5月11日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、陸・海・空三自衛隊による「統合実動訓練」粉砕闘争に決起した。この間、「尖閣諸島」(中国名・釣魚列島)を念頭においた対中国挑発演習が沖縄周辺で繰り広げられている。また「南西地域の防衛態勢の強化」のもとで、沖縄の自衛隊の増強・強化が加速している。青年実は、昨年10月末に、沖大東島(北大東村)での「離島奪還訓練」を眼目とする陸・海・空三自衛隊の大規模投入による自衛隊「統合実動演習」粉砕闘争を闘いぬいた地平を引き継ぎ、「統合実動訓練」粉砕闘争に決起したのである。呼びかけに応えた沖縄・首里日雇労働組合も闘いに結集し、「米軍も自衛隊もいらない」と訴えた。
正午、パレットくもじ前(那覇)に登場した部隊は、ただちにビラまきとアジテーションを開始する。「奄美および沖縄周辺で自衛隊『統合実動訓練』が強行されている。戦争のための軍事訓練を粉砕しよう」「安倍政府は、自衛隊の無制限・無制約の武力行使に道を拓く『集団的自衛権の行使』容認に突き進んでいる。9日には『国民投票法』改悪案も衆院を通過した。改憲攻撃を阻止しよう」「安倍政府は、辺野古埋め立て着工を知事選前に前倒しすることを検討している。断じて許してはならない。名護新基地建設阻止の大闘争をつくり出そう」「『復帰』から42年が経つ。今も沖縄は広大な土地を軍事基地に占領されたままだ。5・15闘争に決起し、すべての基地を撤去する闘いを前進させよう。沖縄―日本『本土』を貫く闘いで安倍政府を打倒しよう」「醜悪な『ヘイト・スピーチ』をまき散らすファシスト撃滅し闘おう」。断固たる訴えが市民や修学旅行生の注目をひく。ビラは吸い取られるように受け取られていった。
今回の自衛隊「統合実動訓練」はマスコミ報道も少なく、「訓練」の詳細は不明だが、「島嶼防衛」を掲げた「強襲上陸訓練」は、この間の「統合実動演習」や日米共同演習において最も重要視されている訓練である。その主軸となっているのが陸自・西部方面普通科連隊だ。同部隊は、「離島防衛・奪還作戦」を専門とする特殊部隊であり、2018年までに「水陸機動団」への改編が狙われている。新「防衛大綱」に明記された「水陸機動団」は三連隊約3000人の部隊で、新設が予定されている「陸上総隊」の直轄部隊として設置される。連隊のうち1つは西部方面普通科連隊の改編、残り2つは奄美や沖縄への配備が狙われていることは間違いない。今回の奄美における「強襲上陸訓練」は、「南西地域の防衛態勢の強化」のもとで新たな自衛隊配備をも視野に入れながら強行されているのである。それは、朝鮮反革命戦争遂行を想定した部隊再編である。南西諸島一帯の制海権・制空権を確保し、日・米共同の朝鮮反革命戦争をやるための態勢づくりだ。安倍政府は、「積極的平和主義」なるお題目を前面に掲げて軍事力を強化し、本気で戦争をしようとしているのだ。
反戦・反基地闘争への決起の呼びかけに対し、多くの市民から共感の声が寄せられる。「ごくろうさま」と声をかけていく女性や、「友人にも読ませたいから」といって複数枚ビラをもらっていく人もいる。修学旅行生もアジテーションを聴き、次々とビラをとっていく。われわれは、権力・ファシストの介入を封殺し、約1時間の情宣闘争で、用意したすべてのビラを撒ききった。
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