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5・23石川氏不当逮捕51年糾弾! 狭山中央闘争を闘う
(1106号3面)

 5・23闘争実行委員会が前段集会を開催

全国部落解放青年同盟がメッセージ

 午前11時、解放派と全国学生部落解放研究会連合の部隊は、日比谷野外音楽堂の入口に登場した。横断幕を広げ、ゼッケンを身につけビラまきを開始する。すでに集会に参加するため、続々と全国の部落青年・大衆が結集し始めている。「ごくろうさん」と言って次々とビラが受け取られていく。公安私服どもがビデオカメラを構え、何かあればいつでも弾圧をしかけてやろうと狙っている。部隊はこれを一蹴し、集会直前まで情宣行動を貫徹した。

 正午過ぎ、5・23闘争実行委員会が前段集会を開催する。結集する多くの部落青年・大衆から注目を集める中、神奈川県地域連合労働組合で部落解放運動を闘う仲間が司会に起ち、力強いシュプレヒコールで集会が開始された。

 まず最初に全国部落解放青年同盟からのメッセージが司会より代読される。「朝鮮反革命戦争とファシズムが接近している。そんな中で部落解放運動総体も大きな試練を迎えている。安倍政府が部落解放同盟内社民・こえ派にさらなる屈服を迫り、ファシズム融和運動への転換攻撃をすすめて来るのは必至だ」「狭山第三次再審闘争はいよいよ大詰めの局面にある。『三者協議』が17回行なわれているが、東京高検は居直りを決め込んだままである。高裁・河合が事実調べをせず、東京高検の意に沿って『三者協議』を打ち切り、いつ棄却を強行してくるのか、予断を許さない状況だ」「差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒の旗幟を鮮明にして階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で闘わなければならない」「排外主義デモや『ヘイトスピーチ』を繰り返す極悪右翼ファシスト『在特会』らとの対決は不可欠である」「朝鮮反革命戦争を実力で阻止する革命的反戦闘争をうちぬき戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう。全青同はその歴史的責務にかけて革命的部落大衆の組織化をなしきり、革命的反戦闘争を闘いぬき、部落解放の佳き日をかちとる決意を改めて明らかにする」。

全国学生部落解放研究会連合が基調提起

 全国学生部落解放研究会連合より基調が提起される。「第三次再審闘争は最大の正念場をむかえている。全国学園・職場・地域で闘う仲間を組織し、第三次再審棄却阻止、狭山闘争の歴史的勝利を実現しよう」「狭山弁護団は開示された証拠をもとに新証拠を提出し、石川氏の無実と警察・検察による証拠捏造を明らかにしてきた。3月28日、『第17回三者協議』が行なわれた。今回も東京高裁・河合は検察に対して手ぬるい態度をとり続け、自らは事実調べも証拠調べも行なわず、棄却のタイミングを虎視眈々と狙っていると言わざるを得ない。次回の『三者協議』は6月。この5月以降最大の正念場を迎える」「狭山闘争は差別裁判・階級裁判を強行し続ける国家権力を徹底糾弾し打倒する闘いである。司法国家権力との闘いを放棄して勝利をかちとることはできない。石川氏の無実は揺るぎのないものであり、裁かれるべきは国家権力である」「部落解放同盟内社民・こえ派は『三者協議』にのめりこみ、この間も歴史的な闘いである5・23闘争、10・31闘争を度々放棄してきた」「石川氏は、3月11日の埼玉集会で『自分が部落民でなかったらこんな不当な判決ではなかった。後の裁判はないという気持ちで力をかりたい』と決意を明らかにしている。石川氏の決意に応える闘いを緊張感を持ってやりぬいていこう」「差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒の旗幟を鮮明に戦闘的部落青年大衆と連帯し、階級的共同闘争、大衆的実力闘争・武装闘争で第三次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を粉砕し、日帝の朝鮮反革命戦争突撃と対決する革命的部落解放運動の飛躍を切り拓こう。部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へ闘いぬこう」「安倍極右政府は差別主義・排外主義を強めており、朝鮮反革命戦争へ突撃しようとしている。安倍極右政府の兇暴な改憲・核武装攻撃と対決しよう。戦争遂行の安倍政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう」。

結集した闘う仲間からの決意

 集会に結集する各団体からの闘う決意を受けていく。東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「部落差別を許さない、安倍政府を許さない、自らの解放は自らの闘いでかちとるという核心のもとに断固として闘いぬこう。日雇い労働者が部落大衆とともに反戦・反差別の闘いに断固としてたちあがる」。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「徹底した実力糾弾闘争で狭山闘争の歴史的勝利をともにかちとっていこう。本日、釜ヶ崎からも大勢の仲間が結集し、闘いぬいている」「改憲・核武装に突撃する安倍政府を打倒する闘い、仕事よこせの闘いを釜ヶ崎からも最先頭で闘っていく」。福岡・築港日雇労働組合の仲間は、「福日労は狭山闘争が培ってきた『1人はみんなのために、みんなは1人のために』を組合のモットーにして『1人の野垂れ死にも許すな』『生きてやり返せ』とがんばる」「安倍政府は『集団的自衛権の行使』にむけて暴走している。こんな政府はぶっ倒してしまおう。福日労は皆さんとともに狭山闘争の勝利のために本日の闘いをがんばる」。徳島大学部落解放研究会は、「社会の矛盾に切り込むこと、この社会を根底から変えること、それが学生の責務であると考える。闘う学生とりわけ部落出身学生を1人残らず組織し、戦争に向かうこの社会を根底から変革し、普遍的人間解放の歴史的事業に向けて、戦闘的に最先頭で闘っていく」。「障害者」解放戦線で闘う仲間は、「狭山事件は『冤罪事件』ではなく、司法・国家権力による部落差別に基づいた差別事件だ。第三次再審勝利を石川氏と共にかちとっていこう」「ファシズム優生思想と対決し、政府、国家と闘っていけるのは『障害者』自身が命をかけて闘う差別糾弾闘争しかない。全国『障害者』解放運動共闘会議の運動の前進をかちとり全国の闘う仲間とともに差別糾弾闘争の前進を実現する」。東部朝鮮史研究会は、「石川氏の怒りと無念をわがものとし、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争の爆発で狭山闘争の勝利をかちとっていこう」「日朝連帯活動者会議が5月25日、『光州蜂起34ヵ年 日朝連帯集会』を開催する。多くの仲間が参加されるよう訴える」。反安保労研全国センターは、「袴田さんはボクサーだから乱暴者でこんなひどい事件をおこしたという偏見で犯人にデッチ上げられた。狭山の石川さんは部落民ならやりかねないという許し難い差別・偏見で犯人にデッチ上げられた。こんなことを許しておいて労働者の解放はないし、部落の解放もない」「増税が労働者人民を苦しめ、ブラック企業がアルバイトまで病気にして『雇止め』にしている。これを打ち破る団結を打ち鍛え、安倍政府打倒に総決起しよう」。全学連の仲間は、「狭山事件は最初から部落差別に貫かれた事件だ。日帝国家権力を守るために1人の無実の部落の青年を生贄にした許し難い事件だ。大衆的実力糾弾で闘っていこう」「いまだかつてない日帝の戦争突撃に対し、革命的反戦闘争を闘い、安倍政府打倒に向け闘っていこう」。最後に、全国反戦の仲間は、「石川氏の無実を百も承知の上で獄につなぎとめてきた国家権力を許すことはできない。石川の命、我が命として闘いぬかれてきた狭山闘争を、国家権力糾弾打倒の闘いとして闘いぬく」「朝鮮反革命戦争とファシズムの危機を蜂起―革命戦争に転化し、安倍極右政府を打倒し、労働者階級の政府をうちたてる。安倍極右政府の戦争突撃と真っ向から対決し、6・15安保粉砕・政府打倒全国統一行動に総決起していこう」。

 全体で力強いシュプレヒコールをあげ本集会へと合流していった。

日比谷野外音楽堂で本集会

中山、中北両弁護人が弁護団報告

 会場内はいつもより多くの結集であることが感じられ、狭山第三次再審闘争が正念場であることを実感させる。午後1時、「冤罪51年! 袴田再審開始に続け! いまこそ証拠開示と事実調べを!」と題した集会が開始される。弁護団報告ではまず最初に中山主任弁護人が、「『第17回三者協議』は3月28日午後4時から開催された。前日27日に袴田さんの再審開始が決定された。国家が1人の個人を陥れたとマスコミが大きく報道した。その中での『三者協議』であった。狭山事件は捜査の問題が大きな争点、裁判所は批判的に捜査に目を向けていただきたい。検察官に対しても、『今再審の証拠開示は大きな流れである。全面的に近い形で証拠開示をしていただきたい』という申し入れを行なった。東京高裁の門野裁判長が筆跡、死体、犯行現場、取り調べ関係の証拠開示勧告をして証拠開示が行なわれた。そのことが袴田事件にも影響して、600点近い証拠が開示されてそれが再審開始につながった。全国の他の再審事件にも狭山事件の証拠開示が影響を与えて、証拠開示が進んでいる。狭山事件が切り拓いたものであることは、誰もが認めるところだ。私たちは、まだ隠されている証拠、証拠リストの開示を求めている。6月中旬に、『第18回三者協議』が行なわれるがそのときの焦点の一つにもなる。すでに136点の新証拠を出しているが、今後もう一点、石川さんの『自白』テープの録音の鑑定書を出す。そして、引き続き証拠開示を求めるとともに全面的な補充書の提出、事実調べの実施、再審開始を求めていく。今本当に大切な段階に入った。今の大きな流れの中で、従来の枠組みを超えた狭山事件の支援を訴えてほしい」とした上で、東京大空襲の原告団の方々も来られていると紹介し、「平和や人権や人間の尊厳を求める闘いは全部根底でつながっている。私たち狭山事件も多くの人たちと連帯して、袴田事件の次は狭山事件だと共にがんばろう」と訴えた。中北弁護士は、「この5月の連休明けに石川さんの取り調べの録音テープをもとに『自白』の信用性を分析した鑑定書を提出した。警察が、『筆跡鑑定でお前が脅迫状を書いたことが明らかになっている。書いたかどうかではなく、なぜ書いたかを言う義務があるんだ』と繰り返し強要し、『自白』に追いやったということが明らかになっている。証拠開示に比例して石川さんの無実、有罪判決の誤りがどんどん明らかになっている。しかし、開示されたものはまだまだ一部。弁護団は、証拠リストの開示を求めている。これを足掛かりに証拠開示を広げ、それを踏まえて新証拠を出していく。そして、事実調べを迫る」とした。

石川氏の決意表明と戦闘的デモ

 いよいよ石川氏の出番だ。部隊は立ち上がり、大きな拍手と声援を送り、集中して聞き入る。「残念ながら不当逮捕されてから51年を迎えてしまった。全国各地から兄弟姉妹をはじめ多くの人たちがここにご参集いただき、本当にありがとう。私たち夫婦はこれからも無罪をかちとるまでお互いに手を携えながらがんばっていこうという不退転の決意であるが、来月予定されている『三者協議』において、裁判官が勧告した三項目の証拠を含めすべての証拠を私たちの前に明らかにさせるには、みなさんのお力添えが必要だ。51年のこの年月で決着をつけられるように一層のご支援ご指導を賜りたく、声を大にして訴える。ぜひとも石川一雄が元気な間に無罪をかちとれるように、より一層のご尽力を賜りたく、この場をかりてご挨拶をさせていただく」と言って次の歌を披露した。「縄うたれ 51年前の今日 苦難の道のり 夢想だに無く」。そして、「まさに私は夢にも思わなかった。51年もの長い年月、殺人犯のレッテルを貼られたままでいるなんて考えていなかった。騙されたとはいえ『自白』してしまった。皆さん方に長い年月ご迷惑、ご心配かけているのは申し訳なく思うが、なんとかこの三次で勝利できるように、さらにご指導賜りたくお願いする」と訴えた。この石川氏の無念さをしっかりと受け止め、部落差別への怒り、国家権力への怒りにかえて闘っていかなければならない。石川氏の決意に応え狭山闘争の歴史的勝利へと先頭に起って闘っていかなければならない。

 基調提起の後、足利事件の菅家氏、布川事件の杉山氏、桜井氏から連帯発言があり、特別報告として「袴田氏を救援する会」の山崎氏に続き袴田巌氏が姉のひで子さんとともに元気な姿を見せた。石川氏としっかり握手を交わした。そして、集会アピール、閉会あいさつで集会が締めくくられた。

 集会後、5・23闘争実行委員会の隊列は、会場からデモへ起つ全国の部落青年・大衆に共に闘う決意を明らかにし、シュプレヒコールを行ないアジテーションを開始する。「階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で闘うことが勝利をかちとる道だ」「裁判所、検察を包囲する闘いを共に闘いぬこう」「石川氏の怒りと無念さを共有して闘おう」「第三次再審闘争に勝利しよう」「6・15安保粉砕・政府打倒全国統一行動に総決起しよう」「安倍極右政府を打倒しよう」と訴える。そして、5・23闘争実行委員会の部隊もデモへとうって出る。首都中枢を圧倒的デモ隊列が席巻する。道行く人々の圧倒的な注目を集めながら最後まで戦闘的デモをうちぬいた。

 今こそ石川氏の怒りと無念さを共有し、第三次再審棄却を許さない闘いを司法―国家権力に叩きつけていかなければならない。〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの基調を一歩も後退させてはならない。狭山闘争の幕引きを加速する部落解放同盟内社民・こえ派の制動を突破し、石川氏を激励し第三次再審闘争勝利、狭山闘争の歴史的勝利へ断固として進撃しよう。差別主義・排外主義煽動を粉砕し、差別糾弾闘争を断固闘い、部落解放運動の革命的飛躍を切り拓こう。