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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・3東京総行動を闘う (1119号3面)

ヤンマー東京支社前で抗議行動を闘う

 10月3日、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)が取り組まれた。

 午前10時半より、東京駅八重洲口直近のヤンマー東京支社前での集会が開始される。東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合は共に闘いを担いぬいた。

 最初に、「けんり総行動実行委員会」よりのあいさつがあり、「ヤンマー稲森さんの闘いも5年が経過した。『非正規』の方々が労働組合を作ったことに対してヤンマーが攻撃をかけてきた」「誰しもが労働組合を作る権利を持っているにもかかわらず、そのことを無視して『非正規』の方に攻撃を仕掛けてきたというところで大きな闘いになっている」「中労委でも係争中だ。今後、稲森さんの証人尋問や、『びわ湖ユニオン』と『アルバイト・派遣・パート関西労働組合』との継承性についても立証していく予定だ」「日本でも優秀な企業がこういったことで労働者をつぶしにかかる。許され難いことであり、『正規』だろうが『非正規』だろうが働いているものには権利がある」「ともにがんばりましょう」。

 次に、当該・稲森氏が発言に起つ。「私はこの間、職業訓練校に6ヵ月間通い、この東京総行動も2回欠席した。この職業訓練というのは、国の方針として積極的に職業訓練を受けなければ保護を打ち切るというもので、1回でも遅刻すればその月の給付が止まるという厳しいものだ」「訓練が休みの日にぎっくり腰を起こしてしまい、翌日も大事をとって休んだ。それが認められず、8月は支給が止まった。こうした中でヤンマーと闘うには大変な状況になった」「今日も東京総行動に参加している東京・山谷日雇労働組合の仲間である『反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会』のみなさんが就労闘争に毎回かけつけてくれ月1回の抗議行動がなんとかできてこれた。改めてお礼を言いたい」「昨年5月に団体交渉を申し入れた。これは今までの解雇を撤回しろということとは別個に、ヤンマーが東日本大震災の震災特需で前年度対比純利益が400パーセントをこえるという好況のなかでたった2人の労働者の雇用をすることは不可能ではないと考えたからである。しかしながらヤンマーの総務部長は、『企業には裁量権があるので決してあなた方は雇いません』と言った」「現在この団交拒否、不誠実団交の件について中労委で争っている。次回は私の証人尋問だ。できるだけ多くの仲間の皆さんにご支援いただきたい。これからもヤンマーの組合敵視という明らかな事実をつきつけ、闘っていきたい」。

 続いて、連帯あいさつが行なわれる。「キヤノン非正規労働者組合」・阿久津氏は、「私の事件もヤンマーと同じ『非正規』労働者が労働組合を結成して不当労働行為を告発してきた。しかし、私の事件は東京総行動の仲間の皆さんと闘って関連会社ではあるが、組合員5人のうち2人を『正社員』として会社にもどすという解決になった。もともと請負の『非正規』労働者の私たちが、キヤノングループの『正社員』になった。一方ヤンマーは同じように不法行為を行なっていながらなんの責任もとっておらず、使い捨てにしている」「稲森さんの闘いを通じて大企業に社会的責任をとらせることができれば、今、『正社員』で働いているみなさんの労働者としての権利の回復にもつながる大切な闘い」。「反リストラ産経労働組合」からは、「私たちは20年間、産経親会社のフジテレビと闘ってきたが、この秋からフジテレビそのものを相手にした株主総会の処分取り消し裁判をおこした。なかなか厳しい闘いになると思うが、考えられる手を尽くして相手が参ったというまで闘い続ける。それがヤンマーをやっつけることにも通じると思う」。「JAL不当解雇撤回争議団」からは、「会社の経営危機を理由に私たち53歳以上の客室乗務員はパイロットも含め165人が解雇された。組合員だということで昇格もできず、賃金を抑えられ、でも仕事を続けてきたが、今度は働く権利まで奪われた。これ以上譲るものはない」。連帯あいさつの最後に、ラピス争議当該が、「この間の東京総行動や皆さんのご支援で解決をすることができた」「私もヤンマーの闘いにだいぶ前から関わりを持ち、行動してきたが、受付すらしない、相手にしない、こういう企業は数少ない悪い企業だと思う」。

 びわ湖ユニオンより9月30日の中労委の報告がなされ、11月10日の証人尋問への結集が呼びかけられる。最後に、ヤンマー東京支社に向かってシュプレヒコールをたたきつける。「ヤンマーは稲森さんを職場に戻せ!」「ヤンマーは組合つぶしの責任をとれ!」「ヤンマーは団交に応じろ!」。争議解決まで闘う決意を新たにし、次の行動へ移動する。

トヨタ東京本社前で抗議行動を闘う

 予定時間の午後5時前に二手に分かれて行動してきた参加者が続々とトヨタ本社前に結集する。東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合もこの闘いに結集した。すでに情宣行動が行なわれている。

 東京全労協の纐纈議長のあいさつに続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際代表が、「フィリピンにおけるトヨタの237人に及ぶ首切りを、日本を代表するトヨタが行なっていることについて強く強く抗議をしなければならない」「トヨタはフィリピンにおいて労働者を理由なく233人も首を切り、さらにその後活動している労働者4人の首を切った」「多分フィリピン政府は、トヨタはいい会社だ、フィリピンにとってとても価値あることをしてくれる会社だということで誘致をしたと思う。しかしながらトヨタは、フィリピンで働く人に対してとんでもない仕打ちをし、フィリピン政府が困ったなんとかしてほしいという態度を示すと資本をひきあげるなぞといって脅しをかけるというような対応すらしてきた」「トヨタは、アメリカでおこった問題については日本から幹部がとんでいってその解決に右往左往し平身低頭をし、出さなくていい金をだして解決をはかっている。フィリピンにおいてはこの闘争を軽んじている。しかしながらフィリピンの労働者は、トヨタの不正義な対応について許せないと、厳しい生活状況の中で闘いを続けている。日本の私たちもフィリピンの労働者と連帯してトヨタの労働者敵視の政策についてともに闘っていかなければならない」「13年にわたるフィリピンにおけるトヨタの闘い、ILOの6次、7次にわたる勧告、このような世界的な闘争の中でトヨタが解決に向けて一歩具体的に踏み出す、そういう時期に来ているということを確認し、トヨタ本社の責任においてこの解決に向けて踏み出していくことを強く強く求める」と訴える。

 「フィリピントヨタ労組を支援する会」の小嶋事務局長は、9月14〜15日に現地からフィリピントヨタ労組の代表としてエド委員長とウェニー副委員長が来日し、愛知での抗議行動を含めて展開したことを報告し、「12月の東京総行動では解決が見えるように闘っていきたい」と訴えた。

 全造船関東地協・早川氏のあいさつをうけ、シュプレヒコールをたたきつける。「トヨタは237名の解雇を撤回しろ!」「フィリピンでの組合つぶしを許さないぞ!」「組合弾圧を許さないぞ!」「フィリピン労働者と連帯して闘うぞ!」。

 次は、連帯あいさつだ。「JAL原告団」が、不当解雇を許さない決意をのべる。戦後補償に取り組む矢野氏は、「戦時下での日本の政府・企業が行なった強制連行・強制労働は違法行為」「共通した敵と闘っている」と訴えた。「平和フォーラム」の藤本氏は、「フィリピンの労働者の権利も日本の労働者の権利も同じ」「企業が働く者の犠牲の上に成り立ってはいけない」と訴える。東京総行動事務局・佐々木氏よりヤンマー争議当該・稲森氏への交通費カンパの呼びかけがあり、稲森氏が「フィリピントヨタ労組の闘いはヤンマーの闘いと同じ」と連帯のあいさつを行なう。

 最後に、次回の総行動は12月10日前後の予定であることが発表され、力強い「団結ガンバロー」でトヨタ本社前行動を終えていった。