2月7日午後2時から、航空自衛隊・築城基地(福岡県築上町など)の正門前で、「NO! オスプレイ『日米共同統合防災訓練』抗議行動」が取り組まれた。毎月「2の日」に築城基地撤去を求めて座り込みを続ける地元住民団体「平和といのちをみつめる会」の主催だ。福岡・築港日雇労働組合(福日労)も、この闘いに参加した。
防衛省の事前の発表では、今回の「日米共同統合防災訓練」は、「南海トラフ巨大地震」への対応を謳い文句にしたもので、「高知県沖の太平洋でマグニチュード9・1の地震が起き、沿岸部に30メートル超の津波が発生した」という想定で、陸・海・空三自衛隊の統合部隊と在沖米海兵隊が参加し、米軍・普天間基地配備のMV22オスプレイ一機も参加する予定だった。オスプレイは、米軍・岩国基地(山口県岩国市)から「災害支援」の陸自部隊を現地に送り込み、土佐市沖の海自・護衛艦「ひゅうが」に着艦、「救助者」を空自・築城基地に運ぶという計画である。「防災訓練」「被災患者救助」に名を借りて、オスプレイの築城基地の使用を既成事実化することがその狙いだ。築城基地をオスプレイの飛行訓練拠点として定着させるための突破口だ。
これに対して「平和といのちをみつめる会」はこの間、「防災訓練だとしているが、オスプレイを基地に飛来させることが目的だ」だとして、訓練そのものに反対し、築城基地のある築上町や、行橋市、みやこ町に対して訓練を認めないよう要望し、さらに2月の「2の日」には、「訓練中止」を求める防衛大臣宛ての申し入れ書を基地に突きつけるなどの行動を重ねつつ、この日の抗議行動を準備してきた。
当日は、九州北部が悪天候となり、在沖米海兵隊が「天候不良」「視界不良」を理由に参加を取り止めたため、自衛隊だけの訓練となった。したがってオスプレイの築城飛来も中止となったが、築城基地正門前には、雪まじりの冷たい雨が降るなか、多くの労働者・市民が集まる。
午後2時、集会が開始される。「平和といのちをみつめる会」の代表が、「オスプレイ飛来が中止になったが、築城をはじめとした日本全国オスプレイ体制作りに明確な『NO!』の意思を突きつけていきたい」とあいさつする。続いて、参加者が次々に発言に立ち、福日労の仲間も、「築城基地のオスプレイ飛行訓練拠点化を阻止しよう。『戦争のための基地は沖縄にも、どこにも要らない』という沖縄労働者人民の叫びに応えて、名護新基地建設阻止、築城基地撤去に向けて闘う。福日労委員長に対する1・28『暴処法』弾圧はまったくのデッチ上げであり、政治弾圧だ。来月の『2の日』には委員長とともに参加できるよう、一日も早い奪還を目指して闘う」と発言した。
締めくくりに、「平和といのちをみつめる会」の代表が、「訓練は『南海トラフ巨大地震に備えるため』と言っていたが、この雨で米軍の訓練参加が中止になるのなら、南海トラフ巨大地震というのは穏やかな晴れの日にしか起こらないと想定していることになる。今回は、私たちの運動が勝ったからではなくて、米軍が天候に負けただけ。これからもオスプレイ飛来を許さず、基地撤去に向けて闘う」と、笑いを交えて発言した。
最後に、参加者全体で「オスプレイは来るな」「飛行訓練を許さないぞ」「自衛隊のオスプレイ導入を許さないぞ」「築城基地を撤去するぞ」と、基地に向けてシュプレヒコールをあげ、闘いを終えた。
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