東京・山谷日雇労働組合第16回定期大会
〈11月24日〉
全国寄せ場と支援からの連帯メッセージ
東京・山谷日雇労働組合は、11月24日、午後1時から、台東区清川区民館において第16回定期大会を開催した。
東京・山日労の大会には全国で闘う日雇い・野宿の仲間、労働組合からの連帯メッセージが寄せられた。福岡・築港日雇労働組合からは、「おれたちも、今月28日に組合大会をかちとる。越年・越冬闘争をやりぬき、さらなる反戦・反失業の闘いを推し進めていく」「来年は、福岡市や国だけでなく、福岡県に対する『仕事よこせ』の闘いを強め、何としても仕事をかちとっていく決意だ」。沖縄・首里日雇労働組合からは、「いま沖縄は辺野古闘争が重要な局面を迎えています。安倍政府は、われわれの声を一蹴し、知事選のわずか3日後に海上埋め立てに向けて工事を再開しました。われわれは、現場にかけつけ、仲間たちとスクラムを組み権力との肉弾戦を闘いぬいています」。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「大阪・釜ヶ崎では、『維新の党』の市長・橋下が労働者の闘う拠点である『あいりん労働センター』の『縮小・移転』攻撃をかけてきています」「われわれは、労働者の闘う拠点破壊攻撃を許さない。寄せ場・日雇い労働運動の解体攻撃を許さない闘いの大爆発を準備しています」。
そして、山谷・金曜朝行動、夏祭り、越冬闘争などを支援として担ってきた仲間たちからの連帯メッセージが紹介される。東京都地域連合労働組合の仲間は、「仕事がますます減っていくなかで、食うや食わずで野宿生活を強いられながらも、生きてやり返す情熱を緩めることなく、闘ってこられている山谷日雇労働者のみなさんに敬意を表します」。神奈川県地域連合労働組合からは、「貴労組にもご支援いただき取り組んできたサントリー・SPS争議ですが、我が労組の委員長でもある争議当該の脱落―逃亡によって敗北する結果となってしまいました」「厳しい総括のうえにたって、今後の闘いを推し進めていくことを明らかにします」。
執行部が議案提案
東京・山日労執行部が、議案書を読み上げ、議案の提起をおこなう。
最初は総括だ。「朝の机出し―労働相談活動を軸に、労働者から『(日雇手帳、利用者カードを)作りたい、断られた』などの苦情を受付け、仕事紹介からの締め出しを許さず山谷労働者の就労の権利を守ってきた」「全国寄せ場交流会として3月31日、対厚生労働省団交、対日本経団連・日建連追及―弾劾行動を闘った」「東京都産業労働局に対して『仕事よこせ』の交渉をもち、特別就労の仕事の削減を追及、緊急雇用対策の仕事出しの復活を要求してきた。昨年10月から導入された『継続就労支援事業』を特別就労の予算を削らずに、独自の財源でするよう要求した。また城北労働・福祉センターの運営・設備改善などを求めて追及した」「9月から閉鎖された代々木公園の清掃仕事の早期の再開、そして増員を要求して、産業労働局に対して質問状を送り、追及してきた」「毎週土曜日の山谷地区、浅草地区での人民パトロールに取り組み、野宿労働者への排除・追い出しを許さない闘いを進めてきた」「1月12日『佐藤さん虐殺29ヵ年、山岡さん虐殺28ヵ年弾劾!金町一家解体!日雇い労働者全国総決起集会』を呼びかけ、全国寄せ場交流会の先頭で闘いぬいた」「首切り・リストラ攻撃と対決する闘う『非正規雇用』労働者や『日の丸』『君が代』の強制―処分攻撃と対決して闘う教育労働者と連帯する闘いに取り組んできた」「狭山闘争、宇都宮病院糾弾闘争、日朝連帯集会などに起ち上がり、6・15安保粉砕・政府打倒全国統一行動、10・19反帝―国際連帯全国統一行動を全国寄せ場交流会の一員として呼びかけ、反戦闘争、安倍極右政府を倒す闘いに決起してきた」。
そして、情勢に続いて方針が提起された。方針では、「寄せ場労働者切り捨てを許さず、机出し―労働相談を起点に反撃をしていこう」「野宿労働者への排撃・襲撃を許さず、防衛―反撃し、野宿の原因となっている失業をなくすため『仕事よこせ』の闘いと結合して闘っていこう」「佐藤さん、山岡さん虐殺に対する天皇主義右翼ファシスト金町一家への報復―解体戦をやりとげよう。毎週金曜日の朝行動を強化・拡大し、反天皇闘争の拠点として、山谷―寄せ場を打ち固めていこう」「大阪・釜ヶ崎では、『あいりん労働センター』の『縮小・移転』攻撃がかけられている。日雇い労働運動の拠点である『センター』の解体を絶対に許してはならない。釜ヶ崎への攻撃を許してしまえば、その結果は、いずれ東京・山谷をはじめ全国の寄せ場へと波及していくのだ。山谷でも、2020年東京オリンピック開催に向けた、都行政、権力や旅館組合・商店街などの利権もからんで地域ボスなどが山谷つぶしに打って出てくる可能性はこれからドンドン高まっていく。『反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会』の仲間と連帯し、『西成特区構想』『センター縮小・移転計画』を粉砕していこう」「2014―2015年山谷越年・越冬闘争をやりぬこう」「賃下げ、アブレの押し付けを許さず、2015年寄せ場春闘を闘おう」「首切り・リストラと対決する労働者、『非正規雇用』労働者の闘いと連帯し、『労働者派遣法』の撤廃を目指そう」「部落差別、『障害者』差別、民族差別を許さない闘いを前進させていこう」「朝鮮反革命戦争と改憲、核武装に突撃する安倍極右政府をおれたち労働者人民の実力決起でうちたおそう」。
新執行体制を確立
大会参加者からの質疑応答に入る。参加した仲間からは、「アブレのためにその日の食事にも事欠く仲間がいる。キリスト教系やボランティア団体なども炊き出しを行なっているが、日雇い労働者の団結を鍛えていくためにも、東京・山日労として定期的な炊き出しに取り組んでいこう」「今日の午前中にその炊き出しをやってきたが、炊き出しに参加した仲間も東京・山日労の組合活動に関心を寄せて、午後の組合大会に注目している」「2014―2015年山谷越年・越冬闘争の締めくくりとなる対都庁行動では、舛添の責任を追及して、おれたちの怒りを爆発させよう」などの意見が出された。
続いて、執行部からの会計報告、執行部新人事が提案され、議案も含めての一括採択がなされた。大会参加者の全員の賛成でこれらの執行部提案は承認された。
選出された新執行部が「『反戦・仕事よこせ』の闘いを軸に今後1年間を山谷の仲間の先頭に起って闘いぬく。東京・山日労をいっそう強化していこう」と決意を明らかにし、山谷・玉姫での2014―2015年越年・越冬闘争をはじめとした行動方針を提起した。また、「集団的自衛権」関連法、労働法制改悪などの悪法の数々が安倍政府に追従する翼賛国会の場で強行されようとしている中、これら戦争政策と労働者の生活破壊に対決していくために闘っていくことも提起した。
最後に、副委員長に就任した仲間が音頭をとって、参加者全員の力強い「ガンバロウ」三唱で定期大会をしめくくった。
東京・山日労の定期大会は圧倒的に成功した。この成功もテコとして山谷の日雇い・野宿労働者の団結をいっそう打ち固め、「1人の野たれ死にも許すな」「生きてやり返そう」の山谷越年・越冬闘争へと突き進もう。
福岡・築港日雇労働組合第16回定期大会
〈11月28日〉
全国寄せ場からのメッセージ
11月28日、福岡市博多区内の会場には、正午の開場前から組合員たちが集まっている。約60人の組合員の結集で講堂が埋められた。まずは、福岡・築港日雇労働組合(福日労)が用意した昼食で腹ごしらえだ。
12時30分、開会が宣言され、シュプレヒコールで第16回定期大会が開始される。「組合大会の成功をかちとるぞ」、「仕事をかちとるぞ」、「福日労は闘うぞ」という仲間たちの声が、会場全体に響き渡る。
まずは、寄せられたメッセージの代読だ。東京・山谷日雇労働組合からは、「おれたちは、2014―2015年越年・越冬闘争を闘い、『黙って野たれ死ぬな』、『生きてやり返せ』を実践していく。いまだ山谷に巣食う労働者の敵=国粋会金町一家解体戦を絶対にやり遂げる」という決意、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「釜ヶ崎では、『維新の党』の市長・橋下が、労働者の闘う拠点である『あいりん労働センター』の『縮小・移転』攻撃をかけてきている。橋下は、『老朽化―耐震問題』があると理由をつけて、センターの敷地を民間に売り飛ばそうとしている。われわれは、寄せ場・日雇い労働運動の解体攻撃を許さない闘いの大爆発を準備している。共に闘おう」という決意と呼びかけが寄せられた。沖縄・首里日雇労働組合からは、「いま、沖縄は辺野古闘争が重要な局面を迎えている。安倍政府は、『県』知事選挙からわずか3日後に海上埋め立てに向けて工事を再開した。われわれは、現場にかけつけ、仲間たちとスクラムを組み権力と闘いぬいている。団結をうち固めともに闘おう。必ずやわれわれの手で安倍政府を打倒しよう」という報告と提起だ。すべてのメッセージに、熱い拍手が送られた。
執行部が大会の議案を提起
執行部から、議案の提起が行なわれる。
まずは、「われわれをとりまく情勢」だ。国際情勢に続いて国内情勢が提起される。議案は、安倍政府が打って出た衆院解散―総選挙について、「『消費増税の先送り』で争点をごまかした上で、裏では『集団的自衛権行使』や『共謀罪』などの戦争法、治安法を強行し、労働法制を改悪し、さらに改憲まで強行しようとしている。こうした強権政治をやるために『長期政権』を作ろうというのが、その狙いだ」と提起し、さらに「アベノミクスが労働者人民に生活苦と労働苦をもたらしている」ことを明らかにした。福岡の日雇い・野宿の労働者をとりまく状況として、「築港に仕事はなく、寄せ場に立つ労働者の数もほんのわずかであり、急激に仕事が減っている。福岡市は、仲間たちの唯一の現金収入源とも言えるアルミ缶の回収を、『条例』で禁止し、『罰金』で取り締まる政策に入った。『アベノミクス』の『国家戦略特区』の『創業・雇用創出特区』に選ばれたことで、全国に先がけて『解雇自由化』の国策を推し進めようとしている。断じて許すことはできない」と提起した。
「1年間の闘いの総括」では、「われわれは『仕事よこせ』と『反戦』の闘いを軸に、1年間の活動を続けてきた」という全般的な報告の上で、「仕事よこせの闘い」、「労働相談―労働争議」、「野垂れ死に攻撃に反撃する闘い」、「全国の闘う労働者との連帯」、「反戦の闘い」、「反原発の闘い」、「差別との闘い」、「弾圧との闘い」の8項目の総括が提起された。
最後に、「われわれの闘いの方針」では、「資本―業者に対する闘いをやりぬこう」、「仕事よこせの闘いを強めよう」、「野垂れ死に攻撃を打ち砕こう」、「組合つぶしの弾圧と闘おう」、「ニセ『福日労』=ゴロツキ組合をぶっつぶそう」、「越年・越冬闘争を大成功させよう」、「反戦の闘いを前進させよう」という7項目にわたる方針が提起された。「仕事よこせの闘いを強めよう」の項目では、「福岡労働局、福岡県、福岡市に対して、『公的就労対策事業』の実施を求め、行動を強めよう。とりわけ来年は、福岡県に対する取り組みを強化しよう」。「反戦の闘いを前進させよう」の項目では、「朝鮮反革命戦争の開戦時には出撃拠点になる九州における闘いが決定的に重要だ。築城、佐世保、日出生台での闘いを強めよう。川内原発の再稼働阻止に向けて、全力で起ち上がろう」。
闘う新たな執行体制を確立
会計報告、質疑応答と続いて、新執行部人事案が提起され、議案、会計報告、新執行体制が採択され、圧倒的に承認された。新執行部を代表して、書記長に選出された仲間が就任あいさつに起つ。「『1人はみんなのために、みんなは1人のために』をモットーに、福日労はがんばっていきたい。『反戦』『仕事よこせ』の闘いを、みんなで力を合わせてやりぬいていこう。新執行部は、みなさんの先頭で闘いぬく」というあいさつに、盛大な拍手が応える。インターナショナルの斉唱とシュプレヒコールに続き、新副委員長の音頭で、「団結ガンバロー」が行なわれ、第16回組合大会は成功裏に幕を閉じた。
さらに大会終了後には、休憩をはさんで、越年・越冬闘争実行委員会の第1回会議も開かれた。2014―2015年の越年・越冬闘争の基調と、実行委員会の正式結成が全体で確認された。仲間たちからは、様々な内容の活発な意見が出された。和気あいあいとした雰囲気のなかにも、これから厳しい冬に向かうという緊張感が漂い、「1人の野垂れ死にも許さない」、「失業と厳寒に負けない」という意気込みのもとに、真剣な話し合いが行なわれ、「越年・越冬闘争をやりぬくぞ」という熱いシュプレヒコールで、会議は締めくくられた。
第16回組合大会の成功、越年・越冬闘争実行委員会の結成を受けて、福日労は、越年・越冬闘争の勝利、2015年の「反戦・仕事よこせ」の闘いに進撃する決意と体制を強固にうち固めた。
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