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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

6・13 辺野古埋め立て阻止!名護新基地建設阻止!
「命育む美ら海を守る県民集会」を闘う
(1110号3面)

「県民集会」に500人が結集

 6月13日、「県」庁舎に隣接する「県民広場」において「辺野古新基地建設を許さない! 政府の横暴な工事着工を阻止しよう! 仲井真知事は埋め立て承認を撤回せよ! 命育む美ら海を守る県民集会」が開催された。主催は、「沖縄平和運動センター」「ヘリ基地反対協」「沖縄平和市民連絡会」を軸とする実行委員会である。雨の中、安倍政府と知事・仲井真への怒りをもった闘う沖縄労働者人民500人が結集した。呼びかけに応えて天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も結集し闘いぬいた。

 開会前、「県民広場」は労働組合や市民団体の旗で埋め尽くされる。午後6時半、司会より「辺野古の基地をとめるための出発点としよう」と開会が宣言される。

 はじめに、実行委員会構成団体からの決意表明だ。発言者は、昨年末に名護新基地建設に関する「公有水面埋立申請」を「承認」した知事への怒り、力ずくで埋め立て着工しようとする安倍政府への怒りを表明した。「平和運動センター」は、「いよいよ政府が工事を強行しようという七月が目前に迫っている。『刑特法を適用して進入者を逮捕する』という恫喝が沖縄防衛局から出されている。何も起きていないうちから、逮捕する逮捕するとはどういうことか。そんななりふり構わぬ防衛局に抗議する。県民は恫喝に屈しない」「政府は恫喝や脅しで、あるいは人員を総動員して私たちの島をことごとくぶち壊そうとしている。安保最前線で再び戦場の島とすることを許さない」と怒りを込めて訴える。「平和市民連絡会」の真喜志好一氏は、「知事がダメなら、副知事も部長も課長もダメになる。上が決めたから自分は無罪だといわんばかりの態度だ」「辺野古ではジュゴンの食み跡が見つかった。高江ではノグチゲラが森の木に巣穴をつくって二羽が巣立っている。このような自然を平気で政府に差し出す知事以下、県庁職員を変えよう」と訴える。

 つづいて、現場からの特別報告だ。「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は、政府―防衛省が進めている「制限水域」拡大について詳細に暴露し徹底批判した。「日米地位協定および『5・15メモ』で砂浜から50メートルは誰が入っても『刑事特別法』で逮捕される。『漁船操業制限法』でも同じだ。今回新たに防衛省が狙っているのは、埋め立て予定地よりさらに広がった工事のための施工区域を海岸から2キロにまで広げて、そこから私たちの抗議船を排除し、入りこめば『刑特法』を適用できるようにすること。だが、『漁船操業制限法』は、その区域で米軍演習が始まったら漁業に支障をきたすので、そのための漁業補償を決めた法律。『5・15メモ』は、水陸両用戦車やゴムボートの訓練に支障をきたすので立ち入りを禁止するもの。辺野古埋め立てのために『制限水域』を広げて、そこに入れば即刻『刑特法』を適用するなんていうのは、解釈改憲のやり口と同じだ。こういうやり方に対して『はいそうですか』というわけにはいかない。現場でカヌーを出し漁船を出し抵抗運動をやる」「安倍政府が不条理な力で沖縄の声を潰そうとする手法に対抗していく。シュワブ・ゲート前での抗議行動や海上パレードをやる」「昨年末に『埋立』承認した仲井真を三期目の知事にさせない」。次に、7月工事再開目前の高江から「ヘリパッドいらない住民の会」のメンバーが現場の状況を訴える。「高江住民は今でもゲート前に座り込んでいる。高江は今週も防衛局と作業員がきた。準備作業が来週にも行われようとしている。7月から工事が狙われているN1地区は、今まで木一本切られていない」「辺野古と高江で工事が同時進行する可能性が高い。1人でも多く高江に来て欲しい。6月29日に高江で『座り込み7周年報告会』がある。辺野古と高江と連帯して、思いを一つにがんばろう」。現場からの報告に参加者全体から大きな拍手が沸き起こった。

7月ボーリング調査阻止へ

 集会最後に、「辺野古新基地建設を許さない」「政府の横暴な工事着工を阻止しよう」「仲井真知事は『埋立』承認を撤回せよ」「辺野古の制限水域の拡張に反対しよう」という決議文が読み上げられ、全体の拍手で採択された。集会は、「団結ガンバロー」で閉じられた。集会後、国際通りをデモ行進し、ボーリング調査阻止、新基地建設阻止を市民に訴えた。

 辺野古では、7月ボーリング調査を前に動きが慌ただしくなっている。6月に入り、辺野古海域では沖縄防衛局が調査船や警戒船を出して活発に動き始めている。キャンプ・シュワブ内に出撃拠点をもつ海上保安庁も、ゴムボートを出して海上訓練を開始している。海上保安庁は、全国から船舶や人員を辺野古に集中させ、弾圧態勢を強化する構えをみせている。政府は、ボーリング調査―埋め立て工事に対する阻止行動について「個別具体的な事情に応じて、法と証拠に基づき適切に対処していく」とする答弁書を決定している。「歯向かえばいくらでも逮捕するぞ」という脅しである。政府は、圧倒的な物量作戦を駆使して阻止闘争を封じ込め、沖縄労働者人民の反戦・反基地闘争をおし潰そうとしているのである。

 これに対して闘う沖縄労働者人民は、一歩も退くことなく闘う態勢の構築に全力で奔走している。6月10日、「ヘリ基地反対協」は「辺野古新基地ボーリング調査に向けた制限水域拡大に抗議する声明」を発表し、テント村での記者会見を行なっている。「声明」は、「名護市民・沖縄県民の民意を蹴散らして何がなんでも辺野古新基地建設を強行しようとする安倍政権は、報道によれば、7月上旬にも基地建設工事に向けた海底ボーリング調査を開始する予定であり、住民・市民の抗議活動の排除を目的として漁業制限区域(立ち入り制限区域)をこれまでの『沿岸から50メートル』から『同2000メートル』と大幅に拡大することを目論んでいる。そして、住民らがその区域に入った場合には『刑事特別法』に違反する『海上犯罪』として積極的に取り締まるよう、海上保安庁に指示したことも明らかになった」「さらに政府は、ボーリング調査区域にブイを設置し、基地建設に反対する住民らが船などでブイを越えた場合、その時点で『刑事特別法』を適用して拘束や逮捕ができるようにするという。ブイ設置やキャンプ・シュワブ内にある海保施設の機能強化・人員増加等の経費などに充てるため2014年度予算の予備費から最大500億円を拠出する方針も固めている」「私たちは、安倍政権による名護・沖縄に対する畳み掛けるような暴力に、満腔の怒りを持って抗議するとともに、このような理不尽な攻撃を決して許さず、日米両政府がこの基地建設計画を一日も早く断念するよう強く求めるものである」と、政府の横暴を徹底弾劾するものである。闘う沖縄労働者人民は、全国に向けて辺野古現地への結集を発信している。埋め立て予定地付近に船を出し、来たる攻防への決意をうち固めている。有志によるカヌー練習も始まっている。われわれは、7月ボーリング調査強行を阻止するために奮闘する。埋め立て着工を実力阻止し、普天間基地解体・名護新基地建設阻止の勝利を闘いとる。