5月24日午後2時から、「人間の鎖」で国会を包囲するデモンストレーションとして「止めよう! 辺野古新基地建設 許すな!沖縄の民意の圧殺を 国会包囲ヒューマンチェーン」が行なわれた。「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」を軸に組織された「実行委員会」主催によるこの取り組みに、前回の1月の約7000人の倍以上の、在日本「本土」沖縄労働者人民を先頭にした約1万5000人の闘う労働者人民が結集した。この取り組みに東京・山谷日雇労働組合と明大社会思想研究会も結集して「人間の鎖」の一角を成し、最後まで闘いぬいた。
午後2時、国会正門前交差点の路上を特設会場として、国会包囲行動に先立つ集会が開催された。「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」の仲間の司会によって集会開始が宣言されると、冒頭、参加者全体で国会議事堂に向かってシュプレヒコールをあげる。「辺野古に基地をつくるな!」「辺野古の海をつぶすな!」「海上保安庁は暴力をやめろ!」「日本政府は沖縄の声を聞け!」。
主催者あいさつでは、この日の取り組みが、東京だけでなく、愛知、静岡、滋賀、京都、大阪、山口などでも闘われていることが紹介される。そして、沖縄現地からの発言として、沖縄・名護市の稲嶺進市長が登壇する。「みなさんの闘いが、沖縄に勇気と希望を与えてくれる。沖縄の思いに応えてくれている」「安倍政府は、『順調』に辺野古での工事が進んでいるように見せているが、単なるパフォーマンスに過ぎない」「『集団的自衛権行使』、そして『安保法制関連法』でこの国が変えられようとしている。沖縄の動きと連動して進められている」「絶対にあきらめない! みなさんとスクラムを組んでがんばる。力を貸してください」。地方自治体の市長とは思えないほどの、稲嶺氏のアジテーションのような力強い発言に、参加者たちが拍手で応えた。
その後、集会は、主催者からのカンパ要請、「5・24ヒューマンチェーン」呼びかけ人の1人である哲学者の高橋哲哉氏からの発言、沖縄での5月17日の、3万5000人を集めた「県民大会」に寄せられた「プラトーン」などを製作した世界的な映画監督のオリバー・ストーン氏からの連帯メッセージの代読、沖縄選出の衆・参両院の5人の国会議員からのあいさつ、東京全労協をはじめとする市民運動団体からの発言と続く。登壇した発言者たちは、口々に、機動隊や海上保安庁を尖兵とする闘争破壊攻撃を弾劾し、そして沖縄・名護新基地建設を加速させようと目論む安倍政府への怒りを表明していった。
発言終了後、司会からいよいよ国会包囲行動の開始が宣言される。午後3時から、列をなした大勢の仲間たちが次々に国会を包囲していく。前回の倍以上の人数が集まったために、包囲網は一列ではあふれかえってしまうので、二列になるほどであった。そして今日は、主催者の意向により、前回同様に、参加者全員が「辺野古の海」をイメージした青色を身にまとうことになったが、東京・山谷日雇労働組合と明大社会思想研究会も青ゼッケンを装着して呼応した。東京・山日労の赤旗がはためくと、ひときわ労働者人民の注目を集めた。国会周辺に配備された制服警官どもは、今回はあまりの人数の多さに、いやがらせ的な規制なぞすっかりあきらめてしまった。こうして、1万5000人の闘う労働者人民の手で、あっという間に国会周辺が埋めつくされる。そして、3時15分に、主催者の合図の下で参加者が手をつないで国会を「人間の鎖」で包囲した。国会包囲完成が主催者によって宣言されると、参加者全体で大きく歓声をあげる。その後、閉会時に、「日本政府は、沖縄県民の意思を尊重し新基地建設を断念せよ 普天間基地の閉鎖・撤去と基地の沖縄県内移設を断念し、危険なオスプレイを撤去せよ」と題する声明が読み上げられた。最後に、再度、国会議事堂に向かってシュプレヒコールをあげる。こうして、この日の国会包囲行動が成功裡にかちとられた。
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