237人の解雇撤回を
6月18日、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環として、トヨタ自動車資本による組合潰しを狙ったフィリピントヨタ労組237人の解雇撤回をせまるトヨタ東京本社門前闘争が闘われた。この闘いには東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合も結集し、闘いぬいた。
2001年、多国籍企業として世界展開を行なっているトヨタ資本は、2000年に大衆投票で労働法上の団交権を持つ企業内代表組合として結成されたフィリピントヨタ労組(TMPCWA)に対して組合破壊攻撃を繰り返し、233人の組合員を解雇し、さらに、2010年には工場内で組織再建のために活動していた4人を解雇した。以来、14年間にわたってフィリピンの現地法人、愛知県のトヨタ本社、トヨタ東京本社を貫く解雇撤回闘争が、日本国内では全造船関東地協を主軸にした支援体制が作られ、闘いぬかれている。このフィリピントヨタ労組に連帯する闘いは、帝国主義足下の労働組合運動にとって国際連帯の真価が問われる闘いだ。
トヨタに労働者の怒りの抗議行動を
午後1時50分から始まった飯田橋のトヨタ東京本社に対する門前闘争は、結集した労働組合の旗が林立するなか、「けんり総行動実行委員会」の纐纈氏の主催者あいさつから始まった。纐纈氏は、「国会では『労働者派遣法』改悪などの労働法制改悪が狙われている。一方、トヨタは、2014年度決算で過去最高の2兆円もの利益を計上している。この利益は、労働者を犠牲にして上げた利益だ。労働者が労働組合を結成することは当たり前の権利であるにもかかわらず、トヨタは労働組合を作った途端に組合員を解雇した。解雇撤回を要求する団体交渉にも応じず、大企業としての責任を取らないトヨタに労働者の怒りの抗議行動を闘おう」と呼びかけた。
続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際氏がマイクを取り、「一昨日はトヨタの株主総会だった。トヨタは巨額の金を注ぎ込み2020年東京オリンピックの公式スポンサーの地位を手に入れている。2014年度決算で計上した2兆円の利益の中味は、輸出型の大企業を優遇する『もどし消費税』などによるものだ。トヨタが作る車は『いい車』と言われているが、働く者を大事にすることなしにトヨタの未来はないということを突き付けていこう。国際労働機関(ILO)からフィリピントヨタ労組問題で何度も勧告を受けているフィリピン政府は、とっても困っている。仲介を行なっている労働雇用省の要請に対して、トヨタは『現地のことは現地で』と言って無視を決め込んでいる。アメリカでトヨタ車のリコール問題が起きた時に、豊田章社長はすぐさまアメリカに飛んでいって謝罪したが、『開発途上国』に対してはデカいツラをしている。トヨタは、姿勢を改め、フィリピントヨタ労組が要求している解決内容を受け入れることを求める」と訴えた。全造船関東地協・早川事務局長のあいさつの後、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の事務局からこの間の経過が報告される。「6月16日のトヨタの株主総会に対して2000枚のチラシを配布した。9月後半には、フィリピントヨタ労組の代表が来日する。フィリピンでは、5月21日に、定例の毎月1回の行動を闘った。フィリピン政府の労働雇用省は、労組の100人の解雇者との懇談に応じている。これからもトヨタを包囲していきたい」と報告と決意を明らかにした。
フィリピン労働者との国際連帯を
連帯の発言に起った「JAL不当解雇撤回争議団」は、「労働組合を作ることが何で解雇につながるのか」とトヨタ資本を弾劾し、「日本製鉄元徴用工裁判を支援する会」は、「植民地支配下の強制連行問題について、新日鉄住金や三菱重工名古屋を相手にした裁判を闘っている。6月24日には、裁判引き伸ばしをくりかえす新日鉄住金への申し入れを行なう。安倍打倒の闘いと結んで、新日鉄住金を包囲する闘いを広げて行く」と決意を明らかにした。
トヨタ資本は、仲介役を担っているフィリピン労働雇用省に対してILO勧告に従って金を払う素振りを見せてきているという。しかし、フィリピントヨタ労組は、「組合切り崩しのための金は受け取らない」と、あくまでも解雇撤回を要求して闘う意志を示している。途中から降り出した雨を衝いて闘われたトヨタ東京本社門前闘争は、行き交う労働者の注目のなか、最後に、「トヨタは、237人の解雇を撤回しろ!」「フィリピンでの組合つぶしを許さないぞ!」「進出先での労働者の人権を守れ!」「フィリピン労働者と連帯して闘うぞ!」とシュプレヒコールをトヨタ資本に浴びせ、行動を締めくくった。
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