4月7日、「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」が呼びかけた国会前行動が闘われた。
安倍極右政府の下で、教育の国家統制が強まってきている。政府は、自治体の首長が教育行政をコントロールしやすいように現行の教育委員会制度を改編しようとしている。そのために「地方教育行政法」改悪案を四月四日に国会に提出した。戦後教育が政治からの独立性・専門性の確保として掲げてきた地平を根底からひっくり返し、教育の国家統制、戦争動員のための学校へと変質させられようとしている。改悪案の成立が四月中にも狙われている。
「包囲ネット」の仲間たちは、午後1時に国会に面した衆院第2議員会館前の歩道で横断幕を掲げ、まずシュプレヒコールをあげる。
「教育委員会制度解体阻止!」「教育の国家支配を許すな」「教科書検定制度改悪反対!」「道徳の教科化反対!」「国家による道徳の強制反対!」「『日の丸』『君が代』強制反対!」「竹富町へのつくる会教科書おしつけ反対!」「文科省は是正指導するな!」とシュプレヒコールがたたきつけられた。
「包囲ネット」のA氏は、「安倍内閣は『戦争国家化』することを狙っている、安倍の『教育再生実行会議』による教育委員会制度の解体もその一環である」「東京都教育委員会が石原が都知事に就任して以降、『君が代』不起立処分など東京都の教育行政が現場に介入し教育の荒廃をもたらしてきた」「今回の教育委員会制度の解体攻撃は全国の教育委員会を東京都の教育委員会のようにするもの」と批判した。
「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の岩木共同代表は、「2003年の10・23通達からのべ400人以上が『君が代』不起立で処分されてきた。被処分者たちは裁判闘争で処分の取り消しを求めて闘ってきた。10・23通達発出時の知事だった石原慎太郎は最近のインタビューで『僕、国歌なんかは歌わない』などと答えている。石原自身が歌わないのに、現場の教職員に強制することの是非が問われる。また、東京都は実教出版社の教科書の記述に文句をつけて教科書選定からはずすなど採択について介入を続けてきている」と不起立処分の報告と教科書検定制度の改悪について弾劾した。
午後2時に一旦、アピールを中断し、午後3時40分から再び抗議行動を再開する。再開されたアピールとリレートークでは千葉県の高校に勤務する現職の教育労働者、世田谷の小学校を退職した元教育労働者が学校現場の状況について報告を行なった。また、東京・山谷日雇労働組合の仲間が、「包囲ネット」の呼びかけた「卒業式の校門前チラシ撒き」に参加したこと、今後も「君が代」処分と対決し闘う教育労働者と連帯していく決意を明らかにした。
最後にA氏は「この大事な問題に対して、誰も国会前で声をあげなかったなんて事は許されない。連続して声をあげていこう」「4月14日、4月21日にも2時から『国会前抗議行動』に集まろう」と呼びかけ、再びシュプレヒコールをあげ午後5時前に行動を終えていった。
この行動には約30人の仲間が結集し、東京・山谷日雇労働組合、神奈川県地域連合労働組合の仲間も合流した。
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