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5・21石川氏不当逮捕52ヵ年糾弾! 狭山中央闘争に総決起しよう (1140号6面)

石川氏不当逮捕52ヵ年を糾弾しよう

 1963年5月23日、埼玉県狭山市で起こった「女子高生誘拐殺人事件」の「犯人」として、無実の部落民=石川一雄氏が不当逮捕された。5月1日、行方不明となった女子高生宅に届けられた「脅迫状」をもとに、身代金を受け取りに来た「犯人」を警察は40人以上で包囲しておきながら取り逃がす。警察権力への非難が集中するなか、当時の国家公安委員長の「生きた犯人を捕まえろ」という号令のもと、マスコミや住民をも動員して被差別部落への予断と偏見を煽りたて狭山市内の被差別部落に捜査を集中させる。そして、当時、日雇いだったためにはっきりとしたアリバイがなかった石川氏に目をつけ、5月23日早朝、寝込みを襲うように別件で不当逮捕しさったのだ。警察での取り調べは女子高生殺害に集中した。連日連夜に渡る拷問的取り調べを行ない、「おまえのかわりに兄を逮捕する」「やったといえば10年でだしてやる。男の約束だ」などとウソとペテンで「自白」を強要した。絶対に許すことはできない。

 「狭山事件」は、捜査段階から逮捕、取り調べ、裁判のすべての過程において部落差別に貫かれている。不当逮捕から52年たった今なお、石川氏は「見えない手錠」でつながれたままである。石川氏の怒りと無念をわがものとし、石川氏不当逮捕52ヵ年を怒りも新たに徹底糾弾しよう。第3次再審闘争は最大の正念場を迎えている。全国学園、職場、地域で闘う仲間を組織し、5・21狭山中央闘争に総決起しよう。第3次再審棄却阻止、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう。 

第3次再審棄却策動を打ちくだこう

 この間、狭山弁護団は、これまでの「三者協議」の中で開示された164点の証拠を調べ上げ、次々に新証拠、補充書を東京高裁に提出してきた。「石川氏不当逮捕当日の上申書」「腕時計捜査報告書」「車の駐車に関する捜査報告書」「手拭い配布一覧表」「取り調べ録音テープ」などの「証拠」から、「確定判決」とされる東京高裁・寺尾判決の数々の矛盾が露呈している。

 狭山弁護団の攻勢に圧された東京高検は、第21回「三者協議」の前日である1月22日、保管していた狭山事件の証拠物一覧表(リスト)をようやく弁護団に開示した。証拠リストの開示自体は、狭山弁護団が再三要求してきたものである。しかし、東京高検によって開示されたのは279点(既開示235点、未開示44点)の証拠物の名前と数量を書いた領地票である。高検が保管している証拠物のリストにすぎない。「積み上げれば2メートル〜3メートルになる」と言われていた全証拠についての票目とはまるで違うのだ。「手元に無い物は知らない」と言わんばかりの態度を徹底糾弾し、44点の未開示証拠の開示をかちとるとともに、高検以外の場所にある領地物のリストもただちに開示させなければならない。

 2月13日、狭山弁護団は、「手拭い関係の初期の捜査書類」や事件関係者らから弁護人が事情聴取した結果など16点の新証拠と、A4判・74ページに及ぶ再審請求補充書を東京高裁に提出した。このなかで、狭山弁護団は、事件の年の正月の年賀用に石川一雄氏の家に届けられたI米穀店の手拭いは、事件後に警察に提出されていることを暴露し、犯行に使われていない事実を立証した。狭山弁護団は、今後、「秘密の暴露」とされる「自白」についての新証拠と補充書、さらに取調べ録音テープに関する補充書も提出していくとしている。これらの新証拠をも武器に、司法―国家権力をさらに追いつめていかなければならない。

 第22回「三者協議」が、3月24日に東京高裁で開かれた。この中で、東京高検が事件現場の航空写真112点を新たに開示した。この航空写真は1963年5月5日に撮影されたものである。狭山弁護団はこの新証拠も精査する姿勢を明らかにしている。しかし、狭山弁護団が要求する物的証拠の開示については、東京高検は、「必要性・関連性がない」なぞと言いなして開示を拒否している。次回の第23回「三者協議」は、5月下旬の開催が予定されている。

 東京高裁・河合は、検察に対してまったく手ぬるい態度をとりつづけ、東京高検に「開示命令」を出そうともせず、また、自らは事実調べも証拠調べも行なおうとしていない。再審棄却のタイミングを虎視眈々と狙っていると言わざるを得ない。

 今こそ司法―国家権力に対する階級的共同闘争と徹底した実力・武装の闘いで、東京高検に全証拠開示を、東京高裁に事実調べを迫っていこう。東京高検、東京高裁を包囲糾弾し、第3次再審棄却策動を粉砕しよう。

狭山闘争の歴史的勝利へ

 司法権力は、どんなに石川氏無実の証拠が提出されようとこれをすべて却下してきた。誰よりも国家権力は、石川氏の無実を承知している。にもかかわらず、反革命差別判決を打ち下ろし続けてきた。それは、狭山闘争が戦闘的部落青年・大衆と労働者人民との階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で部落解放運動の飛躍を切り拓き、国家権力糾弾・打倒の闘いとして闘いぬかれてきたことに何よりも恐怖しているからだ。だからこそ、朝鮮反革命戦争に突き進む日帝国家権力は狭山闘争の解体が不可欠だとして差別裁判、階級裁判を強行し続けているのだ。部落解放運動総体を解体してファシズム融和運動へと再編し、戦争翼賛勢力へと組み込みながら、すべての労働者人民の闘いを体制内化・翼賛化へと一気に落としこめるための攻撃に他ならない。

 狭山闘争は、差別裁判、階級裁判を強行し続ける国家権力を徹底糾弾し、打倒する闘いである。司法―国家権力への闘いを放棄して勝利をかちとることはできない。石川氏の無実は揺るぎのないものであり、裁かれるべきは国家権力なのだ。

 部落解放同盟内社民・こえ派は、「三者協議」にのめり込み、これまでも歴史的な闘いである5・23闘争、確定判決に対する糾弾闘争である10・31闘争を度々放棄し、「司法の民主化」運動、「冤罪」路線へとすり替えながら狭山闘争の幕引きを加速させてきた。今、第3次再審闘争の最大の山場を迎えている。狭山闘争は、「石川の命、我が命」「1人は万人のために、万人は1人のために」という狭山思想を生みだし、部落解放運動の中軸として闘われてきた闘いであり、敗北は許されない。石川氏は、3月13日の埼玉集会で「まだ52年経っても、勝利のメドがつけられていないのも事実だ。証拠を握っているのは検察官だ。狭山署から埼玉地検、東京高検と証拠が渡る際にリストを作っているはずだ。これらの証拠を開示させる運動を展開すべき」「東京高裁は、『三者協議』を2ヵ月おきにやろう、と言っているようなので、今年中にも結論が出るものと予測している。世論の力で裁判所も動くと思うので、これからもみなさんのご支援をお願いしたい」と決意を明らかにした。石川氏は、76歳、不当逮捕から52年の今年、石川氏の決意に応える闘いを緊張感を持ってやりぬいていかなければならない。石川氏に「見えない手錠」をかけ続け、差別裁判を強行し続ける司法―国家権力に対する「公正・中立」幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明に、戦闘的部落大衆と連帯し、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争の爆発で、狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。

部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとれ

 資本主義の危機の深化の中で、部落差別落書き、差別ハガキなどの事件は後を絶たない。2011年には「プライム事件」(戸籍謄本等不正取得事件)も発覚するなど、就職差別、結婚差別、土地差別調査などの事件も依然根深い。最近では、「部落地名総監」の内容がインターネット上に流布されるなど、インターネットを使った悪質な差別煽動が繰り返されている。部落解放同盟内社民・こえ派はこれらの差別事件に対して「告訴・告発」を全面化している。「告訴・告発」の方針化は差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、何も解決しない。全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことこそが必要だ。部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとろう。「在特会」など反共ファシストどもの、「ヘイト・スピーチ」をはじめとする悪辣な差別煽動を許さず対決しよう。部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を粉砕し、日帝の朝鮮反革命戦争突撃と対決する革命的部落解放運動の飛躍を切り拓こう。部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へ闘おう。

 安倍極右政府は、差別主義・排外主義を煽るだけ煽り、朝鮮反革命戦争へと突撃しようとしている。2013年末に靖国参拝を強行し、以降も安倍政府閣僚たちがしばしば参拝を続けている。元「従軍慰安婦」に関する「河野談話」は裏付けがないとして居直るなど、日帝と天皇の戦争責任・戦後責任を追及しつづけるアジア労働者人民の闘いをふみにじってきた。安倍は今年「戦後70年」を機に、「植民地支配と侵略戦争を認めた」とされる「村山談話」を否定する新たな「談話」を出そうと、策動を続けている。また「特定秘密保護法」「テロ指定・資金凍結法」などの治安弾圧法を次々と成立させ、今国会では「盗聴法(通信傍受法)」改悪を狙っている。「組織犯罪処罰法」改悪を軸とする「共謀罪」新設も、今年秋の臨時国会にも提出されようとしている。戦前の「治安維持法」を越える弾圧態勢を構築し、反戦・反差別などあらゆる反体制運動を根絶やしにしようと狙っているのだ。そして、昨年7月1日に「集団的自衛権の行使」を解釈改憲で強行した安倍極右政府は、来年の参院選後にも、いよいよ本格的な改憲を発議することを公言している。「天皇元首化」「9条破棄」を核心にし、労働者人民の諸権利の一切を強奪しようと目論む改憲攻撃を、何としても粉砕しよう。沖縄・名護新基地建設を絶対阻止しよう。核武装への突撃と対決し、すべての原発の再稼働・新(増)設阻止、核燃料サイクル粉砕を闘おう。教育労働者の「君が代」不起立の闘いへの処分発動を許さず闘おう。戦争遂行の安倍政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。差別主義日共=全国人権連を解体しよう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、天皇主義右翼ファシストを撃滅しよう。