被爆69ヵ年を弾劾する
8・9長崎反戦集会実行委員会に結集する労働者・学生は、8月9日、長崎現地において集会とデモに取り組んだ。
1945年8月9日午前11時2分、米軍爆撃機B―29は、原子爆弾を長崎の街に投下した。6日の広島に続くものだった。原爆は、その爆風と熱線によって一瞬で街を焼け野原に変え、膨大な労働者人民を虐殺した。さらに放射能は大地を汚染し、多くの労働者人民を被爆させ、1945年12月までに約7万4000人の命を奪った。その後も、放射能で白血病、ガンを発症するなど、「原爆症」の犠牲になる人々が相次いでおり、原爆犠牲者は今日までに、16万2000人を超えている。広島と合わせると、その数は約44万人にものぼる。生き残った被爆者も、「原爆症」の病苦と厳しい差別のなかで、過酷な生活を余儀なくされてきた。
原爆投下から69ヵ年を迎えて、長崎反戦集会実行委員会は、第1に、「集団的自衛権の行使」容認に踏み切った首相・安倍の「平和祈念式典」出席を阻止し、日帝の被爆責任・戦争責任の居直りと原爆犠牲者の「英霊」化を許さない闘いとして、第2に、日帝・安倍による原発の再稼働と新・増設の強行―原子力政策のゴリ押し的推進をとおした核武装化を全力で阻止する闘いとして、第三に、帝国主義の国際反革命戦争の拡大・激化と核使用の衝動の強まりに対決し、とりわけ切迫する朝鮮反革命戦争を粉砕する革命的反戦闘争として、8・9闘争に取り組んだ。
天主公園で決起集会を開催
午前10時、式典会場である平和公園の直近に位置する天主公園に結集した青ヘルメットの部隊は、断固たるシュプレヒコールで集会を開始する。「首相・安倍の式典出席を阻止するぞ」、「原爆犠牲者英霊化のための式典を粉砕するぞ」、「日帝の核武装化を阻止するぞ」、「朝鮮反革命戦争を粉砕するぞ」という闘志みなぎる声が一帯に轟き渡る。
司会を務める福岡県反戦の同志が、「『集団的自衛権行使』を叫ぶ安倍の長崎蹂躙を断じて許すことはできない。われわれの怒りを、安倍に、式典会場に叩きつけよう」とあいさつする。
次に、福岡・築港日雇労働組合(福日労)の仲間が、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会からの連帯メッセージを紹介する。名護新基地建設をめぐり、海底ボーリング調査の強行が「8月中旬から」と言われた緊迫した情勢のなか、これを阻止する闘いを準備する青年実―沖縄労働者人民とガッチリと連帯して闘う決意を、全体で固めていく。
続いて、この闘争に駆けつけてくれた元原発労働者・原発労働裁判原告の梅田隆亮氏が、連帯のあいさつに起つ。梅田氏は、「『集団的自衛権の行使』を勝手に決めた安倍首相が式典に参加するという。8月6日の広島での発言をテレビで聴いたが、心に響くものは何もなかった。昨年の発言をそのまま焼き直しただけのものだと誰かが言っていた。彼には、被爆者に向かって語れる言葉が本当にあるのだろうか。安倍首相がいたら、日本は間違いなく戦争になる。戦争で苦しむのは内外の民衆だ。絶対に戦争をやってはいけない。私の原発労働裁判は、いよいよ9月に本人尋問という一番の山場を迎えることになった。これからも、皆さんの熱いご支援をお願いしたい」と熱く訴えた。
実行委員会の同志が基調を提起する。同志は、「安倍の式典出席の目的は、反戦闘争を鎮圧し、戦争責任を追及する被爆者の闘いを圧殺し、原爆犠牲者を『お国のために死んだ英霊』として祀り上げ、新たな戦争と核武装へ突き進むことだ。核武装論者、戦争屋の安倍の出席をどうして許せるか。日帝の被爆責任・戦争責任を追及し、反戦・反核を闘う被爆者(2世・3世)と固く連帯し、闘おう」、「原発の再稼働と新・増設を狙う安倍極右政府と、電力資本のやりたい放題を許すわけにはいかない。川内原発の再稼働を阻止する闘いに全力で起ち上がろう。すべての原発の廃止をかちとろう。日帝の核武装を阻止しよう」、「革命的反戦闘争を爆発させよう。沖縄労働者人民の『戦争のための基地は、沖縄にも、どこにも要らない』という叫びと闘いに連帯し応え、ボーリング調査阻止、名護新基地建設阻止をともに闘おう」と提起し、「被爆69ヵ年を弾劾し、長崎反戦闘争を断固闘いぬこう。右翼ファシストの敵対を粉砕してやりぬこう」と締めくくった。基調は圧倒的な拍手で確認された。
権力・右翼の敵対を粉砕し、式典を揺るがす戦闘的デモ
集会の最後は、参加各団体からの決意表明だ。
反戦青年委員会の同志は、「闘う全世界の労働者人民と連帯し、革命的反戦闘争を大爆発させ、安倍極右政府打倒に突き進もう。今日は、デモで式典会場に実力進撃しよう。長崎反戦闘争から、8・24第37回全国反戦集会に突き進もう。闘う青年労働者の総結集を実現し、安倍政府打倒へと向かう巨大な戦列を築き上げよう」と訴えた。
全学連の同志は、「8・6広島では、『核武装せよ』と叫んで原爆ドーム前に登場した『在特会』に弾劾の嵐を叩きつけ、その敵対を粉砕して闘いをやりぬいた。これに続き、右翼ファシストの敵対を粉砕して本日の闘いをやりぬこう。全学連は、安倍極右政府に実力・武装で立ち向かう革命的学生運動の一大飛躍を切り拓き、今夏―今秋の闘いの先頭に起つ」と決意表明した。
福日労の仲間は、「福日労は、反戦と仕事よこせの闘いを、組合活動の二つの柱にしてきた。今日の闘争にも、日雇い・野宿の仲間たちが数多く参加している。失業も戦争もない世の中を作るために、福日労は全力で闘う。福岡日雇い団結夏祭りには、ここにいる仲間たちが全員集まって、力を合わせて大成功させよう」と発言した。
集会のしめくくりに力強いシュプレヒコールをあげたのち、実行委員会の青ヘル部隊は、式典会場に向けた断固たるデモにうって出る。部隊は、沿道の労働者・市民の熱い注目を浴びつつ、「式典粉砕」「核武装阻止」「政府打倒」の声を響かせて進撃した。デモが平和公園の脇を通る際には、「安倍の出席を許さないぞ」、「被爆者英霊化のための式典を粉砕するぞ」という、ひときわ高いシュプレヒコールを会場に向かって叩きつける。部隊は、権力の反革命弾圧、右翼ファシストの敵対を完封して戦闘的デモを貫徹し、闘いを終えた。
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