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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

12・10大間原発建設阻止現地闘争に決起 (1127号26面)

大間現地でのデモを闘いぬく

 12月10日、「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」と全国反戦の下に結集する青ヘル部隊は、青森県大間町で建設中の電源開発(Jパワー)・大間原発建設阻止の現地闘争に起ち上がった。2013年の5月6日と8月3日、2014年の3月25日と8月2日の計4度にわたって大間現地に実力闘争部隊を登場させて闘いぬいた地平を拡大し、日帝の核武装を粉砕すべく、5度目の大間現地闘争を最後まで闘い抜いたのだ。

 午前9時40分、建設中の大間原発を一望する岸壁に、旗竿を手にする青ヘル部隊が布陣すると、大間原発に向かってシュプレヒコールを叩きつける。「大間原発の建設を阻止するぞ」「原発新設を阻止するぞ」「日帝の核武装を阻止するぞ」。その後、即座にデモ出発地点まで移動し、午前9時50分までに部隊の隊列を整える。そしてデモに先立ち、全国反戦が基調的提起を行なう。「安倍極右政府による昨年7月8日の原発『新規制基準』施行から1年半になろうとしている。この間、電力資本が再稼働にむけた『安全審査』を申請した原発は、実に10社13原発20基を数える。まるで『福島第一原発事故』なぞ最初から存在していないかのごときである」「大間原発をめぐっては、運営会社のJパワーは、これまで原子炉などの工事を先送りしてきたが、ついに年内にも『安全審査』申請に踏み切ろうとしている。いよいよ原子炉の建設に入ろうとしているのだ」「原発再稼働を推進する安倍極右政府の原子力政策の狙いは、核武装に向けた技術の蓄積と材料の確保である。そのために原発を再稼働し、『核燃料サイクル』計画を強引に推し進めているのだ。原発の再稼働を阻止し、『核燃料サイクル』計画を粉砕し、核武装に向けた日帝の原子力政策を粉砕しなければならない。大間現地に決起し、大間原発建設を阻止する実力闘争の爆発をかちとろう」「労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即時に停止―廃止しなければならない。核武装のための原子力政策はただちに葬り去らねばならない。大間原発建設阻止の現地実力闘争に決起せよ。六ヶ所再処理工場の本格操業を阻止し、『核燃料サイクル』計画を粉砕せよ。原発再稼働・新(増)設を阻止し、全ての原発の即時廃止をかちとれ。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとれ」。提起された基調は、参加者全体からの拍手で確認された。

 午前10時、いよいよ大間原発の工事車両入口ゲートに実力進撃するデモが開始される。建ち並ぶ日立や東芝の現場事務所に対して旗竿を突き上げ、シュプレヒコールを叩きつける。完全装備の機動隊による執拗な規制を跳ね返し、デモ隊は工事車両入口ゲートに向け進撃する。バリケードで封鎖されているゲート前に陣取り、横断幕を広げ、シュプレヒコールを叩きつける。「大間原発建設を阻止するぞ」「全国の原発廃止をかちとるぞ」「原発労働者はストライキで闘おう」「実力闘争・武装闘争で闘うぞ」。

大間原発建設を阻止せよ

 思う存分シュプレヒコールを叩きつけたデモ隊は、ゲート脇の空き地に移動する。総括集会では、「『有事法制』に反対する宮城県実行委員」の呼びかけ人である日本キリスト教改革派亘理教会牧師・林茂雄氏からの発言を受ける。「アメリカの原爆投下を許さないのと同じように、日本国内で、原爆同様の被害をもたらす原発建設を、断じて許してはなりません。日本から、世界から、原発をなくすようにしなければならない」「原発は、半減期2万年ものプルトニウムを作り出している。命が脅かされているのであり、命を守らなければならない。あなたたちがもっと過激に、頑張っていかなければならない」「原発の中で働いているみなさんも、内部から原発をやめるように、努力していかなければならない」。参加者全体で大間原発建設を阻止する現地闘争をさらに闘っていく決意をうち固めた後、大間原発に向かって再度シュプレヒコールを叩きつけて、この日の現地闘争を終えていった。

 「福島第一原発事故」は、未だ「収束」の見通しが立たない。「福島第一原発事故」の現場では、「事故収束」どころか、日々生み出される「汚染水」の処理も満足にできない状況にある。東京電力は「汚染水対策」の「切り札」として「凍土壁」建設を打ち出し、6月に工事を本格化させたものの、結局まともに凍結させることすらできていない。その上で東京電力は、今度は、トレンチ(配管などが通る地下トンネル)にたまっている約5000トンもの「汚染水」の抜き取りが難航している箇所に、「汚染水」がたまった状態のまま特殊なコンクリートを流し込んでトレンチを埋めることを打ち出した。しかし、この技法にも疑問が出ているのも確かである。その上で、放射能汚染にまみれる中での過酷な労働を、原発労働者にさらに強制しようとしているのである。安倍の言い放った「汚染水はコントロールされている」なるデマは次々に事実をもって暴かれている。

 福島第一原発からの使用済み燃料棒取り出し作業も、4号機プールからの取り出しはようやく年内終了のメドがついたが、今後、より困難を極める、1号機〜3号機からの燃料棒取り出しの成否の見通しはまったく立っていない。

原発再稼働・新(増)設絶対阻止

 しかし安倍極右政府は、それでも原発再稼働・新(増)設に踏みきろうとしている。安倍政府は、原子力発電を「季節や時間帯にかかわらず電気を供給する『重要なベースロード電源』」なぞと位置づけた新「エネルギー基本計画」を閣議決定し、原発再稼働・新(増)設の意図を鮮明にした。そして、原発再稼働の第一弾として、まずは九州電力川内原発1、2号機の再稼働をもくろんでおり、鹿児島県と薩摩川内市のみの「合意」をもって「地元の合意を得た」なぞと言いなしながら、2015年2月にも、いよいよ再稼働に踏み切ろうとしている。運転開始から40年を迎え、「廃炉」が必至となっている原発についても、12月1日に関西電力が「特別点検」を行なうことで、最長20年もの運転延長を画策している。

 こうした原発再稼働・新(増)設への広範な怒りが、噴出している。大間原発をめぐっても、津軽海峡対岸の函館市による東京地裁での建設中止を求める訴訟が進むなど、地元住民の広範な怒りが拡大しているのだ。

 そんななか、Jパワーは11月13日、「安全審査」を2014年内に「原子力規制委員会」に申請する方針を明らかにした。「2020年12月完成、2021年度の運転開始」を明言したのだ。Jパワーは、「地震・津波対策の強化」を掲げた新たな「安全強化対策」なるものを打ち出し、地震の揺れの想定値である基準地震動を現在の450ガルから650ガルに引き上げ、想定津波高も4・4メートルから6・3メートルに引き上げている。しかし、2011年の「東北・関東大震災」では10メートルを超える津波が福島第一原発を襲っているのであり、この期に及んで「6・3メートル」なぞとほざく時点で、馬脚を現しているのだ。その上、使用するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料自体が危険極まりないものであるばかりか、使用済みMOX燃料の廃棄方法も未だ決まらず、最終処分場も確定していないのである。

 青森県六ヶ所村の「使用済み核燃料再処理工場」をめぐっても、「原子力規制委員会」による「審査」が進まず、事業主の日本原燃が打ち出していた「再処理工場」の10月完成は既に破綻している。「再処理工場」施設の周辺での「出戸西方断層」などの巨大断層や十和田火山の存在が再三指摘されており、立地場所自体が地震や火山噴火の直撃を受けかねない、危険極まりないものである。この指摘に対し、日本原燃は11月21日に「原子力規制委員会」に、「これまでの評価を変える必要はない」と傲然と居直る報告書を恥ずかしげもなく提出している。この報告書に基づき、「原子力規制委員会」が12月1日〜12月2日に現地調査を行なっている。

 大間原発も六ヶ所再処理工場も「大事故」が起これば「福島第一原発事故」とは比べ物にならない甚大な被害を及ぼす。このことを百も承知で安倍政府は、「核燃料サイクル」計画を推進し、大間原発の建設を強行しているのだ。

 核武装のために、労働者人民を危険にさらし、原発労働者に過酷な労働を強制しようとする安倍政府のやり口を許すことはできない。大間現地闘争のさらなる爆発をかちとり、原発再稼働・新(増)設を阻止しよう。六ヶ所村の再処理工場運転開始を阻止し、「核燃料サイクル」計画を阻止しよう。全ての原発の即時廃止をかちとれ。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとれ。戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう。