解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

8・19釜ヶ崎で夏祭り上映集会が開催される〈大阪・釜ヶ崎〉 (1115号6面)

西成市民館で上映集会

 今年も連日の猛暑となり雨の日も多かった。例年、お盆前には多少現金仕事が出ていたが、今年はそういったことがほとんどなかった。非常に厳しい夏となった。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会(釜ヶ崎労働者の会)」は8月19日、全国の寄せ場で闘われた夏祭りの一環として、西成市民館で夏祭り上映集会を開催した。

 当日の早朝、センターでの労働相談―机出しと夏祭り上映集会への参加を呼びかけるビラまき情宣を行なった。センターには求人業者の車がとまっているが、いつもより少ない。現金仕事がないのであきらめてしまっているためか、仕事を求めてくる労働者もまばらである。「アベノミクス」がさわがれているが、いかに日雇い労働者と無縁だかわかる。

 夏祭り上映集会は、午後12時30分から開催された。はじめに、司会の仲間が開会宣言を行ない、連帯メッセージの紹介にはいる。

 東京・山谷日雇労働組合は、「建設産業では『労働力不足』と言われながら、ほとんどの日雇い労働者は恒常的なアブレ(失業)と暴力的な半タコケタオチ飯場の餌食となってきた」「東京都の特別就労対策事業の仕事削減で一層アブレに苦しんでいる。俺たちはこの厳しい夏の最中、東京都産業労働局と山谷対策係に対して、『仕事よこせ』の闘いをやりぬいた」「安倍極右政府が進める改憲と核武装の攻撃と対決し、戦争とファシズムを許さず闘いぬく」「全国寄せ場での夏祭りの取り組みと連帯し、山谷でも権力=浅警(浅草警察)の弾圧やヤクザ=天皇主義右翼ファシスト金町一家の敵対をはね返し山谷夏祭りをやりぬく」「ともに『反戦・仕事よこせ』の闘いの前進をかちとっていこう」。

 福岡・築港日雇労働組合は、「福日労は、8月9日、『集団的自衛権の行使』容認に怒りを燃やす被爆者(2世、3世)に連帯して安倍を迎え撃つべく、長崎反戦闘争を闘った」「福岡市は、『アベノミクス』が掲げる『国家戦略特区』にいち早く飛びつき、『創業特区』なるものに選ばれた。この『特区』の最大の『売り』は、『労働の規制緩和』だ。福岡市は、『10年間で50万人の雇用創出』を図ると宣伝しているが、実際に増えるのは、『非正規雇用』労働者と失業―野宿労働者だけだ」「こうした中で、『反戦、仕事よこせ』『1人の野垂れ死にも許すな』という闘いと団結を打ち固める夏祭りの意義は、ますます重要なものになっている」「夏祭りの成功をかちとり、安倍政府をぶっ倒そう。俺たち労働者に野垂れ死にを強制する奴らにこそ、生きる道はないことを思い知らせてやろう」。

 沖縄・首里日雇労働組合は、「沖日労は、声を掛け合い仲間達との日常的なかかわりを深めながら組合運動の前進をかちとるため奮闘している」「沖縄は今、名護新基地建設阻止の闘いが大きく燃え上がっている。陸上と海上を貫く激闘が連日繰り広げられている」「安倍政府は、機動隊や海上保安庁だけでなく自衛隊まで出動させて沖縄労働者人民の闘いを鎮圧しようとしている」「闘う沖縄労働者人民は、『戦争のための基地建設を許さない』『国家権力に絶対に屈しない』『次世代に〈基地のない沖縄〉を引き継ぐ』と訴え、闘いの現場に立ち続けている」「われわれは辺野古の現場に立ち、あらゆる方法で闘いを続ける」「寄せ場夏祭りの大成功をかちとり、『反戦・仕事よこせ』の闘いの前進を切り拓こう。沖縄とヤマトのより強固な連帯をうち固め、安倍政府打倒に全力を尽くそう」。

「釜ヶ崎労働者の会」が基調提起

 稲森秀司氏(ヤンマー争議当該、びわ湖ユニオン書記長)は、「本日、組合員の裁判支援のためメッセージとなりました」「ヤンマーが長浜商工会議所を通じて、顔写真などを回状配布しているためアルバイトすら断られる状況です」「2009年8月から生活保護を受給し就労闘争を闘ってきました。受給者に半ば義務づけとなる職業訓練受講のため7月29日まで毎日始発で大津市石山に通う日々でした」「私自身ヤンマーや『支援する会』やびわ湖ユニオン執行委員の理不尽な仕打ちに屈するわけにはまいりません」「警察の妨害をものともしない大阪本社前抗議情宣の効果が出て、ヤンマーは茶屋町にある本社社屋の新築を開始しました」「新社屋の落成式には、一大抗議情宣を行ない悪行三昧を暴露し、ヤンマーを更に追い詰めたいと考えております」「今後も引き続き、ご支援を賜りたいと思います」。

 以上のメッセージが、参加した仲間の拍手で確認されていった。
 連帯メッセージの紹介に続き、夏祭り上映集会の基調提起が行なわれる。

 「全国の寄せ場では、すさまじいアブレ地獄が続いている」「安倍政府は、『失業対策事業はやらない、雇用(仕事)確保はあくまで民間(企業)がやるべき』という態度だ。『高齢者特別清掃事業』(55歳以上、5700円)は月約5・5回だ。54歳以下の労働者の仕事も減るばかりだ。こんなに少ない仕事量でどうやって生きていけというのか。全国の寄せ場労働者が団結して闘いを強め、何としても『公的就労事業』(失業対策事業)を政府、行政(大阪府、大阪市)にやらせていこう!」「ヤンマー争議を闘う『非正規雇用』労働者と連帯し、『労働者派遣法』撤廃―直接雇用・無期限雇用をかちとろう!」「2012年6月、日本労働運動の新たな結集軸=全国労働組合運動交流会(全労交)の結成をかちとった。全労交のさらなる拡大を図っていこう!」「橋下―『大阪維新の会』などは、労働者の生活と闘いを破壊する攻撃(監視カメラ増設、センター機能縮小策動など)を仕掛けてきている。こうした攻撃を絶対に許さず団結して打ち破っていこう!」「大雨、猛暑の中、8・6広島反戦闘争を、核武装を叫ぶ右翼ファシスト『在特会』の敵対を粉砕し闘いぬいた。日雇労働者、下請け労働者の犠牲なしには一秒たりとも動かぬ原発。すべての原発の廃止をかちとり、日帝の核武装を阻止しよう!」「普天間基地を解体し、名護新基地建設を阻止しよう!」「俺たちに貧困と抑圧を強制し朝鮮反革命戦争へと突き進む安倍政府を打ち倒そう!」「夏祭りの成功を力にして、これからも団結して『反戦・反失業』を闘おう!」。

 基調は、大きな拍手で確認された。
 集会の最後に、2本の娯楽作品が上映された。冷房の効いた会場で涼み、冷たいお茶を飲みながら、大きなスクリーンに映し出される映像に参加者は見入った。大いに笑いくつろぎ明日からの闘いへの英気を養った。

 集会は、「団結ガンバロー」で締めくくられた。釜ヶ崎の夏祭り上映集会は、暑さに苦しめられ、すさまじいアブレ地獄に追い込まれている釜ヶ崎の日雇い・野宿労働者が、「反戦・反失業」の闘いにむけ団結を打ち固める場として大成功した。