5月22日、午前10時から中央労働委員会において「ヤンマー不当労働行為事件」の「第4回調査」が行なわれた。当該である稲森氏は、職業訓練校に通うため今回も欠席となるため当該抜きの組合側と使用者側の「調査」となる。
公益委員より組合側から提出された主張書面、救釈明の回答書面などの確認がなされ、その後、公益委員から主張書面についての質問がなされる。主張書面では、びわ湖ユニオンは、2011年3月11日の結成以前より、「ユニオン関西滋賀長浜地域支部」において活動をしていたとの主張があり、同一性の有無について確認がなされた。また、稲森氏を「申立当事者」として「追加申立」することについても確認がなされ、公益委員は、「追加申立」について、規定上から当事者の意見を聞き判断し、整理して明確化していく必要性を説明した。その後、主張書面について、「再雇用」の募集を知らせなかったことと会社側から募集の申し込みをしなかったことの主張の維持、また「再雇用要求」と「『雇い止め』撤回要求」の主張の整理など、前回課題となっていた点や、今回新たに主張している点について、一つひとつ確認していく。初審にも関わるとして、組合側の主張は、「再雇用要求」と「『雇い止め』撤回要求」、そして「再雇用」の募集を知らせなかったことと会社側から募集の申し込みをしなかったことであることは、「不利益な取り扱い」であるとして、雇用継続への「期待権」があるという主張であるが、「JR不採用事件」の枠組みを見た場合、「特段の事情」を根拠づけるものとして、「一般的な雇用継続への期待」で足りるということなのか疑問を呈した。そして、「雇い止め」自体が「不当労働行為」であるということであれば、これまで更新をし続けてきたということで、雇用継続への「期待」と言うことはありうるかとおもうが、2010年の前件で「雇い止め」については判断がなされているということの上で、「JR不採用事件」の枠組み自体が妥当でないということが前提として主張されているので、前件の判断とは別に「『雇い止め』撤回要求」が「不利益な取扱い」に該当するとする時の「特段の事情」を基礎づける事実は何かとした。弁護士は「何かしら『不当労働行為』の別個の理由があったと考えている」と述べ、公益委員は「『不当労働行為意思』がなければ雇用は継続していたという主張か。最高裁判決とも若干関係性がある。そのことが『特段の事情』に含まれるかどうかという問題」とし、考えがある場合にはその考えを提出することを求めた。組合側は、稲森氏の「証人申請」については、稲森氏の職業訓練が7月いっぱい続くことから、それが終了してから争点を整理して行ないたい旨を伝え、「申請」をするとし、びわ湖ユニオンとユニオン関西についての立証も、今後も資料を整理して、稲森氏の「申請」と合わせて提出すると述べた。次回期日を、7月23日、午後1時30分と決定し、「第4回調査」が終了した。
今回、組合側は稲森氏個人を「申立当事者」に追加している。前組合の「アルバイト・派遣・パート関西労働組合長浜分室」の時の不当決定を「びわ湖ユニオン」で訴えるのは無理があるため、「当事者」として稲森氏を追加したのだ。「特段の事情」については今後論点を整理していくとしている。2003年の「JR不採用事件」の最高裁判決では、「労働組合員であるが故の不採用は特段の事情がない限り、労組法七条一号本文の不利益取扱にはならない」とする不当な判決がなされている。組合員であることを嫌い、報復的に「雇い止め」にし、さらに「再雇用」の募集があったにも関わらす、そのことを知らせることすらしなかったのは、「採用差別」であり「不当労働行為」である。
稲森氏は、職業訓練の合間を縫って大阪本社前で抗議行動を続けている。職場復帰をかちとるまで闘うと決意を明らかにしている稲森氏とともに抗議行動、争議支援を担い抜いていこう。
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