北富士演習場へ戦闘的デモ
11月4日、反戦・全学連の部隊は、在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習粉砕の北富士現地闘争に決起した。
当日午前中から、自衛隊関係車両がしきりに高速道路や山中湖周辺を行き来していた。実弾砲撃移転演習とあわせ、自衛隊が活発に動き回っているのだ。そして、在沖米海兵隊の放つ榴弾砲が何度も富士山麓を直撃する重低音が、山中湖畔に響きわたっていた。米軍・自衛隊による演習の激化への怒りを新たにする。
正午、反戦・全学連の部隊は、国道138号線沿いの山中湖畔に結集して隊列を整える。そして、実弾砲撃移転演習が行なわれている北富士演習場へのデモ出発に先立ち、全学連の同志が基調的提起を行なう。「在沖米海兵隊は、11月2日より実弾砲撃移転演習を開始している」「米海兵隊は、中東反革命戦争の拡大・激化や朝鮮反革命戦争遂行をみすえた、より激しい実戦訓練を強行しようとしている」「北富士現地闘争の爆発をかちとり、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう」「北富士演習場を解体し、自衛隊・米軍を解体しよう」との基調的提起を受けた反戦・全学連の部隊は、ただちに北富士演習場へのデモにうってでた。
旗竿を手にした反戦・全学連の部隊は、国道138号線を北富士演習場方向に進んでいく。デモ隊は、道行く労働者人民や地域住民の注目を集める。反戦・全学連の部隊は、意気揚々とデモを続け、北富士演習場ゲート前に到着する。ゲートには「射撃中」の電光掲示がなされ、閉じられたままのゲートの向こう側には私服刑事と自衛隊の警護隊が陣取り、われわれと対峙している。その後方には「訓練中 立ち入り禁止」の看板が掲げられている。敷地内の奥では、実弾砲撃移転演習のための車両が盛んに行き来していた。反戦・全学連の部隊は、北富士演習場に向けて「米海兵隊の実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「北富士演習場を解体するぞ」「米軍・自衛隊を解体するぞ」と怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。こうして反戦・全学連の部隊は、権力の弾圧を一切ゆるさず、北富士現地闘争を最後までやりぬいた。
10月14日、日帝・防衛省は、北富士演習場における実弾砲撃移転演習について、11月2日から11月13日までのうちの10日間の実施を発表した。具体的には、まず10月下旬に在沖米海兵隊の訓練部隊が静岡県御殿場市のキャンプ富士に到着。そして、北富士演習場に入り、野営をしながらの訓練を開始。砲撃訓練の後、11月下旬に、訓練部隊がキャンプ富士から撤収して沖縄へ向かう、とするものである。今回の訓練部隊の人員と砲数等は、大隊レベルの約430人、約100両の車両を動員、発射する砲数は12門、としており、演習では155ミリ榴弾砲や小火器等を使用するとうちだしている。
実弾砲撃移転演習を粉砕せよ
米海兵隊による実弾砲撃移転演習は、沖縄での「県」道104号越え実弾砲撃訓練の日本「本土」分散を名目として1997年から開始されたものであるが、北富士演習場で実施されるのは2014年1月以来であり、今回で13回目となる。
在沖米海兵隊は、アフガニスタンやイラク、シリアでの軍事展開、さらに策動される対イラン反革命戦争への出撃も見据え、中東労働者人民の虐殺を想定した訓練を、実弾砲撃移転演習においておこなおうとしている。朝鮮反革命戦争を見据えたものであることは言うまでもない。それゆえ、演習規模や内容は、より実戦を想定した激しい訓練となっている。在沖米海兵隊は、実弾砲撃移転演習における白リン弾の使用を公言している。白リン弾は、「火災事故」を引き起こす元凶であり、また人体へのダメージの大きい危険な兵器である。演習に使用することで環境汚染が進むことも指摘されている。この白リン弾は、イスラエル軍が今年7月8日〜8月26日に強行した大規模空爆においても使用され、パレスチナ労働者人民に甚大な被害を強制している。
実弾砲撃移転演習では、「事故」も頻発している。労働者人民を「事故」に巻き込む危険性をかえりみず、労働者人民を動員しての演習が行なわれているのだ。夜間演習や度重なる「火災事故」が、実弾砲撃移転演習ではもはや当たり前になっている。地元住民の生活が、演習によって脅かされているのだ。地元ではどこでも、そんな実弾砲撃移転演習に対する怒りがまきおこっている。
「沖縄の負担軽減」を名目に実弾砲撃移転演習が行なわれているが、沖縄の現状を見ても、キャンプ・ハンセンでは実弾砲撃演習以外の演習が頻繁に行なわれ、その結果、山火事が頻発するなど沖縄労働者人民の生活が脅かされている。「負担軽減」なる薄汚い欺瞞をヌケヌケと語りつつ、日本「本土」の演習場でより激しい実弾砲撃移転演習がくり返されているのは明白である。
米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう。
戦争遂行の安倍極右政府打倒へ
日・米帝国主義は日米安保の再編・強化をつづけ、朝鮮反革命戦争遂行のための臨戦態勢構築を進めている。その一環として、北富士・東富士両演習場での軍事演習が強化されようとしている。8月20日〜22日、北富士・東富士両演習場で、沖縄・普天間飛行場に配備されている垂直離着陸輸送機・MV22オスプレイ2機を使用した離着陸訓練が行なわれた。しばしば墜落事故を引き起こし、しかも周辺に爆音を撒き散らすオスプレイが、沖縄のみならず北富士周辺地域住民の生活をも脅かしているのだ。さらに米軍は、10月18日にもオスプレイ離着陸訓練を予定し、地元自治体に通告していたが、大型台風の接近のために中止している。このように、朝鮮反革命戦争遂行の拠点の一つとして、北富士演習場が使われているのである。
首都圏においてもオスプレイ運用は加速度的に進んでおり、オスプレイは7月に厚木基地(神奈川県大和、綾瀬市)など首都圏に初飛来し、以降全国で訓練飛行などを実施し、10月25日には米軍横須賀基地(横須賀市)にも初飛来している。10月31日には千葉県知事・森田が、オスプレイの定期整備拠点を陸上自衛隊木更津駐屯地(木更津市)に誘致する政府計画について、受け入れる方針を正式に表明している。さらに、在日米海軍司令部司令官・クラフトは、10月の段階で神奈川県知事・黒岩に対して、オスプレイの首都圏への飛来が「常態化する」との見解を示している。そして、安倍政府がこのオスプレイの2015年度までの導入を目論んでいる。自衛隊は、導入するオスプレイを佐賀空港に配備しようとしている。こうして米軍・自衛隊がオスプレイを使うことで、朝鮮反革命戦争に備えようとしており、そのためならば、日帝足下の住民の安全なぞ、知ったことではないというのが、日・米帝の本音なのだ。
安倍極右政府は改憲につき進み、戦時体制形成を急いでいる。今年7月1日、「集団的自衛権行使」のための憲法解釈の変更を閣議決定した。さらに「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の見直しなどを矢継ぎ早に進めている。安倍は、朝鮮反革命戦争のための戦時体制を一挙に形成しようとしているのである。
沖縄では名護新基地建設や高江ヘリパッド建設、与那国島への自衛隊配備などが強行されようとしている。沖縄労働者人民の実力決起が、粘り強く闘いぬかれている。闘う沖縄労働者人民の決起と連帯し、実力・武装の闘いをうちぬかなければならない。
日帝足下労働者人民の責務にかけて、革命的反戦闘争の爆発を何としてもかちとっていかねばならない。地元で粘り強く闘われる反基地闘争との結合を強め、既成勢力への集約を踏み越え、反基地闘争をさらに高揚させ、北富士演習場撤去を実力・武装の闘いでかちとっていこう。闘う沖縄労働者人民との結合を強め、名護新基地建設を阻止し、すべての米軍・自衛隊基地を撤去しよう。日米安保の再編・強化を粉砕しよう。中東反革命戦争を粉砕し、朝鮮反革命戦争突入を阻止しよう。核武装のための原発再稼働を阻止しよう。安倍極右政府打倒・日帝国家権力解体へ進撃しよう。
10・25 海兵隊出撃阻止を闘う〈沖縄〉
10月25日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、陸上自衛隊北富士演習場における155ミリ榴弾砲の実弾砲撃演習を粉砕するために米海兵隊の出撃阻止闘争に決起した。呼びかけに応えた沖縄・首里日雇労働組合も結集し、ともに闘いぬいた。
午後3時、部隊は国際通りの中央に位置するむつみ橋交差点に登場し、ただちにビラ撒きを開始する。青ゼッケンをつけた部隊に注目する市民や観光旅行者が、ビラに手を伸ばしてくる。同志によるアジテーションも行なわれる。「労働者人民虐殺訓練に他ならない実弾砲撃演習を阻止しよう」「北富士では兵員430人という最大規模の砲撃演習が強行されようとしている。北富士現地の阻止闘争と結合し闘おう」「演習移転について政府は、『痛みの分かち合い』と説明したが、本当の狙いは沖縄でも移転先でも米軍のやりたい放題の演習を行なうことにあった。『戦争のための基地は沖縄にもどこにもいらない』『軍事訓練は沖縄でもどこでも許してはならない』という立場に立って、海兵隊の出撃を阻止しよう」「オスプレイのやりたい放題の訓練を許してはならない」「辺野古闘争は最大の山場に突入している。仲井真への怒り、安倍政府への怒りを行動で示そう。現地闘争に総力で結集しよう」「名護新基地建設の推進、原発再稼働の推進、『集団的自衛権の行使』の既成事実化に突き進む安倍政府を打倒しよう」。ビラ撒きに加えてアジテーションが始まると、俄然注目の度合いが高まる。通りを歩く市民が足を止める。
「痛みの分かち合い」や「沖縄の負担軽減」がペテンに過ぎないことは誰もが感じていることだ。やりたい放題の軍事訓練は、沖縄労働者人民の抗議を一蹴するかたちで強行されている。オスプレイが普天間基地に配備されてから約2年経ったが、「学校や病院の上空を飛ばない」という約束は反故にされたままである。午後10時以降の飛行も常態化しており、闇にまぎれて見えない機体が不気味な音を立てて飛びまわることは珍しいことではない。このオスプレイが全国各地に飛来し、訓練を拡大・強化している。7月に首都圏では初めて厚木基地に着陸し、その後も頻繁に厚木基地や横田基地を使用するようになった。情宣に決起した10月25日にも、オスプレイ1機が横田基地を経由し、初めて米海軍横須賀基地に着陸した。全国各地で訓練を実施することが「沖縄の負担軽減」だというのであれば、それこそ許しがたいペテンである。オスプレイの訓練の拡大は、〈基地・沖縄〉が出撃拠点として強化されるに過ぎないのだ。そのもとで沖縄労働者人民の命と生活は脅かされているのである。訓練強化は米軍による「事件・事故」の頻発としても示されている。10月に入り、嘉手納基地所属のF15戦闘機が2度も部品の「落下事故」を引き起こした。10月2日にはチタン合金製のパネル一枚を、10月14日にはエンジン部品の一部を、それぞれ落下させている。とくに、10月14日の「事故」では「県」や関係自治体への通報は4日後であった。「迅速な通報」という約束も反故にされたままである。要するに、日・米両政府にとって住民の基地被害は然したる問題ではないのだ。いっさいが軍事優先であり、住民はまるで「虫けら」のような扱いである。それはますます露骨になっている。
いま声を上げ行動しなければ、沖縄は未来永劫にわたって基地との共存を強いられる。一人ひとりの行動が問われているのである。われわれは反戦・反基地闘争への決起、とりわけ辺野古闘争への結集を呼びかけ、約一時間の情宣闘争を闘いぬいた。沖縄―日本「本土」を貫く共同闘争を強化し、日米安保粉砕・日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体を闘いぬこう。
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