2月17日午後四時半より、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」に結集する有志で組織されている「ストップ! 辺野古埋め立てキャンペーン」主催による、大手ゼネコン・大成建設に対する抗議行動が闘われた。この日の取り組みは、東京本社だけでなく、那覇(沖縄営業所)、福岡(九州支社)、大分(ファクスアクション)を加えた計4ヵ所で行なわれた。
仲間たちは、冷たい小雨の降りしきるなか、大成建設本社のある新宿センタービル前に集合し、横断幕とピンクのジュゴンバルーンを掲げて、大成建設に対して辺野古の新基地建設への参入中止を要求する行動を開始する。代表2人が新宿センタービルの一階ロビーで、大成建設側の窓口担当―総務部に「要請文」を手渡し、辺野古埋め立て工事を中止するよう要求した。「要請文」では、「フロート、ブイを固定化するためと称して2トンから45トンに及ぶコンクリートブロックが大浦湾に投入されています。また、ボーリング調査のための『仮設桟橋』と称して幅25メートル、長さ300メートルに及ぶ突堤が建設されようとしています。これらの工事は貴社が請け負っていると報道されています」「ジュゴンが回遊し、珊瑚が群生する豊かな海が壊されようとしています。コンクリートブロックは、貴重な珊瑚を押しつぶし破壊しています」「社長自ら『自然との調和を大切にしながらより豊かな未来を築くこと、それが私たち、社会共通の願いです』と唱っています。現在行なっている工事は、そうした貴社の基本方針にも反するのではありませんか?」と指摘し、追及した。さらに、代表2人は、沖縄「県」知事・翁長が「ブロック新設中止」の指示を2月16日に出したことにも触れて「沖縄県民に説明する責任があるのではないか」「サンゴを壊しているのは大成建設が掲げている環境方針にも反していると思うが見解を示せ」と迫ったが、総務部の回答は、今回も「お答えする立場にない」の一点張りであった。
要請行動の間、参加者は横断幕を広げ、大成建設社員をはじめとして新宿センタービル前を通行する労働者人民に対するビラまきを行ない、ハンドマイクを使って大成建設への抗議を叩きつけていった。
要請行動から戻った仲間より、要請行動の結果が報告され、その後、新宿センタービル前路上でハンドマイクを使っての、参加団体・個人の発言がなされる。大成建設社長・山内が2010年9月に掲げた「大成建設生物多様性宣言」の文章を取り上げ、「自然環境と共生する街づくりに努め、生物多様性の保全と創出に関する提案を積極的に行ないます」「地域社会とのコミュニケーションを図り、生物多様性の保全活動を積極的に行ないます」などの美辞麗句を並べ立てた上で、実際には沖縄労働者人民の意思を踏みにじり、名護新基地建設による環境破壊を引き起こしている事態を、参加者全体で弾劾した。
最後に、「辺野古実」より、過去にも2006年に大成建設が沖縄・仲井真「県」行政と結託して「識名トンネル追加工事」を虚偽契約し、国から巨額の補助金を騙しとる「不正」を働いていた事例をあげ、大成建設が国家権力や行政との癒着を強めて沖縄労働者人民の闘いを踏みにじろうとしていることへの怒りが表明された。参加者全体でシュプレヒコールをあげる。「大成建設はサンゴを壊すな」「工事を直ちに中止しろ」「大成建設は軍事基地を作るな」。今後も、全国での闘いと結合しながら大成建設抗議行動を継続して闘うことを参加者全体で確認し、この日の取り組みを終了した。
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