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7・9「新捜査手法」導入反対!盗聴法の拡大阻止!法制審を直撃する霞が関デモ闘われる(1113号3面)

 7月9日、「新捜査手法反対連絡会議」主催の霞が関デモが闘われた。この日行なわれる、法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」では、全刑事事件のわずか2パーセントの「可視化」と引換えに、「盗聴法」の拡大や「司法取引」の導入など、捜査手法の画段階的強化が一括採択によってなされようとしていた。

 これに対し、「新捜査手法」導入に反対する労働者、市民、弁護士などが正午に日比谷公園霞門に集合し、反対・抗議の声をあげた。

 はじめに、主催者からあいさつを受ける。「新捜査手法反対連絡会議」呼びかけ人の西村正治弁護士が、「本日、『法制審特別部会第30回』の会合が開かれ、『最終とりまとめ』が採決されようとしている。この『最終とりまとめ』には四つの問題点がある。まず、『盗聴法』の拡大だ。窃盗や詐欺など一般犯罪に拡大される。立会いを排除して、警察だけで好き勝手にできる制度に変えようとしている。つぎに司法取引だ。他人を売り渡して自分が助かるという取引をする制度、そして、罪を問わないからと言って、証言を強制する制度。こういうとんでもない制度が導入されようとしている。3番目に大問題なのは、証人の匿名化だ。証人が自分の名前が明らかになったら証言ができないと伝えたら、その証人は一切名前を明らかにしなくてもいいという、刑事司法制度を根底からひっくり返すような制度が導入されようとしている。また、取り調べの『可視化』の制度は、取り調べ側の武器になろうとしている。『可視化』の対象は、裁判員裁判対象事件などわずか2パーセントだ。裁判員裁判事件、検察独自捜査事件、これだけが『可視化』の義務だとされてそれ以外は、取り調べ側の都合でやってもやらなくてもいい。検察は独自に録画すると言っているが、捜査に役立つときに限るわけだ」「今回の採決で重大なのは、今後の課題として『室内盗聴』の余地を残した。これは特に注意しなければならない。そして、この『新捜査手法』導入に日弁連が賛成しようとしている。実に許し難い裏切り的な事態だ。これを絶対許してはいけない」「『集団的自衛権行使』の閣議決定があり、戦争準備体制に突入した安倍の攻撃が本格化している。『秘密保護法』『共謀罪』『カンパ禁止法』『テロ資金凍結法』などと一体のものとしてある今回の『最終とりまとめ』、これに断固反対しましょう」と提起した。

 続いて、「なくせ冤罪!市民評議会」の今井恭平氏から発言をうけ、デモ出発前のシュプレヒコールだ。「法制審議会特別部会」が開催される法務省に向けシュプレヒコールが叩きつけられる。デモ隊は、法務省、警視庁、裁判所、警察庁に怒りを叩きつけ、霞が関を一周するデモを貫徹した。
 デモが終了し総括集会に入る。最初に、「憲法と人権をめざす日弁連」の高山俊吉弁護士から発言を受ける。「『盗聴法』の途方もない対象拡大、要件の途方もない緩和、証人の犯人の売り渡しを含む取引を導入し、証人の名がわからなくてもいい事にするというとんでもない制度、これを作ろうとしている。これを絶対に許さない」「『戦時司法』。もっと正確に言うなら、『臨戦司法』といってもいい。戦時には簡易、迅速、重罰の司法という。簡易であり迅速であるということは、人権を無視してよろしいということだ。人権を無視していいということはどうしてかと言うと、戦争をするためだからということだ」「7月1日の『集団的自衛権』容認の閣議決定が、「特定秘密保護法」のあの決議が、この一連の動きが、戦争に今まさに、扉を開こうとしている状況にあるということと結びついているから、私たちは、この『新しい時代の刑事司法』なるものが、とんでもない食わせ物であると考えないといけないということをここにいる皆さんと確認したい。頑張りましょう」。

 司会から、今日を出発点として、さらにさらに大きな闘い、法案阻止の闘いを作り上げるべく断固として今後も闘いたいと思うと霞が関デモの集約がなされシュプレヒコールをあげ闘いを終えていった。