解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

1・19ヘリパッド建設阻止!高江緊急集会に520人が結集 〈沖縄〉 (1130号5面)

「ヘリパッドいらない住民の会」の伊佐真次氏が開会あいさつ

 1月19日、高江ヘリパッド建設阻止を闘う「ヘリパッドいらない住民の会」主催の緊急集会が高江現地で開催された。この集会は、沖縄防衛局が座り込み闘争を排除し建設を強行しようとする姿勢を強めていることをうけて開催されたものである。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も呼びかけに応え結集した。

 昼過ぎ、集会会場である北部訓練場の「N1ゲート」前に到着する。「N1」は24時間態勢の座り込み闘争の拠点である。すでに多くの参加者が監視テントを中心としてゲート前に座り込み、会場一帯は熱気に包まれていた。「沖縄平和市民連絡会」をはじめ、チャーターバスで中南部からかけつける沖縄労働者人民も続々と結集し、ゲート前はすぐに埋め尽くされた。午後1時、「住民の会」の伊佐真次氏が開会あいさつを行なう。「辺野古も緊迫しているが高江も緊迫している。このテントを排除して、ゲート前に鉄柵を設けようとしている」「防衛局にも交渉に行ったが、『そんな話はない』の一点張り。すでに報道されていることなのに、防衛局は隠している」「高江も皆さんの力が必要だ」と訴える。つづいて「住民の会」とともに闘うメンバーより詳細な報告が行なわれる。氏は、「昨年7月までに『県』道70号線西側にある『N4地区』の2つのヘリパッドが建設されたが、本年度は『県』道の東側で工事しようとしている。この『N1ゲート』から2キロ登った峠に2ヵ所のヘリパッドが建設されようとしている。さらに一キロすすむと『N1裏』と呼んでいる場所にたどりつく。その道は工事用道路として使われようとしている」「昨年7月から『N1』と『N1裏』に監視テントを建てて座り込み、ゲートの出入を止めている。今に至るまで作業は何もできていない」と工事を阻止している状況を説明し、さらに「ゲート前のテントや駐車車両のある路肩部(路側帯)を『米軍専用』に戻そうとしているという報道がされている。そもそも『県』道は米軍への提供区域であったが、1990年に地位協定第二条四項(a)に基づいて『日米共同使用』とされ、『米軍が使用していないところは日本側が使える』となった。路肩部を『米軍専用』にすれば、『刑事特別法』問題が出てくる」「報道によれば、すでに米軍から林野庁へ通知がいっている。林野庁から『県』へ通知がいけば『米軍専用』が成立することになる。防衛局交渉も行なっているが、井上防衛局長は『まだ何も決まっていない』という。林野庁は『防衛局と米軍のことだから何も言えない』という。『県』は『路肩部を県道と切り離す際には立場を話す』としている。もっと強く『県』から言って欲しいと要求しているが現状そうなっていない」「路肩部は『県道ではない』かのようにいわれているが、明らかに『県道の一部』だ。舗装部分だけが『県』道ではない」「もし路肩部が『米軍専用』となれば、警察動員の実力行使か、損害賠償請求の裁判が考えられる」と差し迫る攻撃について詳述し、最後に「『N1地区』のヘリパッドを絶対に造らせない決意だ」と締めくくった。

高江ヘリパッド建設絶対阻止の決意を打ち固める

 24時間態勢の座り込みを担う大宜味村農民もマイクをとる。「北部訓練場は明治時代にむりやり国有地にされた。もともと沖縄の土地だ。それが米軍に提供され、その後『日米共同使用』となったが、またわれわれを排除しようとしている。許せない。北部訓練場を返してもらおうじゃないか」と力強く訴えた。「沖縄平和運動センター」は、「辺野古と高江と一体となって闘う。負の遺産を一つずつ撤去しよう」と訴えた。「高江ヘリパッド反対現地行動連絡会(高江連絡会)」のメンバーは、「昨年7月、高江で運動する人を増やしていこう、凶暴な政府に抗していこうと『連絡会』をたちあげた」「警察庁から直々に『県』警に指示がきているように思う。日本国家が国家利益のために沖縄をどうにかしようとしている。高江も辺野古も同じだ」と怒りを表明した。「沖縄平和市民連絡会」の高里鈴代氏は、「平和市民は毎月ずっと辺野古と高江に車を出し続けている」と報告し、数年にわたる辺野古の激闘を振り返りつつ、「辺野古も高江も止めよう」と訴えた。

 すべての発言が終了し、主催者が「520人が結集している」と報告すると全体から大きな歓声が上がった。ゲートを背に「住民の会」のメンバーらが並び、「団結ガンバロー」で集会はしめくくられた。

 政府―防衛省は、オスプレイの訓練場である全六基のヘリパッド建設に向けて攻撃を強めている。昨年11月末、沖縄防衛局は新たに「G地区」のヘリパッド建設の入札公告に踏み切った。工期は2016年3月末である。「G地区」のヘリパッドは、宇嘉川河口の訓練水域と「歩行ルート」で結ばれるもので、上陸―行軍―撤収という実戦訓練を強行するために新設されようとしているのである。「G地区」への踏み込みについて、住民らは「手つかずの森が残っていること」「工事が強行されれば集落内を多数の車両が往来すること」などを指摘し、反対を強めている。

 米軍のやりたい放題の訓練も激化している。高江周辺での夜間のヘリ飛行訓練は頻度を増している。オスプレイもたびたび飛来し、トンブロックのつりさげ訓練などを強行する姿が目撃されている。「N4」に新設されたヘリパッドは、まだ日帝側から米軍へ提供されていないにもかかわらず、ヘリの離着陸訓練がたびたび強行されている。さらに1月13日には、武装米兵が「県」道を行軍した。1996年の「沖縄に関する日米特別行動委員会」(SACO)最終報告では「公道における行軍は既に取り止められている」と明記されているが、まったくお構いなしである。

 われわれは沖縄の軍事拠点化を打ち破る反戦・反基地闘争の飛躍を切り拓くため奮闘する。高江ヘリパッド建設阻止を闘う。名護新基地建設を実力阻止する。