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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・18東京総行動を闘う (1093号3面)

ヤンマー東京支社前で抗議行動

 2月18日午前10時半、東京駅八重洲口にあるヤンマー東京支社前には次々と支援者、街宣カーが結集してくる。東京・山谷日雇労働組合と東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合の仲間も、ヤンマー争議当該が就業支援学校に通うため参加できない悔しさを受けて全力で支援に駆けつけた。

 首都圏なかまユニオンが司会にたち、びわ湖ユニオンの「非正規雇用」労働者に対する不当な「雇止め」と「再雇用」拒否に抗議する主旨が行きかう労働者に告げられ集会が始まった。最初に、「けんり総行動実行委員会」からあいさつが行なわれる。「この闘いは、今まさに安倍政権が行なおうとしている労働法制の改悪―『労働者派遣法』の改悪に対する闘いと会社にものを言う労働組合つぶしの攻撃に対する闘いとして闘われなければなりません。元の職場に一刻も早く戻るために稲森さんを支援し、解決に向けて闘いをますます進めていきたいと思っています。共に闘おう」。司会から、本日ヤンマー争議当該が就労支援学校に通うため来れないとの報告がなされ、ヤンマー争議を闘っているびわ湖ユニオン執行委員長・田中氏からヤンマー争議のきっかけと稲森氏が解雇されるまでの簡単な経過が説明される。田中氏は、さらに「中央労働委員会では団体交渉において稲森と佐々木については採用する意思がないということをヤンマーが言明したこと、そしてまた、派遣会社を通じての就労についても妨害したこと、これらを救済し、稲森秀司を職場に復帰をさせることを求めて中央労働委員会闘争を継続している」「2009年2月15日に解雇されたことは不当労働行為であることは明らかです。その後も彼らを排除し続けたそのすべての過程についてヤンマーの不当労働行為意思が働いていたということを立証しながら闘いを進めていきたい。引き続き皆さんのご支援ご協力をお願いします」と訴えた。続いて、連帯あいさつとして全造船関東地協から「労働者の賃金はどんどん『非正規』という形で下限がなくなるというとんでもない時代が今進んでいる。企業だけではなく政府自身もこうした労働者を生み出し、文句言う労働者は次々追い出していく。私たちはこれを許してはならない。ヤンマーは労働者の使い捨てなど劣悪な労働者の使い捨てを改めるべきだ。共にがんばろう」。全統一井上眼科病院分会は、「派遣のスタッフには食堂を利用させないなどひどい差別が続いている。私はそれを改善しようとした矢先に病院から解雇された。このようなことを病院の中から無くすまで闘い続ける」、JAL解雇撤回裁判の原告は、「日本航空は業務縮小に伴う人員整理の必要性から、やむなく整理解雇をしたとしている。しかし、人員削減目標も達して、営業利益も上げていた。まったく必要のない解雇だったことが判明した。組合つぶし目的の解雇であると法廷で主張、立証してきたが、東京地裁は解雇有効との不当判決。解雇自由の社会へ後押しをするこの地裁の不当判決をぜひとも覆させるべく、不当解雇撤回、現職復帰を求めて勝つまで闘います。ご協力を引き続きお願いします」と訴えた。最後に、ヤンマー東京支社に対して抗議のシュプレヒコールが叩きつけられ、「団結ガンバロー」でヤンマー東京支社前の行動を終えた。

日本経団連前でけんり総行動春闘集会

 正午過ぎ、日本経団連前には二手に分かれて行動していた参加者が続々と結集してくる。東京全労協議長・纐纈氏が司会にたち今日の行動を簡単に説明し、抗議と要求申入れを行なっていくとあいさつする。続いて、「けんり春闘全国実行委員会」共同代表の全労協議長・金澤氏は、「『連合』は2月6日に決起集会を開き、定昇はもちろんベアを最低でも1パーセント以上獲得すると言っている。消費税増税などで単純計算でも現状の生活を維持するには5パーセントの賃上げでなければならない」「成長戦略の中での労働法制の限りない規制緩和と、安倍がトップセールスをしている原発の輸出、武器輸出三原則の大幅な緩和による武器輸出がある。今年の春闘は自らの大幅賃上げ、生活し安心して働けることを獲得すると同時にそういった政治課題も闘わなければならない。自身の組織をかけて生活も雇用も守っていく闘いを本日を皮切りに闘っていこう」。各団体からの決意に移る。全造船関東地協・持橋氏は、「私たちは国際連帯活動ということで、フィリピントヨタ労組の支援をはじめ、戦後保障の闘いも取り組んでいるため、経団連とはずっとけんかし続けている。経団連には国際的にもきちんとした対応をしてもらいたい。労働組合がきちんとコントロールしないといけない。労働組合の力は非常に重要だと思う。われわれの力を示していくことが、資本主義の妄想を防止する力にもなるんだということを確認したい。共に闘おう」。全統一労働組合副委員長・鳥井氏は、「昨日、全統一労働組合の分会で全員が組合員の職場でストライキ闘争をやり、お昼にはストライキを収集して全面的に勝利するという結果をかちとりました。ストライキは強い。職場の主人公は労働者だということを実感したストライキだった。『非正規雇用』、未組織労働者にとって労働組合が役に立つということを総行動で自信をもって示せる」「(中国からの技能実習生の問題に触れながら)次期経団連会長が労働力が足りないならとにかく外国人を雇え。期間は5年間にしろと言っている。オリンピックまで外国人労働者を使い捨てにしろといっているんです。こんなことを労働組合として許してはならない」。全国一般東京東部労組の須田書記長は、ワタミに2008年に正社員で雇用されていた女性が入社わずか2ヶ月で過労自殺に追い込まれるという「ワタミ過労死裁判」の第1回の口頭弁論の報告をしたうえで、そして「本来経団連はそうした過労死を招く企業にたいして厳しく指導しなければならない立場。なのに安倍政権と一緒になって何時間働いてもいいように労働時間の緩和、残業代を払わなくていいという過労死促進、残業代ゼロ法案などの攻撃を推し進めている。何人殺せばすむのか」。「郵政産業労働者ユニオン東京地本」「JAL不当解雇撤回裁判原告団」から闘う決意が続き、日本経団連に対する要請行動が取り組まれた。しかし、ガードマンが入り口に立ちふさがり一歩も中に入れない、要請書さえ受け取らないという拒否の対応に、シュプレヒコールが叩きつけられる。最後は、「団結ガンバロー」で日本経団連前の行動を終える。

トヨタ東京本社前で怒りの抗議行動

 午後1時30分、日本経団連前での行動後、参加者は再度二手に分かれそれぞれ次の抗議先に移動を開始。水道橋にあるトヨタ東京本社前には次々と参加者が結集し抗議行動が開始される。まずはじめに、総行動の代表である東京全労協事務局長・久保氏から、「経団連の姿勢がトヨタの悪行の姿勢になっている。自動車産業は好成績で莫大な余剰金を抱え込み、それを労働者に還元しようとしない。安倍は賃上げを謳っているが、労働条件の改善は自分たちの手でかちとってこそ本当の意味での賃金確保ができる。『非正規雇用』労働者や未組織の労働者の賃上げを大衆行動でかちとっていこう。フィリピンで闘っている労働者と団結してこの行動を成功させよう」。続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の山際氏は、「トヨタは労働者がしっかり働いているからこそ大きな利益が上げられている。労働者が働いて回りまわってトヨタの利益につながっていることをしっかりと受け止めなければトヨタの未来はない。ILOから六度も勧告を受けていることを受け止め、ILOに従って早期の争議解決を考えるべきだ」、「全造船関東地評」の早川氏は、「トヨタは233人を解雇した。明らかな組合潰しです。トヨタが裁判所に対して、フィリピン政府に対して工作して最高裁では解雇は有効とされた。ILOから6回も勧告を受け、こんな解雇が国際労働法で通用するはずもないのに、トヨタはそれを破って解雇をしている。現地では、日本の闘いと連動して、雇用労働省や政府に対しての抗議行動が取り組まれている。フィリピンでは雇用労働省が窓口を開け、積極的に解決に向けて動き出している。今こそトヨタは一日も早い争議解決に乗り出すべき。勝利のために皆さんと共に闘って行きたいと思っている。最後まで共に闘おう」。支援する会の小島事務局長から現地フィリピンでの行動が報告され、トヨタに向けてシュプレヒコールが叩きつけられる。「JAL不当解雇撤回裁判原告団」から連帯あいさつがなされ、最後に「団結ガンバロー」でトヨタ東京本社前行動を終えていった。