現地久見崎公園で決起集会
九州電力・川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働が迫っている。すでに3月末から「原子力規制委員会」による「使用前検査」と称する原発施設の現地調査が進められており、4月下旬には九電が「6月上旬の核燃料の装填」、「7月中旬の原子炉起動(事実上の再稼働)」、「7月下旬のフル稼働」、「8月中旬の営業運転開始」なるシナリオを打ち出している。
台風一過の川内現地は、前日までの荒天がウソのような快晴だ。午後1時、薩摩川内市内・久見崎公園に陣取った青ヘルの部隊は、デモに先立って集会を開始する。
はじめに、現地闘争に参加した元原発労働者・原発労働裁判原告の梅田隆亮氏のあいさつだ。「私の裁判も峠を越えました。あさって15日には第13回目の裁判が行なわれますので、ぜひ傍聴に来て下さい」「原発を巡る裁判のハードルが高いのは、予定にあることです。川内では一審の仮処分申請が却下されました。しかし、原発はどんなことがあっても廃炉にしなければなりません」「私は、30年間苦しんできました。原発作業員の防護基準さえない現状で、多くの作業員が被曝しながら働いていることを思うと、私は原発労働裁判の第一審に必ず勝たなければならないと強く思っています。もし勝てば、被曝労働の後遺症に苦しんでいる多くの被害者の中から、私のように名乗り出てくる方が出るのではないかと心から期待しているからです」「原発をなくすために、次の世代にツケを残さないように、ここで頑張っていこうではありませんか」。
次に、実行委が闘いの基調を提起する。「川内原発は、『事故が起きれば日本で一番危険な原発』と言われている。とりわけ川内原発の半径160キロ圏内には、巨大噴火があったことを示すカルデラが、桜島のある『姶良カルデラ』など、主なものだけで5つもある。このうち1つでも大噴火を起こせば、火砕流や火山灰で原発施設がひとたまりもなく破壊され、『福島第一原発事故』とは比較にならないほどの大事故になることは明らかだ。九州はおろか、西日本全域が壊滅する。再稼働を絶対に許すわけにはいかない」「安倍政府が原発政策―原子力政策に躍起になっているのは、核武装のためだ。労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即刻、廃止しなければならない。核武装のための原子力政策はただちに葬り去らねばならない」「川内原発が『再稼働第一号』となることを許すのか。これを突破口にした全国の原発再稼働を許すのか。すべては、私たちのこれからの闘いにかかっている。川内原発をめぐる闘いが全国原発の再稼働の行方を決する」。
川内原発に肉薄するデモ
この基調提起を受けて、ただちに青ヘル部隊は、「再稼働阻止」、「原発廃止」、「核武装粉砕」の声高く、デモに出発する。「自分も再稼働に反対だ」と言って、飛び入りでデモに加わる人もいる。「川内原発の再稼働を阻止するぞ」、「核燃料の装填を許さないぞ」、「改憲―核武装に突き進む安倍政府を打倒するぞ」というシュプレヒコールが、沿道に響き渡る。鉄条網が巻かれた川内原発のフェンス沿いに進む青ヘル部隊を、各所に配備されたガードマンが、戦々恐々の面持ちで注視する。そのなかを青ヘル部隊は正面ゲートに進撃する。ゲート前では、九電が青ヘル部隊の姿におびえて、ゲートを完全に閉鎖し、ガードマンをずらりと並べて厳戒態勢をとっている。そこに怒りのシュプレヒコールを徹底的に叩きつけていく。部隊は、最後まで戦闘的なデモをやりぬいた。
最後に、実行委の仲間が「勝利のカギは、現地実力闘争の爆発にある。ここ川内原発に押し寄せる闘い、原発労働者のストライキを呼び起こすような闘い、そのような闘いこそが必要だ。この夏が勝負だ。ともに全力で闘おう」と提起して、闘いを締めくくった。
5月11日、九電は「規制委」に対して、「使用前検査」に関する新たな「計画書」を提出した。これまでに出した計画書があまりにデタラメで、「検査」の行程が破綻し、「規制委」が「いい加減な計画にはお付き合いできない」(「規制委」関係者)と怒り始めたためだ。「検査」の開始から1ヵ月余りが経過したが、約180の「検査」項目のうち、5月上旬までに終わったのは、たったの7項目にすぎないという。ところが、九電が4月23日に示した計画では、今後は1日に10項目以上の「検査」を済ませることになっているのである。「どうせ形だけなのだから、さっさと終わらせようではないか」という、あまりに露骨な九電のメッセージと滅茶苦茶な「強行軍」的スケジュールに、再稼働の片棒を担ぐ「規制委」までがウンザリし出している。
その結果が、新たな「計画書」の提出だったのである。それに従えば、「検査」の工程はこれまでより1週間ほど遅れることになるという。この「計画書」には再稼働の時期は明記されていないが、マスコミ各社の報道によれば、「六月中旬の核燃料装填」、「7月下旬以降の再稼働」の「見通し」だという。こんなデタラメな「検査」態勢こそが、原発の実態、日帝原子力政策の実態を端的に示している。
われわれは、5・13現地闘争を引き継ぎ、今夏、川内原発の再稼働阻止に全力で決起する。現地実力闘争の爆発を切り拓く決意だ。ともに、川内原発―全国原発の再稼働を阻止しよう。原発の新設・増設を阻止しよう。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとろう。
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