上保安官8人を乗せて出撃し、約半年間にわたってソマリア沖・アデン湾一帯で「海賊掃討作戦」を展開しようというのだ。
午前9時30分、青ヘル部隊は、海自・佐世保基地を見渡す前畑岸壁に登場する。赤旗が海風に翻る。岸壁には、佐世保地区労をはじめ、長崎県下の労働者たちも続々と結集してくる。午前10時02分、けたたましい警笛とともに「あきづき」と「さわぎり」が姿を見せる。出撃だ。青ヘル部隊は、眼前を横切る両艦に対して、「出撃を許さないぞ」、「ソマリア沖派兵を阻止するぞ」、「自衛隊を解体するぞ」と、怒りのシュプレヒコールを叩きつける。岸壁に集まった多くの労働者とともに、出撃阻止の闘いをうちぬいた。
この「海賊対処行動」について、安倍政府は、7月7日、海自の活動期間を来年7月23日まで1年間延長することを決定している。 ソマリア沖での多国籍部隊による「海賊対処」は、2011年は237件だったが、それ以降急減し、昨年2014年にはたったの11件になっている。それでも安倍政府は、貪欲に派兵を続けようというのである。「海賊対処」を口実に、本格的な戦闘、本格的な殺傷の「経験」を自衛隊に積ませようと躍起になっているのだ。
さらに問題なのは、多国籍部隊の司令部への要員派兵だ。今年5月から、「各国軍の間の連絡調整」、「警戒監視任務の分担」、「情報の共有」などを名目に、バーレーンの米軍基地内に置かれた司令部に約10人の要員を送り込んでいるのだが、防衛省は、「任務は海賊対策に限られている」、「他国軍を指揮命令するわけではない」から、「集団的自衛権の行使には当たらない」と開き直っている。これをもっと大っぴらに、もっと本格的に、もっと大規模にできるようにしようというのが「安保法制関連法」だ。
戦争情勢の到来は、帝軍解体・基地解体・兵士獲得の絶好の機会の到来でもある。「安保法制関連法」に基づく派兵でも、「自衛隊員のリスクは高まることはない」という防衛相・中谷の言葉とは裏腹に、自衛隊員の中には「リスク」への恐怖と動揺が確実に広がっている。すでに、インド洋やイラクに派兵された自衛官のうち54人が自殺していたことも明らかになっている。この機を逃さず、反軍・反基地の闘いを強化していかねばならない。
われわれは、全世界労働者人民の反帝武装闘争に連帯・呼応し、自衛隊の海外派兵を粉砕する。佐世保の朝鮮反革命戦争の出撃拠点としての打ち固めを断じて許さず、佐世保基地解体に向け闘いぬく。
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