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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・17 「君が代」不起立の田中氏に対する
「再発防止研修」抗議闘争が闘われる
 (1121号1面)

都教職員研修センター前で抗議行動

 2013年度卒業式に続いて、2014年度入学式でも、都立板橋特別支援学校の田中聡史氏は、「君が代」の斉唱を拒否して、きっぱりと不起立で闘いぬいた。この田中氏に対して、都教委は「減給10分の1・1ヵ月」の処分を強行した。さらには、「服務事故再発防止研修」を都教職員研修センター(水道橋)に田中氏を呼び出して受講させてきた。そして、この研修センターでの「再発防止研修」の受講後にも、田中氏の勤務する板橋特別支援学校に6月〜9月の4ヵ月間に、月1回のペースでわざわざ、都教委から「指導主事」が来校して「1時間程度の研修」を受けさせている。それとはまた別に、職場の上司である「校長による校内での50分ほど行なう研修」が約10回、田中氏に強制されてきた。10月17日の「研修」は、4ヵ月間にわたる一連の「再発防止研修」の総まとめというものである。

 10月17日午前9時から、研修センター前には教育労働者をはじめ多くの労働者人民が駆けつけ、都教委に対する抗議の闘いに起ち上がった。この闘いには、東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間も結集した。

 「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」の星野共同代表が、マイクを手に、警備に動員されている都教委職員に対して、抗議する。そして、同じく「被処分者の会」の近藤事務局長が「研修」の流れ、抗議・激励の行動のタイムスケジュールを説明した後、研修センターに向って「『日の丸』『君が代』反対!」「『10・23通達』を撤回しろ!」「不当な処分を許さないぞ!」「『再発防止研修』を中止しろ!」と怒りのシュプレヒコールを叩きつける。

 「君が代」訴訟を担っている弁護団の澤藤統一郎弁護士、「被処分者の会」、「河原井さん根津さんらの君が代解雇をさせない会」、「許すな『日の丸・君が代』、止めよう安倍の改憲・教育破壊全国ネットワーク(準)」が申し入れを都教委に対して行なった。澤藤弁護士は、「きょう『研修』を受けさせられる先生には不必要なもの、というよりもあってはならない『研修』だ。彼は、教育の本質とは何かを考えたからこそ、不起立の行動を選択したのだから。彼こそ教員の『鑑』である。むしろ都教委の幹部職員こそが、教育行政は本来どういうものであるのかの研修を受けなければならないと、強く抗議の申し入れを行なった」と発言した。

「再発防止研修」を粉砕しよう

 当該の田中氏がセンター前に到着し、全ての仲間たちが「研修」会場に向う彼を拍手と「ガンバレー」の声援で送り出していく。田中氏の「研修」が始まってからも抗議集会は続く。田中氏も原告の1人となっている「東京『君が代』第四次訴訟原告団」が裁判の進行状況を報告し、傍聴への結集を呼びかけた後、再び、星野共同代表のリードで「研修」受講中の田中氏の耳に届くよう、「田中さん負けるな!」「思想転向強要の違法な研修をやめろ!」と大音声でシュプレヒコールを連呼した。

 午前11時15分、「被処分者の会」・岩木共同代表の司会で抗議集会が再開される。

 東京・山日労の連帯あいさつの後、「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」の仲間が「11月に都立大島高校の生徒を陸自駐屯地に宿泊させて訓練を強制しようとしている」とアピールを行ない、受講を終えた田中氏がセンター正門から出てきて抗議集会に合流し「今回は、5月から始まった『研修』のまとめということで、『校長の職務命令に従いなさい』ということが強調されたが、これからも私は憲法に従って『全体の奉仕者』として仕事をしていく、と回答した」「休憩中も、監視役の職員3人がトイレに立った田中氏の後をつけて中まではいってくるという人権も無視したひどい対応だった」と発言した。

 最後に、岩木共同代表が「教員の思想・内心の自由にまで踏み込んで転向を迫るような都教委に対しては、私たちはこれからも闘い続けていく。自由な学校を取り戻していこう」とこの日の行動のまとめを行ない、シュプレヒコールを研修センターに叩きつけていった。朝から12時過ぎまで、60人を超える仲間たちが研修センター前に張り付いて、被処分当該の教育労働者と連帯し、「再発防止研修」粉砕を闘いぬいたのだ。

 2003年の「10・23通達」から11年を経過しても、教育現場では田中氏のように不屈に闘い続ける教育労働者がしっかりと存在する。「日の丸」「君が代」強制からついに都教委は、生徒たちを自衛隊基地に宿泊させて入隊訓練を施すまでに攻撃をエスカレートさせてきている。闘う教育労働者と連帯し朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃を粉砕していこう。