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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

3・9内田「死刑」判決50ヵ年糾弾!
浦和地裁(現さいたま地裁)包囲糾弾闘争へ
(1089号6面)

内田―反革命差別「死刑」判決50ヵ年徹底糾弾

 1964年3月11日、浦和地裁・内田は無実の部落民=石川一雄氏に対して、「死刑」判決を打ち下ろした。1963年5月1日に起きた「女子高生誘拐事件」で警察権力は、身代金を受け取りにきた犯人を40人以上の厳戒態勢の中で取り逃すという失態を演じた。世論からの批判が集中し、焦った警察権力は「生きた犯人を捕まえろ」という国家公安委員長の号令の下、「犯人は知能程度が低く、土地の事情にくわしい者」として被差別部落に200人以上もの捜査員を動員し差別捜査を集中した。そして当時アリバイがあまりなかった石川氏に目をつけ、無理やり別件での不当逮捕を強行した。警察権力は、連日昼夜問わずの拷問的な取り調べを行ない、「自白すれば10年で出してやる」「自白しなければおまえの兄を逮捕する」とウソとペテンを弄し、石川氏にウソの「自白」を強要したのである。

 浦和地裁・内田は、石川氏の少年時代を「小学校すら卒業せず、他家で奉公人として過ごし、家庭的な愛情に恵まれることがなかった」「そのことは人格形成に強い影響を及ぼした」と、被差別部落への差別意識をむきだしにし、「部落は悪の温床」「部落民ならやりかねない」という予断と偏見のもと、十分な審理もせず公判開始からわずか半年のスピード審理で石川氏に「死刑」判決を打ち下ろしたのである。この内田の反革命差別「死刑」判決こそ、狭山差別裁判の元凶であり、石川氏に31年7ヵ月もの獄中監禁生活を強制したのだ。事件発生からすでに51年、内田「死刑」判決からも半世紀の50年を迎える。石川氏は、今現在も「見えない手錠」で縛り続けられながらも、再審開始―無実をかちとるための闘いを闘いぬいている。

 浦和地裁・内田反革命差別「死刑」判決50ヵ年を怒りも新たに徹底糾弾しよう。

第三次再審棄却策動を許すな

 1月31日、第16回「3者協議」が開催された。弁護団は「3者協議」に先立ち、昨年12月25日に万年筆インクに関する新証拠を、1月30日には脅迫状を届けたとされる日の被害者宅付近に駐車していた車両について13点の新証拠を提出している。そして、それぞれ関連した捜査資料の開示を求めている。しかし、弁護団が開示を求めている「飛び番号」となっている証拠について検察側はあくまでも「個人のプライバシー」を盾に開示を拒否し続けている。次回の「3者協議」は3月末の予定だという。

 これまで「3者協議」で検察側は計135点ほどの証拠を開示してきた。しかしその内容は、あくまでも状況証拠であり、石川氏の無実を決定的にする物的証拠については「不見当」「開示する必要はない」と言い放ち、まったく開示する気配すら見せていない。それどころか、弁護団が提出した新証拠について反論の意見書を提出する有様だ。司法―国家権力は、開示によって証拠の捏造や、拷問のような取り調べとウソとペテンで石川氏にウソの「自白」を強要したことが明らかになることを何よりも恐れている。だからこそ、アリバイ的に証拠を小出しにし、石川氏無実を明らかにする証拠はすべて「開示拒否」を貫き続けているのだ。東京高裁・河合は、アリバイ的な証拠開示でも開示は開示、と言わんばかりに高検の出方を見据え、弁護団が要求する物的証拠について検察側に対して「開示命令」すら出そうとしていない。そもそも河合自身、事実調べを行なっておらず、いつでも棄却をだせる状況を作り上げ、その時期を虎視眈々と狙っているのである。再審棄却策動を許してはならない。

 「3者協議」によってあたかも第3次再審闘争が大きく前進したかのようにとらえるのは決定的な誤りである。今一度確認しなくてはならないのは、決して司法―国家権力に「公正・中立」の幻想を持ってはならないと言うことである。「3者協議」は、改悪刑事訴訟法を盾にとり、開示された証拠の詳細だけでなく日程すら極秘にされた。そして、開示された証拠には石川氏の無実を明らかにする物的証拠はひとつも無いのだ。

第3次再審闘争勝利、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃せよ

 司法権力は、これまで弁護団が提出してきた数々の新証拠について、寺尾判決以降40年近くも事実調べも証人尋問も行なっていない。ろくに検討すらせず全て退け、棄却を強行し、ひたすら狭山闘争の解体を狙ってきた。それは、狭山闘争が戦闘的部落大衆と労働者人民との階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で部落解放運動の飛躍を切り開き、国家権力糾弾・打倒の闘いとして闘い抜かれてきたことに何よりも恐怖しているからだ。ウソとペテンで石川氏を「犯人」とした司法―国家権力こそ、石川氏の無実を百も承知している。だからこそ事実調べを行なわず、弁護団が提出した数々の新証拠に追いつめられながらも、何が何でも「部落民である石川が犯人」として棄却を強行し続けているのだ。石川氏の無実は揺るぎのないものであり、裁かれるべきは司法−国家権力なのである。司法権力を二重、三重に取り囲み、東京高裁に事実調べを迫り、東京高検に全証拠開示を迫る徹底糾弾の実力闘争・武装闘争でのみ勝利をかちとることができるのだ。

 石川氏は、新年のメッセージで「東京高裁・寺尾裁判長が私に下した『有罪判決』『無期懲役』の判決は警察のデッチ上げを容認し、重要な証人調べや現場検証を一方的に打ち切る差別に満ちた不当極まりないもの」と怒りをあらわにしている。そして、「狭山事件は、捜査、別件逮捕、取調べ、再逮捕、起訴の全てを、違法、違憲なまま強行したことから始まっている。50年前に遡って全証拠の開示は不可欠。狭山事件の再審開始のカギは証拠開示に尽きる。一層のお力添えを」と、司法―国家権力に対して闘う決意を明らかにしている。この石川氏の決意に全力で応えきっていかなければならない。

 部落解放同盟内社民・こえ派は、部落差別に貫かれている狭山事件を単なる「冤罪事件」として切り縮め、「司法の民主化」要求を通して狭山闘争幕引きを加速させている。

 第三次再審棄却策動を粉砕し再審闘争に勝利しよう。〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟をより鮮明にし、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう。

部落解放運動の革命的飛躍・前進を切り拓け

 戦時下、差別主義・排外主義が激化し、全国で差別事件が激発している。差別落書き、差別ハガキや「土地差別」「就職差別」「身元調査」などの事件は急増しているのだ。また、インターネットのサイトでの差別書きこみが悪質化し、大阪や和歌山などで被差別部落の撮影動画などが「動画サイト」で流されるなどの差別煽動がよりあからさまとなっている。部落解放同盟内社民・こえ派は司法権力を頼りとした「告訴・告発」方針をおしだしているが、より差別が拡大・強化されている。奈良の水平社博物館前で差別発言をくり返した「在特会」なる極悪右翼ファシストは、「名誉毀損」で150万円の支払い命令が出された後もさらに差別煽動を続けている。「告訴・告発」方針では、差別が無くなるどころか拡大していることが鮮明となっているのだ。

 安倍極右政府は、朝鮮反革命戦争への突撃を加速させていくなかで、部落解放運動解体攻撃を一気に推し進めようとしている。安倍は、かねてから「戦後レジームからの脱却」を叫びたて、改憲攻撃の尖兵として振舞ってきた。「人権侵害救済法」案を極右の立場から批判しあっさりと葬り去った。その上で差別主義・排外主義を煽るだけあおり、一挙にファシズムへと急接近しようとしているのだ。激発する差別事件に対しては、戦闘的部落大衆を先頭とする差別糾弾闘争で闘わなければならない。

 ますます部落解放運動の戦争翼賛運動=ファシズム融和運動への転換攻撃が強まろうとしている。朝鮮反革命戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争の大爆発をかちとろう。戦争遂行の安倍極右政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。部落差別の根底的廃絶をなしきる部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、差別主義日共=全国地域人権運動総連合を解体し、右翼ファシスト、融和主義を粉砕し闘おう。

3・9内田「死刑」判決50ヵ年糾弾!
浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争

日時 3月9日(日)正午〜
場所 さいたま市別所沼公園
(埼京線中浦和駅下車徒歩3分)
主催 5・23闘争実行委員会