4月6日午後6時半、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」呼びかけの、対防衛省抗議行動が闘われた。
前日の4月5日、官房長官・菅が沖縄を訪問し、那覇市内のホテルで沖縄「県」知事・翁長と会談した。菅は、会談で「日米同盟と抑止力の維持や、普天間飛行場の危険性除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策だ」と強調し、「移設の断念は普天間の固定化につながる。法令に基づき粛々と進める」と言い放って、あくまで工事を継続する考えを示した。これに対して翁長は、「上から目線の『粛々』という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて怒りは増幅される。絶対に建設することができないという確信を持っている」とした。沖縄現地では、菅の沖縄訪問に対する怒りが爆発し、この日もホテルを包囲しての激しい抗議行動が闘いぬかれている。
辺野古沖では、沖縄防衛局による仮設桟橋設置工事が進み、コンクリートブロック投入によってサンゴが次々に破壊されている。カヌー隊の海上阻止行動に対する海上保安庁の暴力もさらにエスカレートしている。4月6日当日にも、海上保安庁がキリスト者団体の支援船に大挙襲いかかり、窓ガラスを粉々に破壊するなどの暴挙に手を染めている。そんな沖縄防衛局との厳しい現場攻防を粘り強く闘いぬく沖縄現地の闘いと結びつく取り組みとして、この日の取り組みが行なわれた。この日も、100人をはるかに越える、多くの労働者人民が結集した。
この日も集会開始前から、数人の右翼ファシストどもが防衛省前に居座り、巨大な拡声器を使ってがなりたてていた。集会場の周辺には多数の私服刑事が張りつき、制服警官がうろつくなど、警察権力は露骨に弾圧の機会をうかがっていた。しかし、そんな警察権力と右翼どもの圧力なぞ問題にせず、集会が開始される。まず、参加者全体でシュプレヒコールをあげる。「辺野古新基地建設を許さないぞ」「基地の押しつけを許さないぞ」「沖縄とともに闘うぞ」。
結集する諸団体からの決意表明がなされる。沖縄現地の闘いに参加した仲間からの報告や、今後の首都圏での取り組みが提起された。口々に、機動隊や海上保安庁による暴力的な弾圧への怒りが表明され、安倍政府による名護新基地建設とあくまで闘いぬく決意が表明された。
防衛省に対する2度目のシュプレヒコールの後、防衛省に対する「申し入れ行動」が行なわれる。今回は、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」に結集する個人2人が、それぞれ抗議文を読み上げ、「辺野古への新基地建設中止を!」「埋め立て工事をやめよ!」「普天間基地を即時無条件で返還せよ!」と防衛省に突きつけた。
沖縄現地からの発言として、「ヘリ基地反対協」共同代表の安次富浩氏からの、携帯電話越しの発言を受ける。安次富氏は、「今回の菅の訪問は、安倍訪米―日米首脳会談にむけたパフォーマンスである」「辺野古に基地を作らせない、そういう闘いをゲート前でも、海の上でも作り上げたいと思います」「沖縄の怒りをアメリカ政府や安倍に突きつける闘いをこれからもやりぬいていきたい」「沖縄は、日本政府のどんな恫喝にも負けず、闘いを推し進めていきます。この国は、おかしくなっている。そのおかしさを沖縄から突き刺す。この闘いに確実に勝利するためには、みなさんの力添えが必要です。沖縄とヤマトの共同闘争を作りあげていきます。そのことによって安倍政権を打倒することができます」「日本の政策の犠牲には、沖縄はならない。そういう思いで闘います」。安次富氏の発言に、参加者全体が大きく拍手で応えた。
参加者全体で、辺野古の座り込みの現場で歌われる替え歌を唱和した後、「辺野古実」より集約の発言を受け、沖縄現地の闘いと結びつくために、今後の首都圏での取り組みを強化することが明らかにされた。最後に、参加者全体で3度目のシュプレヒコールを防衛省に叩きつけ、この日の取り組みを終えていった。
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