御茶ノ水駅頭で情宣闘争
1977年8月9日、最高裁第2小法廷裁判長・吉田は無実の部落民=石川一雄氏に対し上告棄却決定を打ち下ろした。一度の口頭弁論もなく事実調べも行なわず、上告棄却を強行した。そしてわずか6日後には、上告棄却に対する異議申し立てをも棄却し、1974年10・31東京高裁・寺尾が打ち下ろした反革命差別「無期懲役」判決を確定させたのである。この上告棄却によって石川氏は31年7ヵ月に及ぶ獄中拘禁生活を強制され、今なお見えない手錠で縛りつけられている。反戦・全学連の部隊は、8・9上告棄却37ヵ年に怒りも新たに徹底糾弾するべく情宣闘争に決起した。
8月9日午前10時、反戦・全学連の部隊は御茶ノ水駅頭に登場し、青ヘルメット・ゼッケンを身につけ、横断幕を掲げ駅頭周辺にシュプレヒコールを響かせる。「8・9上告棄却37ヵ年を糾弾するぞ」「東京高裁は事実調べを行なえ」「東京高検は全証拠を開示しろ」「石川氏とともに闘うぞ」「第3次再審闘争に勝利するぞ」「狭山闘争の勝利をかちとるぞ」。その後部隊は、ビラまきとアジテーションを開始する。
アジテーションでは、狭山事件が捜査、逮捕から取り調べ、裁判の全過程において部落差別に貫かれていることを暴露しながら、石川氏の無実が揺るぎのないものであり、裁かれるべきは国家権力であること、そして、石川氏不当逮捕から五一ヵ年が経過した今、正念場を迎えた第3次再審闘争に勝利し、狭山闘争勝利にともに決起することを訴えた。情宣行動は行き交う労働者人民の注目を集め、配布されるビラは次々に受け取られていった。警視庁公安私服刑事どもは遠巻きに見ているのみで、手出しすらできない。最後に部隊全体で再度シュプレヒコールをあげて、情宣行動を終了した。
第3次再審闘争に勝利し狭山闘争勝利へ
2006年5月に石川一雄氏と狭山弁護団が東京高裁に狭山第3次再審請求を提出してから9年目に入り、狭山第3次再審闘争はいよいよ正念場を迎えている。
6月13日に東京高裁で第18回「三者協議」が行なわれており、次回の第19回「三者協議」は8月下旬に設定されている。狭山弁護団はくり返し、東京高検が隠し持つ物的証拠の開示を要求している。特に、この間、「自白」で「秘密の暴露」とされた、「被害者宅近くの車の駐車」についての捜査資料と、「死体発見直後の手ぬぐい」の捜査資料の開示を要求しているが、東京高検は「不見当」「開示できない」なる回答をくり返すばかりだ。東京高検は、弁護団によって攻勢的に提出される新証拠をはじめ、石川氏の不屈の闘い、石川の命=我が命と闘う部落大衆の闘い、それと結びつく労働者人民の闘いに追いつめられながらも、居直り続けている。東京高裁・河合も、いまだに事実調べを行なう様子はない。今こそ東京高検に対し、全証拠開示要求を突きつけ徹底糾弾しなければならない。東京高裁に事実調べを要求し、再審開始を迫っていかねばならない。
部落解放同盟内社民・こえ派は狭山闘争幕引きを図り、「狭山=『冤罪』」をますます強調しながら狭山闘争を「司法の民主化」要求運動に落し込めようとしてきた。中央闘争を「市民集会」にし、すべてを「三者協議」にゆだねようとしてきた。しかし、安倍極右政府による戦時体制形成が一挙に進むなかにあって、部落解放同盟内社民・こえ派の路線の破産は鮮明となっている。「司法の民主化」要求は、結局は安倍極右政府の司法・警察権力強化のダシに散々使われ、今では「盗聴法」改悪―野放図な盗聴拡大、「司法取引」導入―売り渡し・密告奨励にまでエスカレートしている。国家権力との闘いを回避しようとすれば、国家権力はさらに増長して露骨に屈服を迫るばかりである。狭山は国家権力との闘いであることを、何度でも確認しなければならない。
くり返し「部落差別に基づく権力犯罪と闘う」とする石川氏の決意に応える闘いを担いぬいていこう。石川氏を激励し、無念さ、怒りを共有し闘おう。司法―国家権力に対する「中立・公正」の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にし闘おう。部落解放同盟内社民・こえ派の制動に怒る戦闘的部落大衆と合流し共に闘おう。職場・地域・学園で部落差別を憎み許さず、狭山差別裁判糾弾闘争を共に闘う仲間を獲得し、階級的共同闘争を拡大していこう。大衆的実力闘争・武装闘争の爆発で正念場を迎えた第3次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。
安倍極右政府は、戦争国家体制形成に向けて突き進んでいる。「集団的自衛権行使」を容認する解釈改憲を閣議決定し、核武装のための原発再稼働・新(増)設へと突き進み、名護新基地建設を強行しようとしている。そして安倍は、「日本を世界で一番企業が活動しやすい国にする」なぞとうそぶき、「非正規雇用」労働者の拡大、「残業代ゼロ」の労働法制の改悪等を打ち出している。日帝の危機の延命のために、労働者人民にさらなる矛盾をおしつけようとしている。
このなかでますます差別主義・排外主義が台頭している。最近では右翼ファシストどもは、元「従軍慰安婦」問題に的を絞り、元「従軍慰安婦」たちに悪罵を投げつけ続けている。安倍政府も右翼ファシストに呼応し、しきりに「河野談話」見直しに言及していたが、労働者人民の反撃の前に一段頓挫していた。しかし、8月5日に「朝日新聞」が、韓国・済州島での元「従軍慰安婦」の強制連行に関する1982年の吉田清治証言を「虚偽」として、関連記事を撤回したことを捉え、自民党や大阪市長・橋下、有象無象の右翼文化人、右翼ファシストどもが一体となって、一斉に「朝日新聞」を攻撃している。「産経新聞」に至っては「『強制連行』の根幹崩れた」なぞと書きなぐる有様である。右翼勢力は、「朝日新聞」を見せしめにすることで、言論機関全体に対する圧力をかけているのだ。この恥ずべき歴史事実にフタをして、かつての15年戦争を「自衛戦争」「アジア解放の聖戦」なぞと描き出して賛美するためである。断じて許すことはできない。この他にも都議会での女性差別発言をはじめ、全国各地で差別発言・問題発言が連続している。部落解放運動においても既成勢力の屈服をさらに強制しながらの、部落解放運動総体のファシズム融和運動への再編攻撃が強まっている。
部落解放運動の革命的飛躍をかちとろう
国家権力頂点からの差別主義・排外主義煽動が吹き荒れる中、部落差別はますます拡大・激化している。全国で悪質な差別事件が激発している。部落差別落書き、差別ハガキ、インターネットを使った悪質な差別煽動が拡大している。水平社博物館前でハンドマイクで差別発言を繰り返した極悪右翼ファシスト「在特会」はさらに差別煽動を続け、「ヘイト・スピーチ」をがなりたてての在日朝鮮人・中国人に対する差別デモ、襲撃を頻繁に行ない、ファシズムへの突撃の尖兵として突出している。安倍政府は、「ヘイト・スピーチ」について「処罰立法を検討しなければならないほどの人種差別煽動は日本には存在しない」「憲法は表現の自由を保障している」などと、事実上擁護している。インターネットでの差別書き込みは、しばしば安倍擁護とワンセットになっているのである。
部落解放同盟内社民・こえ派は「告訴・告発」を前面に押し出しているが、「告訴・告発」方針は差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、差別者を自己批判させ、変革することなぞできない。とりわけ、右翼ファシストの差別煽動に対しては、徹底した撃滅戦の爆発で回答しなければならない。全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことが必要だ。
部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。ファシストどもの悪辣な差別煽動を打ち砕き、安倍極右政府の兇暴な朝鮮反革命戦争突撃と対決する部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。朝鮮反革命戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。差別主義日共=全国人権連を解体し、差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、天皇主義右翼ファシストを撃滅しよう。
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