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10・19「近畿府県合同防災訓練」粉砕闘争に決起〈和歌山〉(1122号1面)

反戦・全学連、JR和歌山駅頭に決起

 10月19日、反戦青年委員会と全学連は「近畿府県合同防災訓練」粉砕闘争に決起した。

 午前9時、JR和歌山駅頭に登場した部隊はただちにビラ撒きとアジテーションを開始する。「本日、県庁南別館を『災害対策本部』とし、南紀白浜空港や田辺市、白浜町、串本町において『近畿府県合同防災訓練』が強行されます。今年の『防災訓練』は、118機関、約6400人が参加し、在日米軍と自衛隊も大挙して参加しています」「参加するのは、在日米軍・海兵隊のMV22オスプレイ、海自護衛艦『いせ』をはじめ多数の巡視船や輸送機など、まさに米軍と陸・海・空三自衛隊の統合訓練として展開されます。自衛隊の指揮下に多数の民間人を動員し、救出・救助訓練が展開されるのです」「自衛隊の参加のもとで行なわれる『防災訓練』とは、ブルジョア社会秩序の防衛=内乱鎮圧に向けた自衛隊の治安出動訓練に他なりません。避難民支援、災害医療、負傷者運搬、物資輸送、救出・救助訓練などという名目で、陸・海・空の自衛隊部隊が車両、重機、船舶、ヘリ、輸送機などを大量に投入して大手を振って治安出動訓練をしているのです。この治安出動訓練は、ファシズム勢力を地域末端から組織化しようとするものでもあります。朝鮮反革命戦争に突撃する日帝が、自衛隊主導の下で治安出動―内乱鎮圧訓練を強行しようというのです」「『防災訓練』に名を借りた治安出動訓練を阻止していこう」。和歌山駅前を通行する労働者人民は仲間のアジテーションに耳を傾ける。青ゼッケンをつけた仲間が「『防災訓練』に反対しよう」と差し出すビラが、次々に受け取られていった。

 「近畿府県合同防災訓練」は、「和歌山県津波対策実践訓練」として行なわれ、県庁南別館を「県災害対策本部」とし、「広域防災拠点」である南紀白浜空港と、被災地と想定される田辺市、白浜町、串本町において同時進行で行なわれた。加えて、10月18日〜19日の日程で「緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」も行なわれている。「緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」は、全国の約4700の緊急消防隊が参加した。これにより「近畿府県合同防災訓練」は、消防、警察、自衛隊、各府県、政府の総動員による過去に例のない大規模な「訓練」となった。

自衛隊・米軍による治安出動訓練粉砕

 「訓練」は、午前九時に県南部の沖合でマグニチュード8・7の大地震が発生したとの想定で、行なわれている。

 「訓練」では、米海兵隊の輸送機・MV22オスプレイが自治体主催の「防災訓練」に初めて参加。山口県・岩国基地から飛来したオスプレイ2機は白浜空港から「災害派遣医療チーム」(DMAT)を串本町の「望楼の芝」に輸送。その後、けが人役を海自護衛艦「いせ」に輸送している。護衛艦「いせ」は、広域搬送オスプレイや陸自ヘリの洋上拠点として機能した。「緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」では、消防車両部隊を空自輸送機・C130が輸送する訓練も初めて行なわれた。

 全国各地の「防災訓練」へのオスプレイの参加が狙われている。訓練後の記者会見で防衛副大臣・左藤は、「米軍の協力と自治体の理解が得られれば、なるべく多く訓練させてもらいたい」と言い放ち、その本音をあけすけにしている。「沖縄の基地負担軽減」を口実とした訓練移転の本格化に向け、オスプレイの活動範囲を広げて、全国で運用するための地ならしとして、オスプレイ参加での「防災訓練」強行を次々に狙っているのだ。11月6日から宮城県などで、陸・海・空の各自衛隊が米軍、オーストラリア軍と共同で実施する大規模災害訓練「みちのくALERT2014」に、オスプレイが参加することが計画されている。また、今回の「防災訓練」では、オスプレイが海上自衛隊の護衛艦「いせ」に着艦することで、自衛隊との一体化も加速させている。今回を起点にオスプレイの実動訓練への参加が拡大されていくことは必至だ。これはオスプレイの「輸送能力」「航続距離」等をアピールし、米軍の「災害任務」を宣伝して、米軍容認・基地容認の世論を形成しようという薄汚い魂胆でもある。全国で狙われる「防災訓練」へのオスプレイの出撃を阻止していかねばならない。

 われわれは、権力やファシストの敵対・破壊策動を封殺し、情宣闘争を闘いぬいた。「近畿府県合同防災訓練」粉砕闘争を闘いぬいた地平をおし拡げ、反戦・反基地闘争の飛躍を切り拓いていかねばならない。