解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 3・8内田「死刑」判決51ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争を闘う (1135号3面)

別所沼公園で決起集会

 3月8日正午、5・23闘争実行委員会に結集する仲間たちは、さいたま市別所沼公園に結集し、内田「死刑」判決51ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争の決起集会を開始する。

 冒頭、神奈川の闘う仲間が司会に起ち、開会あいさつの後に全体でシュプレヒコールをあげる。その後、全国部落解放青年同盟からのアピールが司会から代読される。「安倍極右政府は、国家権力頂点からの極悪な反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、反中国―反共・排外主義攻撃を加速させ、戦争熱を煽りたてている」「部落解放運動総体もまた大きな試練を迎えている。安倍政府が部落解放同盟内社民・こえ派などの既成勢力にさらなる屈服を迫り、部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を推し進めてくるのは必至だ。狭山闘争をめぐっても、内田反革命差別「死刑」判決から51ヵ年を迎えている。『三者協議』が21回開かれ、東京高検は『証拠リスト』はしぶしぶ開示したが、物的証拠の存在については居直りを決め込んだままである」「われわれは、無実の部落民=石川一雄氏を支えぬき、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明にして、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で闘いぬかなければならない。東京高裁の再審棄却を許さず、狭山闘争の勝利を何としてもかちとろう」「吹き荒れる差別煽動をぶち破る闘いとして、差別糾弾闘争の復権を何としてもなしきらねばならない。右翼ファシストに対する闘いは、撃滅戦しかありえない。ファシストとの死闘をくぐることなしに、階級闘争の前進はない」「実力・武装の闘いを爆発させ、戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう」。

 全国学生部落解放研究会連合が集会基調を提起する。「1964年3月11日、浦和地裁・内田は、無実の部落民=石川一雄氏に対して、反革命差別『死刑』判決を打ち下ろした。『部落は悪の温床』『部落民ならやりかねない』という予断と偏見に基づき、被差別部落への差別意識をむき出しにし、わずか半年のスピード審理で石川氏に『死刑』判決を強行したのだ。この内田の反革命差別『死刑』判決こそ、石川氏に31年7ヵ月もの獄中監禁生活を強制し、51年たった今日まで石川氏を『見えない手錠』で縛りつづけているのである。内田による反革命差別『死刑』判決を徹底糾弾し、浦和地裁包囲―糾弾闘争を闘いぬこう」「狭山第3次再審闘争は申請から丸9年、『三者協議』からは5年半が経過している。司法権力はこれまでも事実調べも証拠調べもおこなわず、新証拠についてもろくな検討すらせず棄却を強行し、ひたすら狭山闘争の解体を狙ってきた」「東京高裁・河合は、事実調べ一つおこなおうとせず、再審請求棄却の機会を虎視眈々と狙っている」「第3次再審棄却策動を絶対に許してはならない。東京高裁に事実調べを迫り、東京高検に全証拠開示を迫る徹底糾弾の嵐を叩きつけよう。部落解放同盟内社民・こえ派の狭山闘争幕引き策動を突破し、第3次再審闘争に勝利しよう。〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟をより鮮明にし、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう」「戦時下、差別主義・排外主義が激化し、全国で差別事件が激化している。差別落書き、差別ハガキや『土地差別』『就職差別』『身元調査』などの事件は後を絶たない。また、インターネットのサイトでの差別書き込みが悪質化し、『部落地名総鑑』の記載内容がばらまかれるなどの差別煽動がよりあからさまとなっている」「部落解放同盟内社民・こえ派は司法権力を頼りとした『告訴・告発』方針をおしだしているが、すでに限界を露呈している。『告訴・告発』方針の下、差別がなくなるどころか拡大していることが鮮明となっている」「安倍極右政府は、いよいよ朝鮮反革命戦争への突撃を加速していくなかで、部落解放運動解体攻撃を一気に推し進めようとしている。安倍は、差別主義・排外主義を煽るだけ煽り、一挙にファシズムへと急接近しようとしているのだ。激発する差別事件に対しては、戦闘的部落大衆を先頭とする差別糾弾闘争で闘わなければならない」「朝鮮反革命戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争を闘おう。戦争遂行の安倍極右政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。部落差別の根底的廃絶をなしきる部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう」。提起された基調を全体の拍手で確認する。

浦和地裁を包囲―糾弾する戦闘的デモ

 結集した仲間からの決意表明を受ける。東京・山谷日雇労働組合は、「『アベノミクス』を打ち出した安倍政府と資本家どもは、資本家を優遇して労働者からの搾取を強化するために『賃上げ』を語っているにすぎない」「安倍政府は、『労働規制緩和』と称して戦争遂行のための悪法を押しつけようとしている。労働者人民の怒りで安倍政府を打倒しよう」「国土交通省は、2月から労務単価を上げ、公共事業を推し進めている。しかしゼネコンは、末端で働く俺たち日雇い労働者からのピンハネを続けている。『もっとデズラ(賃金)を上げろ!』と訴えていく」「3月30日、日建連を追及し、対厚生労働省の団交を闘い、対日本経団連を弾劾する寄せ場春闘集中行動を闘う」。東京都地域連合労働組合は、「『アベノミクス春闘』が喧伝されているが、賃金は17ヵ月連続で減少している。実質的な賃下げと『非正規雇用』労働者を増やしただけだ。『成長戦略』によって『世界で一番活動しやすい国にする』として、『残業代ゼロ化法』案を成立させ、労働者人民に強搾取と窮乏生活をおしつけようとしている」「安倍政府を打倒する春闘の爆発をかちとろう。3月15日、全国労働組合運動交流会(全労交)の呼びかける、2015年春闘勝利総決起集会に結集しよう」。闘う「障害者」の仲間は、「差別主義・排外主義が一層強まっている。戦争の中で『障害者』が『役にたたないから』と言って殺された歴史を忘れてはいけない。戦時『障害者』抹殺攻撃を粉砕しよう。4月1日、『障害者総合支援法』施行2ヵ年糾弾の闘いに起ち上がろう」。東部朝鮮史研究会は、「安倍政府は、具体的な戦争法案の策定に入っている。あらゆる戦争法案を粉砕し、反革命国会を粉砕しよう」「2ヵ月にわたり米・韓両軍数十万人が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の目と鼻の先で軍事演習『キー・リゾルフ』『フォール・イーグル』を行なっている。まさに戦争挑発そのものだ。韓国で闘う労働者人民とともに、帝国主義の朝鮮反革命戦争突撃を粉砕しよう」「『在特会』をはじめとしたファシストが跳梁を強め、在日朝鮮労働者人民を襲撃している。差別主義・排外主義攻撃を粉砕し、日朝連帯闘争の前進をかちとろう」。全学連は、「部落解放運動の飛躍・前進をかちとる中で、部落出身学生の組織化をかちとる。4月新歓闘争に決起し、あらゆる戦闘的学生を組織化する。必ずや部落の根本的解放をなしきるために、プロレタリア共産主義世界革命の突破口を日帝足下からこじ開けるべく闘いぬく」。決意表明の最後は全国反戦だ。「通常国会では、5月の連休明けにも、戦争遂行のための法案が提出されようとしている。自衛隊海外派兵拡大、野放途な武力行使と対決する革命的反戦闘争を闘おう」「沖縄では、名護新基地建設に対し、闘う沖縄労働者人民を先頭とする実力闘争が闘いぬかれている。安倍政府は、機動隊や海上保安庁を前面に出して弾圧を強化しながら、辺野古沖の埋め立てを強行しようとしている。闘う沖縄労働者人民と固く連帯し、名護新基地建設阻止を闘おう」「『東北・関東大震災』から4年、今なお12万人を超える労働者人民が『避難生活』を強制され、福島第一原発では『汚染水』が漏れ出すなど『福島第一原発事故』は収束していない。にもかかわらず、安倍政府は、川内原発などの原発再稼働、大間原発などの原発新(増)設を推し進めようとしている。反核闘争の爆発をかちとろう」。

 すべての発言が終了した後、閉会のあいさつがなされ、全体でシュプレヒコールを行ない、デモにうってでる。浦和(現さいたま)地裁正門前にさしかかるとデモ隊はただちに地裁に向かってシュプレヒコールをたたきつける。「内田『死刑』判決51ヵ年糾弾!」「浦和地裁を包囲―糾弾するぞ!」「石川氏の怒りを共有して闘うぞ!」「第3次再審棄却を阻止するぞ!」「狭山闘争に勝利するぞ!」。デモ隊は、一丸となって埼玉県警による不当な規制をはねのけ、内田「死刑」判決51ヵ年に対する怒りを叩きつけた。その後、デモ隊は、浦和市街地の中心部を通過し、JR浦和駅西口までのデモを最後までうちぬいた。執拗に「部隊解散」をがなりたてる埼玉県警の規制―妨害をはねのけ、集約提起とシュプレヒコールをやりぬいた。



3・13「浦和地裁『死刑判決』51年糾弾! 狭山第3次再審勝利! 埼玉集会」に決起

 3月13日午後6時半より、さいたま市「ときわ会館」において、「浦和地裁『死刑判決』51年糾弾! 狭山第3次再審勝利・埼玉集会」が開催された。

 午後5時過ぎ、解放派と全国学生部落解放研究会連合の部隊は、「ときわ会館」入り口前で青ヘルメット、ゼッケンに身を固め、横断幕を掲げて情宣を開始する。次々と会場に結集してくる部落大衆に「狭山闘争に勝利しよう」「再審開始をかちとろう」と声をかけ、ビラを手渡していく。JR浦和駅頭での、集会参加を訴える情宣行動を終えて会場にやってきた石川一雄氏にあいさつをし、ビラを手渡した。開始時間直前まで情宣行動をやりぬき、集会へと合流した。

 午後6時30分より司会のあいさつで集会が開始される。

 主催者あいさつを片岡部落解放同盟埼玉県連執行委員長が、連帯あいさつを元埼玉弁護士会会長らが行なう。そして部落解放同盟埼玉県連書記長からの基調報告がなされ、参加者全体の拍手で確認された。

 「狭山事件第3次再審の現状と再審開始に向けた課題」と題した狭山弁護団報告を、河村健夫弁護士が行なう。河村弁護士は、これまでに東京高検によって開示された証拠を狭山弁護団が詳細に分析した結果を報告し、寺尾判決を構成していた「証拠」のうち、「筆跡」「腕時計」「手ぬぐい」などについて「証拠開示により、検察官の主張は崩れた」と言い切った。また、調書の録音テープの分析でも、「殺害方法」をめぐる石川氏の取調室での「自白」と、実際の殺害方法が食い違うことが示された。そして、今後のポイントとして「『証拠リスト』で示された44の未開示の証拠を出させる。さらに警察に眠っている証拠や、調書や、書類を出させなければならない」とし、「今は、比較的再審が認められやすい流れだが、楽観はできない。安倍政府になって、証拠開示問題をめぐる自民党の揺り戻しや、刑事訴訟法改悪をめぐる動きもある。だからこそ、『世論』の力で証拠開示、事実調べの流れを作り、再審開始の扉をこじ開けたい」と、第3次再審棄却策動への警鐘を鳴らし、闘う決意を示した。

 続いて、石川一雄氏のアピールだ。石川氏は、「51年前に『死刑』判決を出した内田武文が生きているかは分からないが、『死刑』判決を出した浦和地裁を『糾弾』、つまり糾さなければならない。無罪判決をかちとらない限り、内田を認めることにしかならない」「まだ52年経っても、勝利のメドがつけられていないのも事実だ。証拠を握っているのは検察官だ。狭山署から埼玉地検、東京高検と証拠が渡る際にリストを作っているはずだ。これらの証拠を開示させる運動を展開すべき」「東京高裁は、『三者協議』を2ヵ月おきにやろう、と言っているようなので、今年中にも結論が出るものと予測している。世論の力で裁判所も動くと思うので、これからもみなさんのご支援をお願いしたい」と、参加者に檄を飛ばした。そして「自責の念 かられて来る 51年 浦和の地裁 断固糾弾」と、内田「死刑」判決51ヵ年糾弾の決意に燃える俳句を披露した。

 石川早智子氏からのアピールに続き、家族からのアピールとして、義姉である石川ウメ子氏からのあいさつがなされる。「(石川一雄氏の兄である、連れ合いの石川六造氏は)足がついてこれず、集会に来られないが、無罪をかちとるまで2人で一生懸命頑張る」「私は、『狭山事件』が起きた1年後に(六造氏と)一緒になったが、一雄さんの面会に行くたびに一雄さんから優しい言葉を掛けられたので、今まで50年も頑張ってくることができたと思う。これからも、みなさん、力を貸してください」と訴えた。

 「狭山事件を考える東部市民の会」が集会決議が読み上げ、全体の拍手で確認される。最後に、石川氏をはじめ集会参加者が立ち上がり、「差別裁判打ち砕こう」が高らかに歌われ、会場全体の「団結ガンバロー」で集会が締めくくられた。

 部落解放同盟内社民・こえ派による狭山闘争幕引きを許さず、〈差別裁判糾弾・階級裁判粉砕・国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にし、全力で闘いぬくことが石川氏の決意に応えることである。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争を爆発させ、5・21不当逮捕52ヵ年糾弾闘争に総決起し、狭山闘争勝利に進撃しよう。