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6・28 高江ヘリパッド建設阻止! 「高江座り込み八周年報告会」が開催される〈沖縄〉 (1151号1面)

「報告会」に600人が結集

 6月28日、「東村農民研修施設」において「ヘリパッドいらない住民の会」が主催する「高江座り込み8周年報告会」が開催された。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、辺野古など各現場でともに闘いぬく仲間たちとともに結集した。

 会場には高江の森に生息する貴重な動植物などを撮影した写真パネルが展示され、参加者が見入っている。準備されたイスはあっという間に埋め尽くされ、会場全体は熱気が充満する。

 午後2時、開会。開会あいさつは、「この1年、沖縄防衛局はほとんど動かなかったが、完成したN4のヘリパッドが米軍に先行提供された。それに対する抗議行動を闘った」「勝って9周年はやらずに済ませられるようにしたい」と訴える。

 つづいて各団体からのあいさつだ。はじめに、「高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会」は、現地報告を兼ねて発言する。「高江にヘリパッドを造ることで、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ、北部訓練場、伊江島飛行場は一体となり、訓練が過密になる」「2014年1月、N1地区が工期に入っている。1日たりとも休まず座り込み、隙のない監視行動とゲート封鎖を行なった。N1はいっさい工事されていない」「『われわれを路側帯から締め出す』という話が報じられているが、私たちは屈しない」「2月には、N4地区の2つのヘリパッドが米軍に先行提供された。村議会も抗議決議を上げている」「G地区も工期に入った。監視態勢を敷いている」「今年10月から12月にも、H地区の工事入札が行われる。来年度までにすべて手がつけられようとしている」「7月1日から工事が再開される。緊迫した状況だ。『N1ゲート』に集まろう」。詳細な報告と敢然と闘う決意表明に拍手が送られる。「沖縄平和市民連絡会」のメンバーは、「安倍政府は、昨年7月1日に『集団的自衛権行使』容認の閣議決定と辺野古工事強行を決定した」「沖縄が再び戦争に巻き込まれようとしている。金網のない沖縄を知らない。だが生きている間に1つでも2つでも取っ払わないとならない」と力強く表明。「沖縄平和運動センター」は、「われわれから望んで誘致した基地は一つもない」「『もともと普天間基地は何もないところだった』『沖縄の新聞2紙はつぶさないといけない』などといった百田発言は許せない。安倍政府による戦争のできる国づくり、沖縄への基地押し付けを止める」「ワジワジーを行動に変えて、未来をつくっていこう」と訴える。その他、「ヘリ基地反対協」や村議会議員、「東村島ぐるみ会議準備会」などから発言が行なわれ、登壇したメンバーは、辺野古と高江をひとつのものとして闘うこと、「住民の会」を支援して闘うことなどを訴えた。

 休憩をはさんで、ユーモアを交えて座り込み現場の様子を表現した一人芝居や、住民たちによる歌や踊りが披露された。

 最後に、結集した600人が拳を固めて「団結ガンバロー」を行ない、「報告会」は締めくくられた。

高江ヘリパッド建設阻止へ

 高江ヘリパッド建設に向けた政府―防衛省の攻撃は、ますます強まっている。まず、完成した2つのヘリパッドの先行提供である。そもそも沖縄防衛局が建設しようとしている6つのヘリパッドは、北部訓練場の「過半の返還」を条件とするものだ。そうであれば米軍への提供は「過半の返還」と同時になされなければ筋が通らない。ところが政府―防衛省は、普天間基地に計24機のオスプレイが配備されたことを受けて、オスプレイの訓練強化のために高江ヘリパッド建設工事を加速し、米政府と先行提供で「合意」したのである。自ら語る「返還」は約束通りやらずに訓練強化・基地強化の「負担」だけは一方的に押し付ける、これが政府のいう「負担軽減」の実態である。

 もう1つは、「N1ゲート前テント」の撤去策動である。政府―防衛省は、「日米地位協定」第2条4項(a)の規定によって「日米共同使用」となっている「県」道70号線の路側帯を、「米軍専用区域」に転換しようとしている。「米軍専用区域」となれば、路側帯に建てられているテントでの座り込みは、「刑事特別法」違反を適用し排除できるというわけだ。新聞報道によれば、沖縄森林管理署から「県」への「日米共同使用」解除の届け出が迫っている。これによって、「米軍専用区域」への転換の手続きが完了する。そもそも、70号線は米軍への提供区域であったが、米軍が使用していないために1990年の「日米合同委員会」の合意で「日米共同使用」となって「県」が管理してきた。道路と一体の路側帯だけを切り取り、しかもテント撤去だけを目的として「米軍専用区域」へと再転換するというのは、余りにひどい手口ではないか。しかもこれは、不当極まりない基地拡大である。このような暴挙を決して許してはならない。

 住民と支援メンバーは、「N1ゲート前テント」を闘争拠点として、「N1裏」と「G地区ゲート」入口付近での警戒・監視行動も強化している。最も集落に近い2つのヘリパッド建設が強行され、悔しさ、焦りも募る。さらに、辺野古の闘いと現場の分断を強いられる厳しさもある。だが、闘うメンバーは、権力の横暴と対峙し、国の不当性を暴露し、その一つひとつの事実を沖縄内外に発信し闘い続けている。

 他方、辺野古でもゲート前行動への攻撃が強まっている。機動隊の暴力がより一層ひどくなり、公然とメンバーを名指ししてカメラを向け「採証」を行ない威圧する場面が増えている。6月30日には、2人の仲間が不当逮捕されている。7月2日には、海上作業への抗議行動に使用していた第3ゲート前を封鎖するフェンスが設置されている。

 高江も辺野古も実力闘争によって、必ずや突破口を開くことができる。われわれは、名護新基地建設阻止の実力闘争の爆発を実現するために奮闘する。高江ヘリパッド建設阻止を闘う。