海保の介入を弾劾し集会開催
6月28日、辺野古現地において「ヘリ基地反対協」主催による「海底ボーリング調査反対集会」が開催された。沖縄内外から300人が結集し、テント村は熱気に包まれた。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も呼びかけに応え結集した。
午前8時前よりテント村に徐々に参加者が集まってくる。阻止船は漁港内で、カヌー隊は辺野古の浜で、それぞれ態勢を整える。そこに介入してきたのが海上保安庁である。あらかじめ集会介入を目的に待機していた職員らは、わざわざ参加者を威圧するかのようにテント村近くに立つ。乗船に対して逐次介入を行なう。露骨な介入に参加メンバーが猛然と抗議する。
8時半過ぎから議員団やマスコミらが乗船を開始する一方で、浜でのカヌー隊の準備も万端だ。その後、阻止船五隻とカヌー隊18隻は続々とテント村に面する海に回り込み、海上と陸上で向かい合いエールを交換する。その後カヌー隊は集会開始までの時間を使ってカヌー体験を呼びかけた。18年余にわたって闘いぬいてきた辺野古のオジーやオバーもテント村で座り込んだ。
10時前、テント前を埋め尽くす参加者のシュプレヒコールで、集会が始まった。はじめに「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏があいさつを行なう。「7月2日にも、政府は『制限水域』拡大を官報告示しようとしている。正当な抗議行動を弾圧するものだ。戦前と同様に民主主義を踏みにじる暴挙だ」「『制限水域』は『臨時』というが、埋立工事が終わったらそのまま『制限水域』が維持され基地の拡大となる」「7月は基地問題の大きな節目となる。怒り、抵抗運動を日・米両政府につきつけよう」と力強く訴える。つづいて10を越える団体からリレーあいさつを受けていく。「沖縄平和運動センター」のメンバーや「沖縄平和市民連絡会」の伊波義安氏が決意を表明する。会場近くで威圧するように張り込む海保や警察に対し、参加者から怒りが叩きつけられた。参加メンバーによって内閣情報調査室の介入も摘発された。「辺野古・違法アセス訴訟」弁護団の三宅俊司氏がマイクを握る。三宅氏は、「『辺野古・違法アセス訴訟』で分かったことは、日本の『アセス法』は事業者のための『アセス』で、地域住民の意見は『参考』に過ぎないということ。世界に通用するはずがない」「『埋立承認取消訴訟』の相手は仲井真知事だ。『県』の主張は、公有水面の管理は国の権限、埋め立ては自然に影響を与えない、オスプレイの騒音などはカネで解決できるというもの」「7月ボーリング調査は、私たちをあきらめさせようとするもの。絶対にあきらめない。辺野古の闘いは、日本を戦争をする国にしない闘いでもある」と裁判報告とともに反戦の決意を語る。
「ボーリング調査阻止」を決議
高江で闘う「ヘリパッドいらない住民の会」のメンバーは「国は反対運動を分断するために、高江と辺野古で同時着工しようとしている」と警戒を表明し、「二見以北10区の会」のメンバーは「新基地建設に反対する署名を集めた。10区の全住民の約3分の2にあたる981人分の署名を集め、6月27日に沖縄防衛局と『県』に届けた」と闘いの前進を報告した。
すべての発言が終了し、集会決議が読み上げられる。「『鉄の暴風』と呼ばれた沖縄地上戦で陸地が焼け野原になったあと、しまんちゅの命を救ってくれたのはこの海の豊かさであったことを、私たちは決して忘れない。その海が、陸域の米海兵隊キャンプ・シュワブの運用に伴う提供水域とされ、殺戮と破壊の訓練のために使われていることは、なんという理不尽であろうか」「万人がその恵みを享受すべき『公有水面』が、米軍提供水域として漁業や立ち入りを制限されていることは極めて不当であるが、それを置くとしても、『第1水域』は陸域の米軍施設の保安のために設けられているものであり、県民の正当な抗議行動を取り締まるために恣意的に拡大することは、日米地位協定の5・15メモにも反する基地の拡大であり、言語道断である」「海保の増員、沖縄防衛局辺野古現地事務所の増員、名護漁協への法外な漁業補償も含め、あらゆる権力と金力を用いて名護市民・沖縄県民の民意を徹底的に潰そうとする国家権力の横暴を看過することは、独裁政治と沖縄戦再現への道を追認することであり、私たちはこれを断固拒否する」と毅然として訴え、「不法・不当な『制限区域』拡大を許さない!」「サンゴ礁生態系を破壊する海底ボーリング調査を阻止しよう!」「仲井真知事は辺野古埋め立て承認を撤回せよ!」「安倍政権による暴力的な工事着工を許さない!」「日・米両政府は辺野古新基地建設を断念せよ!」の5点を全体の拍手で採択した。「団結ガンバロー」で集会は締めくくられた。
7月1日、政府は沖縄労働者人民の声を踏みにじり、「制限水域」拡大の閣議決定を強行した。併せて移設関連経費の予備費から142億円、非特定議決国庫債務負担行為として545億円の支出も決定した。さらに「建設予定地」陸上部における解体工事に着手した。これは前日夕方に沖縄防衛局が、「沖縄県環境影響評価条例」に基づく「飛行場及びその施設の設置」の工事着手届出書を「県」に提出し、1日朝から重機を使い作業を強行したものだ。既成事実をつきつけあきらめさせようという魂胆だ。だが、闘う沖縄労働者人民の意思は固い。海上でも陸上でもボーリング調査に関わる動きを阻止するため態勢をとっている。われわれはボーリング調査阻止―埋め立て工事着工阻止に向けて全力で闘いぬく。 |