杉並区立産業商工会館で集会
2月8日、午後1時30分から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」が主催する「『日の丸・君が代』強制反対! 10・23通達と懲戒処分を撤回せよ!2・8総決起集会」が杉並区立産業商工会館で開催された。この集会には現役・OBの教育労働者をはじめ約140人の労働者人民が参加した。集会賛同に名を連ねた東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合の仲間たちも結集した。
「包囲ネット」の主催者あいさつに続いて、ジャーナリストの斎藤貴男氏が「戦争のできる国家へ 安倍政権の正体」との演題で50分にわたる講演を行なう。
斎藤氏は、イスラム国による「人質事件」に触れながら、日帝資本の海外での企業活動を「防衛」することを「平和」と言いくるめて安倍政府は、「集団的自衛権の行使」「積極的平和主義」を掲げて戦争体制構築を目指そうとしていること、その一環となっているのが「教育改革」であり、「道徳の教科化」などで子どもたちに「愛国心」を植え付けて国家と資本に従順な「労働力」を作り出そうとねらっていること、また権力に対するチェック機能を担うべきジャーナリズムがその役割を果たしておらず、むしろ国家権力に擦り寄って翼賛報道機関に成り下がっていることと、現状を批判した。
休憩をはさんで、後半は、学校現場からの報告が現役の教育労働者からなされる。
義務制(小・中学校)現場からは、多摩地区の教育労働者が、勤務する小学校の現状を報告する。都教委の現場への介入が強化され、教育労働者は自由な意見を述べることもできず、長時間勤務で疲弊していること、また授業をめぐっても、「道徳の教科化」を先取りして文科省・都教委が用意した資料を授業で使用することを強制し、保護者も巻き込んで、道徳の習熟度のチェックが進められていることが報告された。
高校の現場では、校長によるパワーハラスメントが横行し、新規採用の教育労働者がそのターゲットにされ、校長の独断的な評価で、正式採用されずに、自主退職、懲戒免職へと追いやられていることが報告され、その中で新規採用教員の免職取り消しの裁判が闘われ、昨年12月8日、東京地裁で免職処分取り消しの勝利判決をかちとったことが報告された。
闘う教育労働者が次々に決意表明
また、「生徒に不適切メールを送りつけた」として懲戒免職処分を受けた教育労働者が免職処分の撤回を求めて裁判闘争を開始したのだが、この処分はまったくの冤罪で、都教委の処分の理不尽さに、職場の同僚教員が支援に回って裁判を支え、1月21日には東京地裁が「免職を相当とした都教委の判断について十分な疎明はされていない」として懲戒免職処分の執行停止を決定したことも報告された。
そして、「10・23通達」による「君が代」強制に対決して闘っている教育労働者の決意が明らかにされる。
まず、通算7回の不起立処分を受けながら闘っている特別支援学校の田中聡史氏は、都教委によって執拗に繰り返される「再発防止研修」と減給処分の不当性を訴え、「今後も、侵略の象徴である『日の丸』にも『君が代』にも従うわけにはいかない」と力強く決意を明らかにした。
続いて、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の近藤事務局長が、「君が代」処分をめぐって持続的に闘われている裁判闘争の報告をおこない、「10・23通達」撤回をかちとるまで裁判支援に集中することを訴えた。
さらに、都立高校生徒に自衛隊駐屯地で「宿泊防災訓練」をおこなってきた都教委に対して抗議行動に取り組んできた活動報告がなされ、他にも、大阪で吹き荒れる「君が代」強制と処分に対する闘いや、「共謀罪」新設反対運動を担っている団体からの発言が続いた。
「包囲ネット」の仲間が、「2014年度、卒業式のシーズンが近づいてきた。今年も各都立高校の卒業式当日に『君が代』強制反対のビラ配布の行動に取り組もう」と提起する。
集会の最後に、「安倍政権の戦争準備―治安体制強化の暴走を食い止めていこう」「『防災訓練』の名を借りた学徒動員―軍事教練を許すな」「3月〜4月の卒・入学式攻防を闘おう」と気迫のこもった集会宣言を採択した。
安倍極右政府は、「集団的自衛権の行使」容認のためこの春、通常国会で戦争諸立法の成立を狙っている。そして、教育現場では教育労働者の闘いを根絶やしにして「愛国心」と「道徳の教科化」で子どもたちをガンジガラメにして戦争動員のために「忠君愛国」の「少国民」へと染め上げようとしている。「君が代」処分をはねかえし、闘う教育労働者と連帯し、「日の丸」「君が代」強制に対決していこう。安倍極右政府による朝鮮反革命戦争突撃のための教育改革攻撃を粉砕していこう。
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