9月6日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は「沖縄県総合防災訓練」粉砕闘争に決起した。呼びかけに応えた沖縄・首里日雇労働組合もともに闘いぬいた。
12時半、パレットくもじ前(那覇)に登場した部隊はただちにビラ撒きとアジテーションを開始する。「本日午後1時半より、宮古島の下崎埠頭をメイン会場として『総合防災訓練』が実施されようとしている。『防災』に名を借りた自衛隊の治安出動訓練だ。断固反対の声をあげよう」「自衛隊の『離島統合防災訓練』の一環として『総合防災訓練』が実施される。明らかに自衛隊主導の軍事訓練だ」「米軍が実動訓練に参加しようとしている。そんなことを許せば『防災訓練』は日米共同の軍事訓練に変貌してしまう」「沖縄で『防災』を語るなら、広大な土地を不当に占領し住民の『防災計画』の阻害要因となっている米軍基地を撤去することが前提だ。長年にわたって基地被害を強制し続けている米軍基地を撤去させることが必要だ。米軍が守るのは軍事機密であって住民ではない。米軍の『防災訓練』への参加を阻止しよう」「『南西諸島の防衛強化』を口実として、自衛隊が増強されている。日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体で闘おう」「『集団的自衛権の行使』容認で戦争に突き進む安倍政府を打倒しよう」「名護新基地建設を阻止しよう。辺野古現地闘争に決起しよう」。小雨がちらつくなか足を速める市民も、断固たる訴えに歩みを緩め耳を傾ける。青ゼッケンをつけた仲間が「『防災訓練』に反対しよう」とビラを差し出すと「ごくろうさま」と声をかけていく。急ぎ屋根の下に入り、ビラを読み込む姿も少なくなかった。
「県総合防災訓練」は、午後1時半より宮古島市下崎地区下崎埠頭をメイン会場、多良間島をサブ会場として実施された。宮古島北方沖を震源とする大地震が発生し、大津波が襲来するという想定だ。「訓練」は、陸・海・空三自衛隊のもとに警察、海上保安庁、消防、自治体をはじめ病院、輸送業者、ラジオ局、漁協、中学校、自主防災組織、隊友会など八六団体を組織し、約2000人を動員した。今回の「県総合防災訓練」の特徴点は、第1に陸・海・空自衛隊による「離島統合防災訓練」の一環として「県総合防災訓練」が強行されたことだ。「離島統合防災訓練」は、今年初めて実施されるもので、9月3日より渡名喜島や粟国島で行なわれた「揚陸適地調査」と「県総合防災訓練への参加」を柱とする。「揚陸適地調査」とは、エアクッション型揚陸艇「LCAC」の陸揚げ場所などを調査するもので、「防災」を口実として将来的な島の軍事利用をみこした動きだ。「県総合防災訓練」に参加した自衛隊は、陸自260人、海自170人、空自40人の計470人にのぼり、参加者全体の4分の1に達する。海自・輸送艦「しもきた」は、中城港で自衛隊車両や救急・消防車両などを搭載しメイン会場まで輸送した。「LCAC」は自衛隊車両や沖縄電力の電源車を載せて「しもきた」から出撃し、宮古島市平良の人工ビーチに上陸した。自衛隊ヘリは伊良部島の下地島空港を駐機場として使用し、初動措置の情報収集・伝達、避難民・重傷者輸送、漂流者救助などを実施した。「県総合防災訓練」は、名実ともに自衛隊主導の軍事訓練として強行されたのである。特徴点の第2は、米軍が初めて実動訓練に参加したことだ。これまでは災害時の連絡体制を確認する「通信訓練」という間接的な参加にとどまっていたが、遂に直接参加に踏み込んできたのである。具体的には普天間所属のCH―53Eヘリコプター1機によって、琉大附属病院の「災害派遣医療チーム」(DMAT)を普天間基地から多良間島へ輸送するというものだ。当日は「天候不良」を理由に米軍の輸送訓練は見送られたが、今回を起点に米軍の実動訓練への参加が拡大されていくことは必至だ。これは米軍の「災害任務」を宣伝して、米軍容認・基地容認の世論を形成しようという薄汚い魂胆でもある。
われわれは、権力やファシストの敵対・破壊策動を封殺し、「総合防災訓練」の開始時刻である1
時半過ぎまで情宣闘争を闘いぬいた。「総合防災訓練」粉砕闘争を闘いぬいた地平をおし拡げ、反自衛隊闘争の強化をかちとり反戦・反基地闘争の飛躍を切り拓くため奮闘する決意である。
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