11月7日、福岡県反戦は、福岡・築港日雇労働組合(福日労)の労働者たちとともに、翌日から強行されようとしている日米共同統合実動演習「キーン・ソード15(26FTX)」を暴露・弾劾し、粉砕を呼びかける街頭情宣に起ち上がった。
2年に1度のペースで行なわれてきたこの演習は、自衛隊から陸・海・空三自衛隊の兵員3万人、艦艇25隻、航空機260機、米軍から第七艦隊や太平洋空軍、沖縄の第三海兵機動展開部隊など1万人、総勢4万人余が参加する大規模実動演習だ。そのメインは、奄美大島の南、江仁屋離島(瀬戸内町)での強襲上陸訓練であり、その主軸を担うのが「西部方面普通科連隊」(長崎県佐世保市)だ。「西部方面普通科連隊」は、新設が狙われる「水陸機動団」、すなわち日帝版海兵隊の中核となる敵前上陸・強襲作戦の専門部隊だ。まさに今回の演習は、新設に先行した「水陸機動団」の事実上の始動―実戦訓練にほかならない。さらに今回の演習には、韓国軍とオーストラリア軍がオブザーバーで参加する。「集団的自衛権の行使」を狙う安倍政府のもとで、「キーン・ソード」は、これを先取りする演習となっているのだ。こんなものを許すわけにはいかない。
11月7日正午、福岡随一の繁華街である天神・パルコ前に登場した青ヘル部隊は、「朝鮮反革命戦争を準備するための殺戮演習を粉砕しよう」、「朝鮮半島での強襲上陸作戦を狙う『水陸機動団』の新設を阻止しよう」、「革命軍は、沖縄・名護新基地建設の海底ボーリング調査会社に対して、革命的迫撃弾攻撃を敢行した。このような闘いが必要だ。実力・武装の革命的反戦闘争を爆発させよう」、「安倍政府は日本を『海外で戦争のできる国』に造りかえようとしている。黙っていたら戦争とファシズムの時代の再来だ。安倍政府を全力で打倒しよう」と熱烈に訴えた。次々にビラがまかれていく。青ヘル部隊は、行き交う労働者人民の熱い注目と共感を集めつつ、権力、ファシストの敵対を一切許さず、情宣戦を貫徹していった。
11・7日米共同統合実動演習粉砕闘争に決起 〈沖縄〉
演習阻止の情宣戦に決起
11月7日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、日米共同統合実動演習粉砕闘争に決起した。翌8日から強行されようとしている日米共同統合実動演習「キーン・ソード15(26FTX)」を阻止する闘いだ。呼びかけに応えた沖縄・首里日雇労働組合もともに結集し闘いぬいた。
正午、部隊はパレットくもじ前に登場し、ただちにビラ撒きを開始する。同時にアジテーションも行なわれる。「明日8日より日米共同統合実動演習『キーン・ソード』が強行されようとしている。日・米共同で戦争をやるための軍事演習だ。『集団的自衛権の行使』の先取りだ。『戦争のための軍事訓練は沖縄でもどこでも許さない』と声をあげよう」、「奄美で強襲上陸訓練が実施されようとしている。朝鮮反革命戦争をみすえた実戦訓練だ。日・米共同の戦争突撃を粉砕しよう」。この日は修学旅行の高校生が目立った。その目線に合わせて、より丁寧な訴えを行なう。「みなさんの住んでいる地域にも軍事基地があるかもしれない。そうであれば在沖米軍が頻繁に行って軍事演習をやってないかどうか調べて欲しい。戦争準備を通してみなさんと沖縄がつながっているかもしれない。もしみなさんの住んでいる地域に軍事基地がないとしたら、なぜ沖縄にこれだけの基地が集中しているか考えて欲しい」。11・16知事選の真っ只中でもあり、各政党が宣伝カーを走らせる。すると自民党の宣伝カーが向かいの「県民広場」につけて演説を始めるではないか。同志たちは仲井真への怒りを叩きつける。「仲井真の『埋立承認』は断じて許せない。何が『いい正月を迎えられる』だ。知事から引きずり降ろそう」、「自民党『県』連の島尻安伊子は自らすすんで反対運動への弾圧を要請した。度し難い。自民党『県』連を絶対に許さない」、「沖縄防衛局は『事実上の埋立着工』として辺野古崎に仮設桟橋を建設しようとしている。闘いの飛躍が問われている。辺野古へのさらなる結集、決戦的攻防を担う組織の建設、弾圧に怯まず実力闘争の爆発を実現すること。総力決起し、辺野古闘争に勝利しよう」。さらに公表された革命軍の「軍報」を読み上げ、「ボーリング調査会社に対する革命軍の10・20迫撃弾攻撃を断固支持する。議会主義や市民主義を突破した闘いが必要だ。あらゆる手段を駆使して埋め立て工事着工を阻止しよう」。
道行く市民が注目するなか、権力・ファシストの敵対・介入を封殺し、約1時間の情宣闘争を闘いぬいた。
11月8日、日米共同統合実動演習「キーン・ソード」が開始された。自衛隊から陸・海・空三自衛隊の兵員3万人、艦艇25隻、航空機260機が参加し、米軍からは空母を主力艦とする第七艦隊戦闘部隊や在沖海兵隊など、計1万人が参加する総勢4万人の大規模軍事演習である。
日米共同統合演習を粉砕しよう
今回の演習の第一の特徴点は、奄美大島の南側に位置する無人島である江仁屋離島(瀬戸内町)を舞台として「水陸両用作戦」が実施されることだ。これは「武力攻撃事態における島嶼侵攻対処」を掲げる統合演習の最大の眼目である。奄美に地対艦ミサイルや地対空ミサイルを配置して周辺一帯を掌握しつつ、無人島を敵軍に占領された地点と見立てて「西部方面普通科連隊」が強襲上陸し、制圧するというものだ。今年5月にも同様の訓練が実施されている。奄美での相次ぐ軍事訓練の強行は、2018年までに警備部隊や地対艦ミサイル部隊および地対空ミサイル部隊を配備するための地ならしの意味もある。日・米両軍は「水陸両用作戦」のほか、九州東側で海自・護衛艦が空母艦隊を護衛する「海上作戦」を実施し、小松基地(石川県)を拠点とする「航空作戦」では三沢基地所属のF16戦闘機と小松基地や百里基地に所属するF15およびF4が戦闘訓練を実施する。それぞれ別の地域で行なわれるが、「有事」の際には陸・海・空一体の共同作戦として展開されるのだ。
第二の特徴点は、「キーン・ソード」とひとつのものとして10月末から陸上自衛隊が九州以南で大規模な軍事演習を強行することだ。北部方面隊は、兵員1000人、車両300両を北海道から九州まで移動させる協同転地演習を実施する。東北方面隊も協同転地演習を実施し、奄美や空自・福江島分屯基地(長崎県五島市)に地対艦ミサイルや地対空ミサイルを持ち込む。これらを網羅するかたちで、西部方面隊と「中央即応集団」は国内最大規模の実動演習(鎮西26)を実施する。10月末からの約1ヵ月間、九州以南は軍事演習一色に染め上げられるのだ。
第三の特徴点は、オブザーバーではあれ韓国軍とオーストラリア軍が参加することだ。オーストラリア軍は初参加である。韓国軍は2010年より参加しているが、日米共同統合実動演習は着実に日・米・韓の共同演習へと性格を変えようとしている。枠組みの拡大は、中国軍の動向を封じ込めつつ朝鮮反革命戦争を思う存分やるために臨戦態勢を実戦的に構築するためだ。
われわれは、「集団的自衛権の行使」の先取りに他ならない日米共同統合実動演習を阻止する闘いに決起した。この地平を引き継ぎ、沖縄の反戦・反基地闘争の飛躍を切り拓く決意である。安保粉砕・日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体の旗幟を鮮明に打ち出し、沖縄―日本「本土」貫く共同闘争を強化し、反軍・反基地闘争の前進をかちとろう。反中国・反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)―反共・排外主義煽動をまき散らす反共・右翼ファシストを撃滅しよう。
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