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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 9・20辺野古の浜に5500人が大結集!辺野古現地闘争を闘う〈沖縄〉 (1118号7面)

「現場からの訴え」に共感拡がる

 9月20日、「みんなで行こう、辺野古へ。止めよう新基地建設! 9・20県民大行動」が開催された。主催は「沖縄平和運動センター」「沖縄平和市民連絡会」「ヘリ基地反対協」などを含む実行委員会である。9・20「県民大行動」は、3600人がキャンプ・シュワブのゲート前に結集した8・23「県民大集会」を引き継ぐ第2弾の闘いであり、辺野古闘争への沖縄労働者人民の熱い思いが寄せられるなかで準備されたものである。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会と沖縄・首里日雇労働組合も結集し闘いぬいた。

 開会1時間前の午後1時、会場である辺野古の浜に到着する。海上にはオレンジ色のフロートが見え、その近くにカヌー隊の姿が確認できる。シュワブとの境界線上のフェンスには、全国から送られてきた色とりどりの横断幕が張られている。われわれは会場の中央付近に陣取り、赤旗を高々と掲げる。開会が迫るにつれ、浜へ向かう道は人の波が延々と連なり、辺野古の浜は埋め尽くされる。会場に収まりきらず、辺野古漁港の堤防上に座り込まざるをえない参加者も続出した。この日、5500人が辺野古に大結集したのである。

 午後2時、開会宣言が発せられる。まずオープニング・セレモニーとして、海上行動隊が紹介される。参加者の視線が海上でオールを漕ぐカヌー隊に注がれる。海上行動隊の連日の激闘を知る参加者たちは、大きな拍手と歓声を送った。呼びかけ人あいさつで登壇した議員らは、口々に「11月知事選では翁長那覇市長の勝利を」と訴えるなど、集会全体はマスコミに「さながら翁長氏の決起集会」と評されるような様相を呈したが、参加者がもっとも注目したのは「現場からの訴え」である。

「平和運動センター」・山城氏、「ヘリ基地反対協」・安次富氏が檄

 司会者より「ミスター・ゲート前」と紹介され拍手喝采を受けた「沖縄平和運動センター」の山城氏は、「7月はじめに座り込みを始めた時に、県庁の奥に鎮座する人が『いい年をして、基地反対で座り込んでいる人がいる』と揶揄した。冗談じゃない。あの時から全県、全国から意を決してゲート前に集まり、今や連日100人、200人を超える大行動となっている」「県民を裏切り、ウソをつき続けなお恥を知らずに居直り続ける仲井真知事に、怒涛のような進撃をかけて知事から引きずり降ろそう」「ゲート前では名前も言わずに差し入れていく人も多い。傘を置いていった個人タクシーの運転手や、カヌー隊がケガした時に治療費もとらずに診てくれた医者もいる。善意と連帯に支えられて運動が拡がっている」「カヌー隊にエールを送りたい。7月下旬から8月初め、海上保安庁の大型巡視船が18隻もやってきて25ミリ機関砲をわれわれに向けた。黒ボートで海が埋め尽くされる中、わずか10隻、20隻の小さなカヌーで漕ぎ出していくカヌー隊の懸命な力があった。『刑事特別法』も権力の無謀な暴力もはねのけてきた。今や毎日海域に繰り出し闘い、県民に勇気を与えている仲間たちがいる。拍手を送ってほしい」「来週から大浦湾の海域に巨大なスパット台船が入り、ボーリング調査が始まろうとしている。断じて許すわけにはいかない。ゲート前に結集して下さい。県民の力で止めよう」。自信と誇りに満ちた発言に会場全体から大きな拍手が沸き起こる。つづいて登壇した「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は、「8月23日の集会では『絶対に勝てる』と表明したが、今は自信を持って『完全勝利できる』と断言できる」「沖縄においてわれわれは、日本政府による構造的沖縄差別に呻吟してきた。しかし辺野古18年の闘いは、沖縄差別を撃ち破る闘いへと昇華してきた。沖縄の自己決定権をかちとるために勝利しよう」「9月7日の名護市議選挙では、『辺野古に基地は造らせない』という稲嶺市長を支える与党が過半数をとった。名護市長選、名護市議選で名護市民は『辺野古に新しい基地は造らせない』という変わらぬ思いを示してきた。この勢いで11月知事選では安倍政府への怒りをぶつけ、お金で沖縄の魂を売った仲井真知事を知事のイスから引きずり降ろそう。安倍政府を打倒する闘いにつなげよう」と力強く訴える。

 「若者代表」として、名桜大学の学生がアピールを行なう。「私が基地移設に反対する理由は、豊かな自然を破壊するだけでなく、基地周辺住民とくに子供と女性が被害に遭うことが確実だからです。女性被害についてメディアの情報は一部であり、若い女性たちが被害に遭っていることを忘れてはいけない」「普天間基地周辺に比べて住民が少ないという理由で新しい基地を移設するのでしょうか。県民一人ひとりの命を大切にする、幸せに生きる権利が保証されることが重要です。どうして危険な基地を危険なまま辺野古に移設できるのか」「沖縄を含め全国の若い人たちにお願いがある。平和な未来をつくりあげていくのは私たちだ。責任と危機感を強く持たなければならない」。

 すべての発言が終了し、スローガンが提案される。「子や孫のために、サンゴのために、ジュゴンのために、暮らしのために、平和のために、未来のために、全国、全世界の人々と連携し、新基地建設を止めよう」という呼びかけに参加者一同は大きな拍手で応える。最後に主催者から「10月中旬の県庁包囲行動」が提起され、締めくくられた。

実力阻止闘争を核心とする辺野古闘争の前進

 8月以降、シュワブゲート前の座り込みは家族連れもかけつけ大衆運動として高揚している。座り込みには地元のオジーやオバーも参加し、闘う仲間たちを鼓舞し続けている。「沖縄平和市民連絡会」のメンバーは、普天間ゲート前行動を闘いつつ、辺野古の現場に毎日結集し奮闘している。9月に入り、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」が毎週月曜に那覇から辺野古行きのバス3台の運行を始めた。毎回、賑わいをみせている。「島ぐるみ会議」自体は一部経済界まで含む没階級的な組織であり、決して労働者人民の闘いを集約できるものではないが、バス運行は辺野古絶対阻止に情熱を注ぐ無数の市民たちが支え実現しているのである。一方、海上においては、とりわけ8・14ブイ・フロート設置―8・18ボーリング調査強行以降、熾烈な攻防が展開されている。海保による不当な拘束、巡視船への連行・監禁、暴行・脅迫といった事例は枚挙にいとまがない。海保はカメラの回っていないところでは、頭を力ずくで押さえつけて海水に沈める、首を絞める、腕を捩じ上げるなど闘うメンバーへの暴力行為を平気で行なっている。さらには、カヌーを押収する、抗議船に強引に乗り込み鍵を取り上げるといったことまでやっている。報道にのらないケガ人も多数出ている。海上行動隊は連日の海保との激闘を攻勢的に闘いぬき、フロートを越え、スパット台船によじ登るところまで迫っているのである。こうした闘いを幾重にも大衆運動が支え、「刑特法」弾圧をはねのけていることは最大の成果といえよう。

 現場の闘いは、あらゆる情報ツールを駆使して沖縄だけにとどまらず全国や海外に発信され、各地で辺野古と連帯する闘いが取り組まれている。9月20日には東京をはじめ京都や大阪でも同時行動が闘われている。沖縄―日本「本土」を貫く共同闘争のより一層の強化が必要だ。われわれは辺野古の現場に執着し、名護新基地建設を大衆的実力決起で阻止するために全力で奮闘する決意である。

名護新基地建設阻止、安倍政府打倒へ

 安倍政府は、実力阻止を核心にすえた辺野古闘争を鎮圧するために躍起である。8月28八日には防衛副大臣・武田が来沖し、「混乱もなく作業は進んでいる」なぞとマスコミに語っている。9月17日には、官房長官・菅が来沖。「辺野古は過去の問題だと思っている」「11月知事選の結果は関係ない」と暴言を吐いた張本人であり、沖縄労働者人民の怒りは沸騰した。菅は、「県」庁舎に寄ることもなくホテルで仲井真と密談し、「知事から『埋立承認』を得たので粛々と取り組んでいく」と改めて表明し、「普天間基地の『運用停止』は2019年2月と考えている」とした。これは、仲井真が「普天間基地の5年以内の運用停止」を掲げていることを受けた発言だ。そもそも米側は再三否定し、日帝もまともに日米協議にのせる気もないため実現性は皆無なのだが、知事選で仲井真を全面的に後押しする安倍政府は、ウソも方便とばかりに2019年2月」を提示したのである。こんなものが「普天間の危険性除去」だというのだ。沖縄労働者人民をなめるにも程がある。9月22日には防衛相・江渡が来沖し、「移設作業は順調に進んでいる」「日米間で唯一の解決策がこの移転だと決定している」とつきつけた。ようするに安倍政府は、8割に達する「新基地建設反対」の声も辺野古現地闘争の高揚も抹殺しているのである。

 こうした安倍政府に全面協力する仲井真は、「辺野古推進」をより鮮明に打ち出している。8月28日、「県」は埋立本体工事に関わる「岩礁破砕申請」を「許可」した。これは7月11日に沖縄防衛局が提出していたもので、基地誘致派が牛耳る名護漁協は「同意」していたものの、名護市と宜野座漁協は反対の意見書を提出していた。「県」は反対意見を一蹴し「許可」したのだが、これによって埋立本体工事の法的手続きは完了したことになる。9月3日には防衛局が「公有水面埋立法」に基づく4件の「埋立設計概要変更申請」を提出しているが、「県」はこれも「許可」する方針だ。「早く辺野古を埋め立てるべき」と言い放つ仲井真は、防衛省の下請を自らすすんで買って出ているのである。とりわけ、「埋立変更申請」にも含まれる「中仕切り護岸」新設は断じて容認できない。政府―防衛省は、埋め立て土砂搬入車両用の通路となる「中仕切り護岸」新設のための先行埋め立てに踏み切ろうとしている。すでに防衛局は、入札公告を実施しており、開札は10月29日だ。仲井真の任期中に全ての手続きを完了させ、沖縄労働者人民に埋め立て着工の既成事実を突きつけ、あきらめさせようとしているのである。安倍極右政府を後押しする右翼ファシストどもは、辺野古のテント村に侵入し横断幕などを盗み去る卑劣な行為に手を染めている。

 状況は緊迫している。闘う沖縄労働者人民は国家権力や右翼ファシストによるどんな脅しや暴力にも屈しない。実力阻止の機運はますます高まっている。辺野古現地闘争の大爆発を切り拓こう。沖縄―日本「本土」貫く共同闘争を強化し、名護新基地建設攻撃を総力で打ち砕こう。



9・20沖縄の闘いと呼応した名護新基地建設阻止の闘いが爆発 〈東京〉 (1118号9面)

 安倍極右政府による名護新基地建設のための辺野古でのボーリング調査強行に対し、沖縄労働者人民の闘いが連日展開されている。

 東京でもこの現地の攻防と固く結びつき在日本「本土」沖縄労働者人民、闘う労働者人民がが名護新基地建設阻止の行動に起ち上がった。

 9月20日、沖縄現地の「辺野古へ行こう九・二〇辺野古浜集会」と連帯して、宮下公園で午後2時30分から、「辺野古に基地を造らせない、東京から声をあげよう 抗議集会&デモ」が闘いぬかれた。この闘いには700人が結集し、東京・山谷日雇労働組合、神奈川県地域連合労働組合、全国学生社会思想研究会連合の仲間たちも合流した。

 集会の始まる前、午後2時には、既に大勢の労働者人民がつめかけ、まず、三線と唄と演奏、エイサー隊の踊り、「沖縄を返せ」の大合唱が、闘争を盛り上げる。

 午後2時30分、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」の仲間が司会を担当し、開会あいさつで、「本日の闘いは、沖縄県人会の五人と四つの団体の呼びかけで実現した。今、現地・辺野古沿岸でも大行動が始まっている。沖縄の闘いに呼応して、東京からも辺野古に基地を造らせない声を上げていきたい」と宣言。

 呼びかけ団体の「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」の外間共同代表が、主催者あいさつを行なう。「沖縄を針にたとえた沖縄の諺があります。どんなにちっぽけな針でもこれを飲み込むことはできません。私たち一人ひとりが針となって辺野古に基地を造らせない闘いをやっていこう」。

 続いて、同じく呼びかけ団体である「フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)」、「ピースボート」のあいさつがあり、司会からの「今、辺野古には5000人が結集しているとの一報が入りました」との声に、会場を埋め尽くした労働者人民から歓声が上がる。

 呼びかけ団体の最後に発言した「辺野古実」は、「8月22日に、海上保安庁は何の法的根拠も示さず、2人がかりで私を羽交い絞めにし首を絞めてきた。海保は沖縄防衛局の下請け機関と化している。いまもカヌー隊に加えられている暴力をやめさせるため海保を告訴した」と殺人的な海保の大弾圧を弾劾した。

 さらに、8月19日〜20日に辺野古での座り込みに参加した沖縄出身の女性が発言に起つ。彼女は、「現地での海保の暴力にワジーワジー(腹立たしい)思いでがまんできない。毎日繰り返される海保、機動隊の仕打ちを、一度現地にいってしっかり見てほしい。日本政府のやっていることを支えているのがわたしたち日本国民一人ひとりだと自覚して、それぞれ一人分の責任を考えれば、もう二度とこれ以上沖縄に負わせることはできない。そのことを確認してくれれば、沖縄の集会もとても有意義なことだ思う」と訴えた。

 「辺野古実」の仲間のカンパ要請の後、辺野古現地の工事阻止と抗議の行動に参加した二人が、臨場感あふれる現地の闘いを報告した。

 そして、現地から「平和市民連絡会」の真喜志好一さんが、「沖縄南部からは50人乗りのバス70台がきています。海上にはカヌー隊が出ています。政府のなりふりかまわぬ工事強行に対し、これだけたくさんの県民が現地での闘いに共感し、集まったことに感動しています」と電話でメッセージを寄せた。

 17万円以上の会場カンパが集まり、このカンパは「ヘリ基地反対協」に送られるごとが司会者から報告される。

 東京全労協の久保事務局長の「団結ガンバロー」で集会を閉じると、渋谷駅前にデモ隊が繰り出していく。渋谷駅前の雑踏の中からデモ隊への注目と共感が寄せられ、中には飛び入りでデモに合流してくる市民もいる。約40分のデモは渋谷駅前を一周して神宮通公園で流れ解散となった。今後も、沖縄現地の闘いと呼応・連帯して東京でも名護新基地建設阻止の闘いをやりぬいていくことを確認してこの日の闘いを終えていった。