ボーリング調査再開を弾劾
3月16日午後6時半、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」呼びかけの、対防衛省抗議行動が闘われた。3月12日に沖縄防衛局が、海底ボーリング調査の掘削を再開した。キャンプ・シュワブ沿岸に設置されたスパット台船の中央から長い杭を海面に下ろしたのである。掘削は、昨年9月以来約半年ぶりであり、翁長が沖縄「県」知事になってからは初めてである。沖縄防衛局は、陸域と浅場、深場の計21地点で海底ボーリング調査を計画し、昨年8月に着手し、陸域5地点と浅場7地点の計12地点で掘削を終えた後、9月に「台風のため」として中断した。その後、安倍極右政府は、11月の知事選、12月の衆院選への影響を回避するために再開を見送っていた。知事・翁長は、「県の岩礁破砕の許可区域外での作業停止」を指示しているが、沖縄防衛局は、「ボーリング調査は許可区域内」「指示違反に当たらない」と言い放ち、ボーリング調査再開に踏み切ったのである。
ボーリング調査の履行期限は3月末になっているが、政府は作業が長引くことを見越して、再延長の可能性も探っている。沖縄防衛局は、さらに300メートル規模の仮設岸壁の建設作業にも近く着手しようとしている。キャンプ・シュワブ前では闘う沖縄労働者人民が抗議行動を闘い、海上ではカヌー隊が抗議に起ち、海上保安庁と対峙して闘いぬいている。沖縄防衛局との厳しい現場攻防を粘り強く闘いぬく沖縄現地の闘いと結びつく取り組みとして、この日の取り組みが行なわれた。
強雨のなか、まず参加者全体でシュプレヒコールをあげる。「ボーリング調査をやめろ」「辺野古の海を壊すな」「辺野古に基地をつくるな」「高江ヘリパッド建設を許さないぞ」「普天間基地を撤去せよ」。主催者あいさつに起った「辺野古実」の仲間より、ボーリング調査再開に至るまでの一連の経緯が説明される。その中で、「辺野古への米軍新基地建設工事に伴う環境保全措置を協議する」ポーズを取るために沖縄防衛局が設置している「環境監視等委員会」の副委員長を務めていた東清二琉球大学名誉教授が「この監視委員会では環境保全は出来ない。私の意図とはまったくかけ離れている。私の信念として、沖縄の自然を後世に残したい」として委員を辞任する意向を示したことが紹介された。
「中央開発」「大成建設」に抗議行動を
結集する諸団体からの決意表明がなされる。沖縄現地での闘いに参加した仲間からの報告や、今後の首都圏での取り組みが紹介された。このうち「ストップ!
辺野古埋め立てキャンペーン」からは、3月13日に行なったボーリング調査を請け負う「中央開発」の東京本社に対する抗議行動の報告がなされ、機動隊や海上保安庁の暴力に守られながらさらに工事を進めようとする「大成建設」への怒りを表明し、全国での「大成建設」抗議行動を闘う決意が明らかにされた。
沖縄・辺野古現地から、攻防の最先頭に起つ「沖縄・平和運動センター」議長の山城博治氏からの、携帯電話越しの発言を受ける。山城氏は、冒頭「大変お世話になりました。私は元気に現場復帰しているので、これからもよろしくお願いします」と2月22日の不当逮捕を粉砕して新たな闘いに起ち上がっていることを明らかにする。そして、「連日、ボーリング調査に反対する取り組みを行なっています。政府の横暴を断じて許さず、引き続き、力強い行動も含んで取り組んでいきたい」「東京のみなさん。心が折れることなく、引き続いて頑張ってほしいと思います。私達は、追いつめられているのは日本政府の安倍内閣の方であって、力強く、闘いの勝利を確信して、運動を進めております。団結を強めて、頑張っていきましょう」。山城氏の力のこもった発言に対し、拍手が沸き起こった。
防衛省に対する「申し入れ行動」が行なわれる。今回は、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」と「辺野古実」の連名での、「辺野古の海底ボーリング調査再開に対してふるえる怒りを込めて抗議申し入れをする」とする抗議文が防衛省前で読み上げられた。「防衛省よ、沖縄の海は、辺野古の海は鎮魂の場ということを知らないのか。70
年前のあの戦で、戦後は飢えと病気で斃れていった何万という遺骨が未だ眠っている海なのだよ。そこに再び杭を打ち込むのか!」「辺野古のボーリング調査は今すぐ中止せよ!
なんどでも言おう。辺野古のボーリング調査は中止せよ!」。
その後、沖縄現地での座り込みの際にしばしば歌われる「座り込め」を、集会参加者全体で歌い、最後に、「辺野古実」が今後の闘争について提起して、この日の闘いを終えた。
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